「安らう」

 先々週の毎日新聞の書評欄を見て、おやっと思う見出しがありました。それは
ヘレン・ンゴ著 小川正二郎・酒井麻衣子・野々村伊純訳
『人種差別の習慣』についての書評です。

「自分に安らっていられなくなる」という見出しです。

評者は伊藤亜紗(東京工業大学教授・美学)です。

 「安らう」という言葉は見たような記憶がありません。安らぐ、安らいでということばと同じようなものかなと思い大国語辞典を引きましたが、「休う」で見出し語がありましたが「安う」はありません。他の辞典を見ると「休らう」であります。「安らう・休らう」で載せている辞書もありました。語釈は、大国語辞典では 「どうしようかと迷って、行動に移れないでいる。ためらう」「足を止める」「休んでゆっくりする」などとあります。
他の辞書では休むといった内容です。

 この書評では「安らう」という言葉の意味は「安らぐ、くつろぐ」の意というよりも「安穏」の意で使われているように私には思われます。

「休」と「安」に共通する意味・解釈があったとしても、見た目で、少なからずの差異を感じ取ってしまうかもしれません。

 この書評において「休らう」では読者に誤解を与えかねないかもしれません。
 
 (黒人)は他者(白人)にどう見られているのか。普段の生活の中で、人種が違うということだけで、警戒心を持たれてしまう。それを避けるために危害はないという行動を取らざるを得ない。我々も例外ではいられないようです。他国で反日集会などに遭遇したら。日本人ということがわかった時にどのような扱いを受けてしまうことになるのか。
「人種」とは。

 少し怖い書評ですが、この本は読んでおこうという気になりました。

 日本語を外国語や第二言語として学ぶ人にとって大変だと思いますが、
私にとって漢字は、大変面白いです。



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