King & Prince「ピース」⑥ TOGETHER WE STAND



King & Prince「ピース」シリーズ、6本目。
流石に面倒になってきましたが一応繰り返します。
未視聴の方は読まないでください。
未視聴の方は読まないでください。
未視聴の方は読まないでください。












純度100%の〇〇〇〇ソング

「Happy ever after」では、主体の制約から自由になった曲、と書きました。
この「TOGETHER WE STAND」では、逆に主体を限定した方が分かりやすく、受け止めやすいかと思います。

  かけがえのないBuddy You & I  腐れ縁ってやつも悪くない

Buddyと言えば二人組。YouもIも、1人ずつです。
腐れ縁という言葉、不特定多数には使わない言葉。もっと言うと2~3人に対してぐらいしか使わない言葉です。
加えて力強い曲調、そして

  “どうせ無理だから”って諦めかけて また悩んで喧嘩した日々だってAlright, no lie

のように、(今の時代にそぐわない表現ですが)男くささを感じる詞。

King & Princeの歌う二人組の男性、もうわかりますね。
そうです。れんかいです。
見出しの〇〇〇〇は、れんかいのことです。

私が大好きな人称の話になりますが、
この歌で登場する人称は” I” “YOU“ ”WE“ ”キミ“ と、1人称と2人称のみ、かつすべて1人の人間あるいは1対の人たちを示しています。
つまり、他の者は介入しない、2人だけの関係性の歌ということ。
残念ながらオタクの付け入る隙なし!ひゃー!仲良し!!

私としては、れんかい版「Stand by me」をイメージしました。ベン・E・キングの曲だけでなく、映画も。
「TOGETHER WE STAND」って言ってるし、同じようなもんだろ(適当)。
「Stand by me」あれも夏の終わりだったな…。
物静かな作家志望のゴーディと、カリスマ性を感じさせる不良の卵クリス。
物語自体は4人の少年たちの友情冒険譚だけど、特にフォーカスされるのが対照的なゴーディとクリスの友情。
これが美しいんですよね…。

思い出語りモードに入ってしまいましたが。
歌詞カードの「TOGETHER WE STAND」のページ見開きには、2人がしっかりこっちを見ている写真。
これもれんかいソングというイメージを高めています。

※ちなみに、もう1箇所歌詞カードの中で2人の写真が出てきます。
それが「ワレワレハコイビトドウシダ」の見開き。海人の服のUFOがしっかり写っているのが面白い。宇宙人の示唆ですね。

この瞬間を生きる

曲の冒頭、いきなり

  “永遠”なんて言葉は 今の僕らに必要ない

1曲前の「Happy ever after」の“百年先もありがとう”というフレーズに象徴される永続性、それをいきなりひっくり返す!
また、“瞬間(いま)を生きよう” “笑い合おうよ 最後の1秒まで”と、一瞬一瞬を大切にするという信念が全体を貫いています。
「Happy ever after」は物語性を孕んでいましたが「TOGETHER WE STAND」は現実に寄り添ったものと感じられます。
“永遠”というファンタジックな言葉と真逆の、“瞬間”という確実に存在するものがキーワードになっている。
これも、曲の主体がれんかいという実在の人物だからかと思います。

感謝の対象

「Happy ever after」では、烏滸がましくもファンへの感謝と読み取りましたが、「TOGETHER WE STAND」はどうでしょうか。

  雨上がりの大空に虹をかける Our story
  伝える For life「ありがとう」

“Our story”これはもう、その後の“Life”とほぼ同義だと考えています。
Our storyにありがとう。つまりはお互いのこれまでの歩みへの感謝です。

対になる2曲

改めて、「Happy ever after」「TOGETHER WE STAND」を対比させると

「Happy ever after」
・曲の主体が制約されていない
・人生は限りがあるが、心や思いに関して永続性を感じさせる
・物語性
・たくさんの人間を巻き込む感謝の歌

「TOGETHER WE STAND」
・曲の主体が明確である
・永遠は必要ない、と断言。瞬間を大切にする信念
・現実性
・1組のBuddy―2人の間での感謝の交換

