河北新報 【全文掲載】 『 仙台市議選挙 移動投票所は?選挙割は? 市選管「やりません」 』

『仙台市議選告示まで2週間 移動投票所は?選挙割は?   市選管「やりません」』

河北新報  2023年7月7日   [有料記事]

 任期満了に伴う仙台市議選(21日告示、30日投開票)は告示まで2週間となった。戦いの行方を左右する投票率は東日本大震災後に宮城県議選と別日程になって以降、下落傾向に拍車がかかる。市選管は対策を練るが、大学キャンパスや商業施設への期日前投票所設置などを進める東北各地の選管に比べると消極的に映る。(仙台市政取材班)

投票率低迷、それでも際立つ消極姿勢

 ●期日前投票所の大学への開設
 青森市は2015年の青森県知事選から、市内の大学に期日前投票所を設ける。青森中央学院大を皮切りに、青森大、青森公立大に拡大。投票日が同じだった6月の知事選と市長選も3大学に1日ずつ開設した。

 学生が投票所の立会人などを担う。市選管は「若者の関心を高められ、職員の負担も軽減できる。双方にメリットがある」と意義を強調する。

 岩手大(盛岡市)や石巻専修大(宮城県石巻市)など各地に広がるものの、東北で最も大学が集積する「学都」仙台の実績はゼロ。仙台市選管の佐藤久芳選挙管理課長は「人手をかけても投票率向上は見込めない」として、今回も実施を見送る。

 ●商業施設の活用
 4月の秋田県議選では、県内11市が大型商業施設など計20カ所に期日前投票所を設置。22年参院選より6カ所増えた。県選管の担当者は「投票しやすさを考えれば、商業施設への投票所開設を思い浮かべるのは当然だろう」とみる。

 仙台市も選挙のたびにJR仙台駅に近いアエル(青葉区)に期日前投票所を設けるが、他施設への拡大に慎重だ。

 「期日前投票の事務経験のある市職員が不足している。アエル以外は現実的にできない」と市選管。市役所内部の事情を優先する。

 ●巡回バスによる移動投票所
 高齢者らの投票機会を確保するため、岩手県八幡平市や石巻市、福島県須賀川市は投票箱、記載台などを載せたバスが地域を巡る「移動期日前投票所」を導入する。福島県南相馬市は高校にも立ち寄り、投票を呼びかける。

 対照的に、仙台市選管は「最近廃止した投票所はなく、有権者の利便性が変わっていない」と説明し、導入の検討さえしていない。

 ●投票後の特典
 投票の動機付けにしてもらおうと、選管発行の投票証明書を飲食店などで見せると、特典が受けられる「選挙割」。全国的に広がりを見せる試みも、仙台市は及び腰だ。

 19年の前回市議選では市内、22年の参院選では多賀城市の一部店舗が協力したが、仙台市選管は「あくまで民間の話」と受け身の構え。投票率向上に生かそうとの姿勢は見られない。

 ●市選管の向上策
 他都市と一線を画す市選管も今回、新たな取り組みを展開する。

 告示後、青葉区と太白区の映画館各1カ所で本編上映前に選挙啓発の動画を流す。中心部商店街の大型ビジョンでは動画を配信する。担当者は「若い世代の投票率アップにつなげたい」と狙いを話す。

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( 著作権的に、ルール違反。  ごめんなさい。)


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