日本語学習の本・・・

 英語学習に関しては多くの本が出版されています。
 
 私も第二言語習得に関連して何冊か持っています。その中に『英語の学び方』大津由紀雄 嶋田珠巳 編 ひつじ書房 2016年3月29日初版1刷があります。英語を特に習得するために買ったわけではありません。
 
 第二言語、外国語を習得するためには様々な方法がありますが、その方法を見出すヒントを得たいと思い購入したものです。

 この本の第5章「英語の辞書について知っておくべきこと」の題で津留﨑毅明海大学教授が鈴木孝夫著の『ことばと文化』(岩波新書)を紹介しながら、日本語の「飲む」と英語の「drink」の違い、重なり合うところを説明しています。日本語で「薬を飲む」というのは何ら問題はありません。英語ではdrinkではなくtakeになります。「drink」は液体のとき。英語の学習を通して日本語の「飲む」と英語の「drink」の違い知ることになり、そして改めて日本語を学ぶことにもなり、英語学習その他言語学習における大事なことではないのかと。

 他言語の学習から、日本語を顧みることができ、日本語に対する理解がより深まると思うのです。

 思い出すことがあります。
以前放送大学で「英語の自動詞と他動詞」という講座を受講したときのことです。講師は日本人で、ある大学の准教授で米国の留学経験もある方でした。その方が、「日本語の「歩く」は「を格」を取るから他動詞だ」と発言されたのです。びっくりしました。

 「道を歩く」の「を」は「経路」を示すものであって目的を表わす「を」ではありません。
 
 例えば「太郎が歩く」という文。どこを歩くか示されていなくても、文としておかしくはなく、文として成立していて、意味もわかります。

 たとえ日本語が専門ではないとしても、ある程度日本語について知っておかねばならないのでは。

 英語の学習等に関して夥しい書籍が世に溢れていますが、その何分の1でも日本語についても、例えば中村明著『たのしい日本語学入門』(ちくま文庫)のような本、日本人向けの日本語についての本、出版されていてもいいのではないでしょうか。

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