追い風、こっちの道

こっちの道に来てみたよ

もう一つあった気がするけれど


あるきながら

もう一個の方を考えるから


私はいつも

なくしたもう一人の私と旅している


なくした私は

片割れになった私を 慰めて 励まして

泣き虫が落ち着くまで そばにいたけど


あるきつづける肩には

いつも風が吹いている


どんなに抱きしめても

いつかそっと手を離れ

ふうせんみたいに飛んでいく


すると

なくした方の私は追い風に乗って


小さくなっていく 先に

ふたたび新しい道がひらき


もう見えなくなった

来し方には

私の血が通って 


へんなかたちのわたしになった

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