見出し画像

Tea break15 保育士は国家資格

保育士が園児をカッターナイフで切りつける。
とても衝撃的なニュースで,「保育士が!?」と誰もが驚いたのではないでしょうか。

続報があり、ほかの園児に対しての暴行の疑いが出てきているようです。
またこの保育士は仕事に悩んでいた、ともあります。

なぜこんなことが起きてしまったのでしょうか。
「イライラしたから」という報道もあります。
何にイライラしたのでしょうか。
自分の思い通りにならない状況、子どもにいら立ったのでしょうか。
「子どもが大人の思い通りにならないのは当たりまえ」という保育者にとっての常識が理解できていなかったのでしょうか。頭ではわかっていても感情をコントロールできなかったのでしょうか。

今、どの業界も人手不足です。
教員、保育者も人手不足が深刻です。保育者が足りないのに、国は待機児童を減らす為に保育施設設置基準や規制を緩和してどんどん増やし、今や保育者の取り合いという状況になっています。
しかし、施設を建てても肝心の保育者数を揃えることができず、開所できない、または規模を縮小して開所という話もよく聞きます。

その状況を打破しようと、国が次に打ち出したのが
保育士の数を増やす、です。
これは厚生労働省が保育士を増やすために作ったサイトです。
私はこれに違和感があります。

とっつきやすく作ったサイトかもしれませんが、「簡単に保育士になれますよ」「保育士になればバラ色人生ですよ」「子どもと遊ぶのは楽しいですよ」とあります。
私はこのやり方は、保育士の仕事を冒涜されているように感じています。

私は4年制大学で学び、保育実習に3回いきました。この保育実習は1か月強、毎日施設に通い実習をしました。幼稚園、保育所、養護施設に実習に行きました。毎回実習の後に数人の学友が保育者にならないことを決めていました。保育者にならない、と決めた理由は子どもと毎日かかわっていくことに不安を感じたり、自分の気持ちがコントロールできずしんどいと感じたり、女性だけの職場に不安を感じたり・・・と様々でしたが、私はそれも人生の選択として有り、だと感じていました。
実習の意義は保育を体験し、より子どもを理解し学びを深めることと同時に「自分はこれを仕事にしても大丈夫だろうか」と保育者になった後のことを想像する良い機会だと思います。

それを考えると、厚労省のこのサイトつくりは「なんでもいいから保育士を増やそう」とする国の姿勢がうかがえ、特に「保育士は一生ものの資格です」と、煽るような文言には呆れてしまいます。
確かに保育士免許は更新する必要がないので、一度取得すればいつでも「保育士」として求人に応募できます。

保育士は国家資格であり、子どもの命を預かる責任重大な仕事です。
目先の問題を解決するために、保育士の仕事の重大性を見えづらくし、仕事のストレスを矮小化したサイトを作り、保育士の数を増やせばいいとする国のこの姿勢は少し詐欺的にも感じます。

全ての子どもが笑顔いっぱいで園生活を送るために、そこにかかわる保育者も保護者も笑顔であってほしい。
そのためには保育者を志す人にはストレスを矮小化し、夢みたいなことばかりではなく正しく現実を伝えてほしいものです。

次回は子育て支援員についてお話ししたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
明日も楽しい保育でありますように♡


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?