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冨樫義博展では凝を怠るな!【HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)】

ついに念願の冨樫義博展に行くことができたので、その感想をば!

初めて公開された情報とかもあるので、冨樫義博展にまだ行っていない方にはネタバレ注意である。

原画を初めて見た

冨樫展では冨樫先生直筆の原画が大量に掲載されているのだが、これがものすごかった。

いつも単行本で見ている絵ではあるが、原画の状態で見るとまた違った良さがある。

まず、迫力がものすごい。

原画は普通の誌面よりも大分サイズが大きいことを初めて知った。
多分1枚A4?かもう一回り大きいくらいのサイズで、ジャンプやコミックで見るよりも断然迫力がある。

特によかったのが、戸愚呂弟の「おまえもしかしてまだ、自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね」のところだ。
あの戸愚呂と目が合った時の恐怖心がよみがえってくる。

あと、ゴンさんのシーンもすごかった。
太い筆ペンで力強く描かれた線から、ゴンのオーラの力強さ、覚悟の強さ、悲壮感が伝わってくる。
このあたりは原画ならではの良さだと思う。

やはり、絵がうまい

当たり前だが、めちゃくちゃ絵がうまい。

生で見ると、本当に人間が描いているんだという実感が伴って、いかに人間業じゃないかが浮き彫りになる。

100%中の100%の戸愚呂、サキ王女、ネテロが初めて暗黒大陸に行ったときなど、圧倒的画力で詳細まで描きこまれた絵はまさに芸術作品で、本当に美しい。


それから、僕が感動したのは、修正の少なさだ。
描き間違いや少しはみ出たところなどは修正ペンで白く塗りつぶすことで修正した後が見られるのだが、冨樫先生の原画はほとんど修正されていないのが驚きだった。
(他の漫画家さんがどうかは分からない)

冨樫先生はもちろん紙にペンで描いてるのだが、まるでペンタブで描いたデジタル上の絵のような、キレイな絵が描かれている。

どこか修正していないかと凝を使って探す。
そしてやっと修正ペンの跡があった!と思ったら、躯の乳首が消されていた。

そこかい!!

とにかく、おれじゃなきゃ見逃しちゃうくらいの修正しかされていなくてびっくりしたという話だ。


あと、原画展で改めてじっくりと画を見ることで、あ、こんな巧みに表現してたんだと改めて気づかされることもある。

例えば、メルエムが毒に侵されていることをコムギに伝えるシーン。
2人の目線や瞳の描き方が一コマずつ全部違う。
表情はそれほど変わらないのに、目が違うだけで2人の感情の機微がまじまじと伝わってくる。
目は口ほどに物を言うというが、冨樫先生の描く目は吹き出しを使用せずともキャラの感情を雄弁に語っている。

今まで無意識に読んでいたが、このとんでもない説明力を持った画が、あの感動を生み出していたのだということに気づけた。


思わず涙…

原画展に飾られている原画はどれも屈指の名シーンばかりで、初めて読んだ時の感動が改めて思い出される。

一番の感動シーンはもちろん、メルエムとコムギの最期。

ここの原画は本当に素晴らしかった。

「この時のために生まれてきた」ことを悟るシーンは、光に包まれていくところが修正ペンで表現されており、こういう使い方をしているのかと感心もしつつ、あまりの感動で原画の前で思わず涙ぐんでしまった。

原画の迫力であのシーンはやべぇよ。。。


念の新設定も公開!

それから、中二時代に散々最強キャラ論争をしてきた人には涎が垂れる設定が公開された。

主要キャラの念の系統と、その習得度合いである。

まず、念の6系統だが、原作中でゴンが放出系寄りの強化系と描かれていたように、全員が六角形の頂点のどれかに属するわけではなく、六角形の辺上のどこかに位置するような感じらしい。

それに原作やハンターズガイドブックで描かれていた念系統とは違う人や、え?おまえそれだったの!?ってやつも結構いた。

まさかの、ゴンは放出系寄りの強化系ではなく強化系ど真ん中であった。
他にも、ゼノとシルバはハンターズガイドブックでは変化形だったが今回の設定では放出系になっていたし、メルエムも放出系になっていた。
イカルゴは強化系だったのも意外だ。(死体と遊ぶな子供たちは絶対操作系だろ。弾丸打つのが強化系能力とも思えないし。。)


