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秋の日光は修行の地【紅葉シーズン日光ドライブ譚】

11月頭の3連休。
東北や北関東の山間部ではこの時期が紅葉の一番の見ごろである。

ここを逃すとその後もそんなに出かけられなさそうなので、激混みであることを覚悟しつつ、ずっと行きたかった日光に行くことにした。

交通手段はもちろん車。

ドライブ好きの僕はGoogleマップで片道4時間以内であればどこまででも車で行こうとする悪い癖がある。

というわけで車で日光に向かったのだが、これが想像を絶する修業の始まりだった。

この投稿が、1年後のこの時期に誰かの役に立つと信じて、書き残しておこうと思う。



日光東照宮はおそろしく混みそうなので、今回の目的地は明智平というところにした。
ロープウェイで上ると華厳の滝を上から見下ろせるという絶好のロケーションだ。

明智平は頭文字Dで有名ないろは坂の途中にあるのだが、噂によると、いろは坂は11時ごろになるとめちゃくちゃ混むらしい。

それまでに到着したかったので、横浜を出発したのは朝の8時ごろだった。


Googleマップでは所要時間3時間と出ている。
渋滞には巻き込まれるだろうが、昼にはたどり着けるだろう。そう思っていた。


しかし、出発したPP0に戦慄走る。

「到着時間の…底が見えねえ!!!」

大学4年間レンタカー屋でバイトし、しょっちゅう車を借りてドライブしていたPP0にとって、今までで一番の渋滞に遭遇することは珍しくない。
だが、過去最悪の渋滞と天秤にかけても計りきれないほどの渋滞はこれが初めてであった。


まず、都内がめちゃくちゃ混んでいる。

(コンビニに寄っていたのもあるが)高速に乗るまででもう30分くらい遅れていたし、首都高もめちゃくちゃ混んでいた。

当初の到着予定時間である11時にどこにいたかというと、蓮田SAの駐車場待ちの列の中だ。
まだ東京寄りの埼玉。

道があまりにも渋滞しているので、僕はトイレに行きたくなってたし、昼ごはんにちょうど良いだろうと思い、首都高を抜けて最初のSAである蓮田SAに行こうとしたのだが、考えることは皆同じである。
多分SAの5km手前くらいから左車線の路肩に超長蛇の列ができていた。

SAがそんなに遠いとはつゆ知らず、膀胱の限界との長い戦いをする羽目になってしまった。

1時間ほどの格闘の末、ようやくSAに到着しトイレに駆け込む。
この時ちょうど12時ごろだ。

そして少し腹ごしらえをしたのち、再び渋滞の高速道路に身を乗り出す。

明智平まではGoogleマップではあと2時間ほど。
ロープウェイの最終が15時なので、ギリ間に合うか。



否。

間に合うわけがなかった。


いろは坂に到着したのは14時30分ごろ。
ここまではおおよそナビの予測通りだ。

しかし、いろは坂はおそろしいほどの渋滞だった。

まだ「ろ」のカーブだというのに、もう全く車が動かない。

これは絶対にロープウェーには間に合わないので、目的地をとりあえず中禅寺湖方面に変える。
湖畔に行けばなんかあるだろうという安直な考えだ。


上っている途中、オーバーヒートして立ち往生している車に5台ほど出会った。
この日のレンタカーはカーナビがよくバグるおんぼろカーだったので、いつ壊れるかという不安を胸にじりじりと上り続け、明智平に着いたのは結局16時30分ごろ。

もちろん終ロープウェーはもうないが、休憩所があったので車を停めてトイレを済ます。
ついでに景色もスマホで撮影してきた。



この段階でもう日が暮れてきた。

中禅寺湖に着くころには真っ暗だろう。
真っ暗な湖に行っても面白くないので、また目的地を変更する。


次の目的地は日光東照宮だ。目的地が一周してきた。

絶望的観測で到着時間は19時ごろ。
通常ならもう閉まっている時間だが、この日はライトアップイベントをしていたのでちょうど良い時間だ。

そう無理矢理ポジティブに捉え、再び渋滞のいろは坂に殴りこむ。



結局日光東照宮に到着したのは18時30分ごろ。
最悪の予想よりはマシだったが、辺りはもう真っ暗で紅葉どころではない。

ちなみに明智平からここまでで追加で3台のオーバーヒートした車に出会った。「逆だったかもしれねえ」のでマジで笑えない。

東照宮は思ったより混んでおらず、駐車場にも普通に停めれた。

歩いて東照宮を目指すと、まず五重塔が見えてきた。
塗りなおしてそんなに時間が経っていなさそうなぎゃんぎゃんの朱色で、歴史の風情はあまり感じなかった。


五重塔の脇を抜け、東照宮を探す。

長い参道を抜けると、二荒山神社にたどり着いた。


あれ?東照宮は?


そう思い近くの園内マップを見ると、どうやら東照宮はもっと手前にあったらしい。
まさか見落とすわけないよなと思いながら来た道を戻る。


五重塔まで戻ってきた。
下には広い参道が続いており、屋台も出ている。
こんなでかい参道があるということは、東照宮はここか……?

五重塔の向かって右側、二荒山神社の参道を挟むような位置には、立ち入り禁止の看板とポールが掲げられた壮大な門がある。

僕はすべてを察した。


がっかりしてめそめそしていても何も始まらない。
なんてったって今日は10時間かけてここまで来たのだから。

東照宮に入れないとはいえ、ライトアップはされているわけだ。

他のライトアップポイントをめぐり、紅葉がきれいそうな庭園にも入り、しっかり夜紅葉を楽しんだ。

そして、地元の人で運営されている屋台村みたいなところがあったので、そこで湯葉ラーメンと豚汁を食べた。
日光の夜は想像以上に寒いのである。

なんだかんだで日光は楽しかった。
そこまでの道のりが大変でも、その瞬間を純粋に楽しめるのは僕のいいところだと思う。


日光を出発したのは19時30分くらいだったと思う。

日光の滞在時間は1時間ほどだ。
片道10時間掛けて来て、1時間だ。

それだけの魅力が日光にはある、と考えられる場合がある可能性がある気がする。


帰り道はめちゃくちゃスムーズで、3時間ほどで帰ることができた。

行きの途中で掛け始めたYUIは、横浜に着くころにはもう全曲一通り聴き終わり、2週目も中盤に突入していた。

この前書いたYUIの「winding road」の歌詞考察はこの時思いついたというのは言うまでもない。


最後にこれだけ言わせて。

11月頭の連休に日帰りで日光には絶対に行くな!

これだけは胸に深く刻み込んでほしい。
めっちゃ綺麗なんだけどね。。。にしても過酷な道のり過ぎるよ。。。

多分正解は夕方に出発して日光で1泊して、早朝から観光を始めること。
ライトアップが無かったら行って帰るだけになってしまっていた。


でもなんやかんやで楽しかったが勝っているので、僕は高杉晋作もとい野村望東尼もびっくりの心を持っているのかもしれない。

それかただの阿呆か。

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