見出し画像

NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2024 実施概要とQ&A

NOT A HOTELは、U-40の建築家・クリエイターを対象とするデザインコンペティション「NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2024」を開催いたします。最優秀賞に選ばれた作品は賞金1,000万が贈呈されるほか、設計料を別途お支払いし、NOT A HOTELとして実現・販売します。

エントリーフォーム:2024年8月31日(土)中
作品提出フォーム:2024年9月29日(日)中

審査委員には片山正通氏、藤本壮介氏、谷尻誠氏、吉田愛氏の4名を迎え、書類審査、公開プレゼンテーションを経て最優秀賞作品を決定。4月11日より特設サイトにてエントリーを開始。エントリーの締め切りは9月29日。

今回のnoteでは4月20日に行われたコンペティション概要説明会の内容を再構成し、数多く寄せられた質問への回答をまとめてお送りします。なお、日本語のみですが、説明会の映像も公開していますので、こちらも合わせご覧ください。

NOT A HOTELについて

コンペティションの概要に入る前に、本コンペティションで事務局を担当する西丸がNOT A HOTELの企業・サービス説明をします。

こちらの紹介動画をご覧いただくと分かるように、NOT A HOTELは「世界中にあなタッチポイントを」というコンセプトを掲げ、これまでにない新しい暮らし、建築を生み出している会社です。「別荘(家)」と表記しているように、自宅や別荘のように資産として保有し、相互利用可能な物件を10日間からシェア購入できるプラットフォームを提供しています。

NOT A HOTELの特徴としては上記の4点があります。ミッションである「すべての人にNOT A HOTELを」を実現するため、NFTの形式で一日単位で物件を売れる「NOT A HOTEL NFT」やWeb3.0のテクノロジーを活用し、権利を小口化しみんなで保有ができる「NOT A HOTEL DAO」といった先進的な取り組みも積極的に行なっています。

NOT A HOTEL=建築の会社、といったイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、テクノロジー人材をはじめ、あらゆるジャンルのプロフェッショナルによって構成されるチームになっています。土地の購入から設計・販売・建築、そしてホテル運用までをワンストップで手がけているのがNOT A HOTELの特徴であり、強みです。

下記はNOT A HOTELがこれまでに手がけてきた拠点の事例です。

2050年までに50拠点の開業をマイルストーンに置き、海外での拠点展開も視野に入れています。

NOT A HOTELは一部の人にしか手が届かない「超高級な別荘を販売している会社」だと認識いただいている方も多いと思うのですが、実はその真逆をいくような「すべての人にNOT A HOTELを」というミッションを掲げています。

例えば、「NOT A HOTEL ISHIGAKI EARTH」の物件は一棟約42億円ですが、NOT A HOTELの特徴であるシェア購入により、12分割した【毎年30泊分】の不動産として3億円台から購入することができます。もちろん、それでも高額なことには変わりないですが、シェア購入の仕組みによって必要な分だけ買うことで、ご自身の予算の中で予算の何倍ものスペックの別荘を持つことができます。

このように、NOT A HOTELは「これまで一部の人しか手にできなかった体験や建築を、より多くの方に提供可能にするため」に仕組みを作っている会社なのです。

(各NOT A HOTELのコンセプトや間取りなどの詳細に関しては弊社のホームページよりご確認いただけます)

NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2024について


そんなNOT A HOTELが今回、初めての取り組みとして開催する「NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2024」。U-40の建築家、クリエイターを対象とする、実現・販売までを行うコンペです。

コンペの舞台は自然豊かな北軽井沢。「IRORI」をご覧いただければ分かるように、浅間山の麓であるため、岩に囲まれた手つかずの自然がそのまま残る素晴らしいロケーションの敷地です。今回のデザインコンペティションで最優秀賞を受賞された作品がこの場所に建築されます。