それから、念の習得度には優→秀→天賦→極という4段階あるという新設定も公開された。

ただしこの段階はあくまで絶対的な指標であり、相対的な念の強さ・レベルを表すものではないとのことだ。
つまり、アベンガネは極の具現化系能力者だが、それはそれ以上伸びしろがないということであり、同じく具現化系能力者で秀のナックルより能力的に優れているという意味ではない。

面白かったのが、モラウが優だったことだ。
まだまだ伸びしろがあるのが恐ろしすぎる。
天賦でも修業をさぼるとすぐに秀とか優に落ちるらしいので、モラウも意外と修業をさぼっていたのかもしれない。

極はごく少数で、ちゃんと修業して極に至ったっぽいネテロ・ゼノ・ビスケと、あとはちょっと特殊なメルエム・アルカ・アベンガネくらい。
クロロとかヒソカとか強キャラも天賦でまだ伸びしろがあるのがうれしかった。


グッズを爆買い

グッズもめちゃくちゃ買ってしまった。。

まず、絶対欲しかったのはこれ。

ゴンさんの定規。

このシーンっていじっていいの?結構悲しいシーンだけど。


それからグリードアイランドのカードのストラップ。
マサドラのカードショップの気分が味わえる。

「同行」狙いで3枚購入したが、結果は「一坪の海岸線」×2と「再来」。

全20種あるのに被るあたり運が悪い。。
だし、せっかくなら「一坪の海岸線」×3で独占したかった。(カード化限度枚数3なので)
まったく、リスキーダイスが欲しくなるぜ。。


そして、ハンター試験のナンバープレートも外せない。

これも3枚買って、結果はイルミ×2とヒソカ。
うーん。。。

ただ、これはイルミファンの同伴者がレオリオを引き当てたため、交換してもらったので手元にはイルミ・ヒソカ・レオリオ。
4次試験でこの3枚を取っていたら間違いなく最強キャラである。


あとはヒソカのバンジーガム、ヒールキャラ名言アクリルバッジ、名場面ジオラマコレクション、クロロタペストリーを購入。
音を殺して歩くスリッパも欲しかったが今回は我慢。


総じてめちゃくちゃ楽しかった。
できることならあと3回くらい行きたい。

またこういうイベントが開催されるように、冨樫先生にはなんとか続きを描いていただきたい。

正直冨樫先生じゃなくていいから、アイデアだけ伝えて誰か続きを描いてくれ!と思っていたが、冨樫展に行くと、冨樫先生に続きを描いてほしいという思いが強くなった。

描きたくても描けない状態なのは知っているんだけども。。。


P.S.

いろんな漫画家や著名人からのメッセージや書き下ろしイラストがあり、それも結構テンションが上がった。

呪術廻戦の芥見下々、東京喰種の石田スイ、ジョジョの荒木先生、ワンピースの尾田先生など、錚々たるメンツだった。

僕は呪術廻戦も東京喰種も大好きなので芥見さんや石田スイが冨樫に影響を受けているのは知っていたが、こうしてみると僕の好みも冨樫作品を中心に形成されているのかもしれない。


佐久間宣行の好きなシーンとして、レベルEの見えない胃袋のシーンが上げられていた。
僕もこの話は冨樫作品の中でも特に好きな話なので、佐久間さんとは勝手に気が合いそうだと思っている。
レベルEは読む年齢に応じて楽しみ方が変わるから好きだ。
上の見えない胃袋とかまさにそう。


恥ずかしながら、このお盆にレベルEを読み返していて、多くの登場人物の名前が作家の名前をもじってつけられていることにようやく気付いた。
いや、筒井康隆はさすがに気付いていたよ?それ以外ね。


漫画家ゾーンに吾峠先生がいたのは絶対に話題性だけだと思う。
勝手な偏見だけど、あの人そんなに冨樫好きじゃなさそう。

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