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登記原因は、解除?弁済?

 抵当権抹消登記のハナシ。

 申請時に添付する抹消書類は、金融機関が用意したものを預かることが一般的といえる。よって、権利証や識別情報を除くこれらの書類の書式や書き方は様々である。

 しかし、その中でも解除証書や弁済証書等については、その書面の記載に則った登記原因を申請書に書き写さなければならないので、特に注意して読み取らなければならない。


登記原因の原則

 登記原因はその書面の表題ではなく、記載内容に基づく。
 書面のタイトルが「解除証書」となっていても、弁済によって被担保債権および抵当権を消滅した旨が記載されていれば、登記原因は「年月日弁済」として申請書に記載する。
 一方で、解除証書の文言に「~解除します」とあれば、登記原因は「年月日解除」となる。


問題点

 では、預かった解除証書に「~解除します」という記載に加え、「解除原因 年月日弁済」と書かれている場合、登記原因は「解除」と「弁済」のどちらになるだろうか。

 いずれも抵当権抹消の登記原因であり、正直困る書き方だ。
しかし、実際にこのように書かれた書類を預かることもある。




 「年月日弁済」


理由

・実体上、弁済された時点で被担保債権は消滅している。
・被担保債権消滅の効果で、付従性により抵当権も消滅する。(この時点で抹消の効果が成立している)
・弁済の効果で既に存在していない抵当権を、さらに解除により消滅させるのはあり得ない。

 よって、上記の場合に申請書に記載する登記原因は弁済となる。

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