最優秀賞の受賞者には基本設計、実施設計、管理までを全てご依頼させていただけるのがベストではありますが、まだ実務経験がない方でも問題ありません。NOT A HOTELは一級建築士事務所としても登録しており、建築チームには約20名の専門家が在籍しています。そのため、最優秀作品の実際の建築でも万全のバックアップ体制があります。

NOT A HOTELの建築について


デザインコンペの評価とは直接的な関係はないものの、NOT A HOTELの建築についても紹介します。NOT A HOTELが建築を作る上で重要視してきたこと、NOT A HOTELらしさについて、クリエイティブディレクターの松井一哲が説明します。

松井はNOT A HOTELが販売サイトをリリースする以前の21年6月にNOT A HOTELに参画し、建築領域全体のクリエイティブディレクションに加え、KITAKARUIZAWA "BASE"では企画・設計を担当しています。

NOT A HOTELの建築を語るうえでまず第一に、その場所だからこそ成り立つデザインを重要視していると言えます。NOT A HOTELの拠点は必ずしも便利な都心の一等地や有名な観光地にあるわけではありません。日本は南北に細長い地形をしていますが、土地ごとに気候や風景がガラリと変わります。まだまだ知られていない魅力的な土地が多く存在し、その場所でなければ感じられない体験があるはずです。建築はその場所の素晴らしさを翻訳し、体験してもらうための存在だと考えています。

空間体験として魅力的であることはもちろん、実際その場所に足を運ばずとも、魅力が伝わる建築であることも重要視しています。

例えば、こちらは今回のコンペと同じ敷地である北軽井沢に現在建設中のIRORIのCGパースです。岩のスケール感、自然との関係性や距離感などその土地の魅力が伝わることを意識して制作しました。

建物の名称の由来にもなっているリビングも兼ねた「囲炉裏」の空間。パース上では囲炉裏の垂れ壁をあえて逆光で暗く表現し、マッシブなボリュームが際立つようにしていますが、これは天井の高い解放感のある空間であることを強調しています。

書斎も兼ねた寝室では、自然の中で静寂を感じられる場所を表現したく、シンプルな内装とその様子を簡潔に示すパースとしています。

浴室では自然の近さを表現する上で、岩風呂に新緑の緑を映り込ませています。また、浴室の引き戸を開けることで外気浴テラスとフルオープンでつながれる関係性を表現しています。

NOT A HOTELは実際に建物ができる前から販売を行うため、CGパースは最も重要なコミュニケーションツールです。絵や映像をみた人が実際に「ここで暮らしたい」「宿泊したい」と思ってもらうことを常に意識して、制作を行っています。

3点目は、五感に訴えかける質感の素材で仕上げること。

こちらは那須の「MASTERPIECE」という建物のコールテン鋼の写真です。コールテン鋼の質感でできた建物であることを強調するため、現場でパネルを全て溶接し、マッシブな一つの塊のように見せています。

また、こちらは北軽井沢の「BASE」。岩風呂の岩を実際に採掘し、選定しているときの様子の写真です。

現代の生活は多くを視覚に依存していますが、スチールに触れたときのひんやりとした触感や、無垢の岩肌に触れたときのゴツゴツとした手触りなど、視覚以外の五感に触れられるというのは、建築など実体があるモノの特権とも言えます。素材を通じてそのような感覚に訴える体験を生み出せたらと考えています。

最後の点は「高級ではなく、上質であること」。まずはこちらの石垣のプロモーションビデオをご覧ください。

「スモールラグジュアリーホテル」としてNOT A HOTELをご紹介いただくことも多いのですが、我々は豪華さを追い求めた空間ではなく、どちらかといえば上質なものだけで構成された空間を目指しています。先ほどの素材の話ともリンクしますが、直接的な煌びやかさよりも、感情の琴線に触れる豊かさを内包した場を意識して建築のデザインを検討しています。