ここまで対照的だと、この2曲は一対になるものと言ってよいのではないでしょうか。

「TOGETHER WE STAND」の描く人生観

3本目で、「静寂のパレード」「My Love Song」「なにもの」で描かれる人生観について比べました。
「TOGETHER WE STAND」でもやはり、その人生観が色濃く出ていますが、先に述べた3曲とはまた違う人生観が表現されています。
「TOGETHER WE STAND」では、この瞬間を生きる のセクションで述べた通り、一瞬一瞬を大切にするという信念が貫かれています。
瞬間の積み重ねというと「My Love Song」に近い気がしますが、「My Love Song」は“愛”という観点でピックアップされた瞬間による、点描画であると(私が勝手に)表現しました。
対して、「TOGETHER WE STAND」では曲中でこう表現しています。

   Life is like a puzzle それぞれのPieces
 重ねて 支えて
 繋いでいく未来へと Let′s get to it

この部分。
“Life is like a puzzle”の言葉通り、これがこの曲の人生観を象徴しているうえ、ずばりアルバムタイトルである「ピース(Pieces)」が登場します。
パズルとは隙間なく、全てのピースが組み合わされて完成するもの。
つまりは、全ての瞬間が未来を形成するという人生観を象徴しているのでしょう。

この観点では、「TOGETHER WE STAND」は「My Love Song」と対になっている、というほどではないですが、強い関連性のある曲と言えるでしょう

曲どうしを繋ぎ、環にする最後のPiece

これまで述べてきた通り、「TOGETHER WE STAND」は他の曲と対称関係にあったり、強い関連性があったりという、曲同士のつながりがありました。
他にも、部分的にですが繋がりを感じさせる曲があります。

まず、「なにもの」。

 降りしきる雨の日も
 澄み渡る晴れの日も
 明日の虹に変わる

なにもの

 雨上がりの大空に虹をかける Our story

TOGETHER WE STAND

そして、今回の収録曲ではないですが、「Life goes on」
もうこれは曲名そのままですね。
さすがに、何の理由もなく過去の曲名は入れないと思うんですよ。

最後に、「静寂のパレード」。
この曲はかなり大きなつながりがあると思います。
「静寂のパレード」のテーマそのものである“歩いていく”。
これに相対する部分が以下です。

 歩いてく With you
  気の向くままでOK
  ~中略~
  何があっても 胸張って進もう
 TOGETHER WE STAND

TOGETHER WE STAND

静謐で、孤独な夜の歩みであった「静寂のパレード」とは対照的に、「TOGETHER WE STAND」では足取りの力強さを感じさせ、また“歩いてくWith you”と、孤独とは反対に太陽の下2人で歩く様が見て取れます。

やはり、「静寂のパレード」も、「Happy ever after」と同様に対照的なメッセージ性がある、しかも曲の根幹部分で。
対になる曲と言っていいのではないでしょうか。

まとめると、「Happy ever after」⇔「TOGETHER WE STAND」⇔「静寂のパレード」という関係性になっています。
アルバム最終曲の「Happy ever after」と、1曲目の「静寂のパレード」を、この曲が繋ぐ。
それによって、曲調がバリエーションに富み、強くコンセプトを感じさせないアルバム「ピース」全体を、大きな環にしているのです。

さらに言うと、1曲目で孤独に歩んでいた僕が、アルバムの全曲の世界観を通り抜けることで、最後には2人で力強く歩むようになる。
新生したれんかいの、これからの展望の明るさを感じさせる構成になっているのです。
通常盤にしか収録されていない、ボーナストラックのような「TOGETHER WE STAND」ですが、この曲無くしてアルバム「ピース」は完成しない、最後の1Pieceと言えるでしょう。

限定盤の特典DVDも大盤振る舞いではありましたが、通常盤もこの超重要曲を入れてアルバムを完成させてくれるという点で、大大大大盤振る舞いです。
れんかいに感謝。

Fin

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