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シー インザ プラスチック

何でもない事をきっかけに心の防波堤は決壊し、強がりと理想とで出来ていたその壁は余りにも其の場凌ぎで弱い事が分かってしまう。

長く溜め込んでおいた不満だとか、後悔だとかで出来た大きな海はあくまでも人工的で、とても汚い青色をしている。その深い海に何の前触れもなくポタリと最後の一滴が落ちた時、私は私では無くなってしまう。

そんな時、言葉の限界を感じ絵を描く。

センチメンタルな笑顔、雨の日の目つき。

浮輪が浮輪では無くなるように空っぽ。

風には何故香りがつくのだろう。
四季には何故色があるのだろう。
「色彩で満せ」誰かが私に呟いた時、落し物は拾わない方がいいと知る。
今日の朝日は男だろうか、女だろうか?
君は約束を覚えているだろうか?
統制された記憶と、覚えていない食事と、それから、それから。ジメジメと続いた私自身が零した最後の一滴が間違え続けている強がりを終わらせた。

明日からは誰になろう。

#小説 #コラム