Q&A

下記はコンペの開催に際し、寄せられた質問への回答になります。

Q:チームの場合の参加必要条件を教えて下さい

チームであっても個人であっても、40歳未満の条件は必ずお守りください。法人としてエントリーいただくことも可能です。しかし、後から追加された共同の設計メンバーをはじめ、プロジェクトに関わるすべての人が40歳未満である必要があります。この条件が守られていなかった場合、エントリーいただいても棄却になりますので、ご注意ください。

Q:企業勤めのメンバーがいても問題ないでしょうか

もちろん問題ありません。

Q:現地見学は可能でしょうか

結論として、現地見学は不可となります。コンペの舞台となる敷地がプライベートな別荘地でもあるため、不特定多数の方がお越しになると、近隣に迷惑がかかる恐れがあるためです。また、今回は国内のみならず海外からもエントリーが可能となっているため、コンペ参加者の公平も期す意味合いがあります。ただし、現地の様子がわかる写真は可能なかぎり共有させていただこうと考えております。

Q:作品提出は日本語・英語での記載が必要でしょうか?日本語のみでも可能でしょうか

日本語あるいは英語のいずれかで大丈夫です。もちろん日本語のみでも可能ですし、英語のみでも可能です。

Q:評価ポイントを教えてください

実施要項の記載をご確認ください。今回のコンペは実施を前提としているため、実際に実現するところまで解像度高く設計していただくことを推奨します。

Q:作品の再提出は可能でしょうか

可能です。作品提出フォームは何度でも利用可能です。

Q:複数作品を制作する場合、どのように提出すればよろしいでしょうか

作品ごとにエントリー番号が必要になります。作品数に応じてエントリーを行い、異なるエントリー番号を記載のうえ、作品提出フォームからご提出ください。

Q:軽井沢町の自然保護のための土地利用行為の手続等に関する条例による建築の形態規制については、提案内容の絶対条件でしょうか

実施要項に記載の設計条件の内容は絶対条件になります。

Q:施工、完成予定時期は決まっておりますでしょうか

結論として、まだ決まっていません。北軽井沢は豪雪地帯であり、冬季は積雪があります。そのタイミングや施工難易度によって期間が変わります。参考までに、同じ北軽井沢で計画していた建物は設計を始めてから竣工までに約2年の期間がかかっています。

Q:今後、更新・公開される予定の情報(敷地実測図以降)があればお教えいただきたいです

5月以降に公開する予定です。

Q:プロジェクトのチーム編成は評価に影響しますか?(担当者、構造、設備担当者実績など)

影響はありません。これまでの実績や所属ではなく、あくまでも提出されたアイデアのみを評価させていただきます。

Q:構造設計や設備設計はどの程度の深度が必要か

最優秀作品が決定した後に、改めて設計フェーズがあります。その段階で修正やアップデートを行っていただけば全く問題ありません。ただし、実現が前提となるため、実現可能性は考慮していただく必要があります。

Q:NOT A HOTELは著名建築家とのコラボレーションが多い印象ですが、これまで自社設計も手がけているでしょうか

今回の敷地でもある北軽井沢で「BASE」と「IRORI」がすでに竣工と着工済の社内設計の案件になります。今後も自社設計の案件はさらに拡大していく予定です。

Q:最優秀賞入賞後、実施設計に関してサポートはしていただけますでしょうか

具体的な体制・座組については、最優秀賞作品が決まった後、臨機応変に対応する予定です。ご自身での実設計が難しい場合、NOT A HOTEL社内の一級建築士と協業も可能です。

お知らせ

今後、下記のSNS等で情報発信を行なっていくので、ぜひフォローをお願いします。

「NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2024」公式サイト
・X:@notahotel_inc
・Instagram:notahotel_official

最後に繰り返しではありますが、今回の「NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2024」では、過去の実績や経験は一切不問です。

U-40すべての建築家、クリエイターに機会が拓かれています。ぜひこのコンペを好機と捉え、いずれ世界へ羽ばたく足がかりとしていただければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?