見出し画像

【カメラ超初心者向け】シャッタースピード・F値・ISO感度について

デジタル一眼(カメラ)の使い方を教えてほしいという依頼を受けた。

習うより慣れろというのが正直なところであるが、ある程度の前提知識があった方が慣れるのも早いと思う。

とはいえ、本当にカメラを初めて触る人にどこから教えればよいか、どこまで深く説明すればよいか、ぶっつけ本番では目測を誤ってしまいそうである。

というわけで、教える内容を事前に整理するために、文章にまとめてみた。
せっかくなのでnoteで公開してみようと思う。


絶対に知っておくべき3要素

カメラで写真を撮る際には状況に合わせて様々な数値を設定する必要がある。

その中でも特に重要なのが
シャッタースピード、F値、ISO感度の3つだ。

スマホでしか写真を撮ったことのない方にはイメージが湧きづらいかもしれないが、これらの設定を誤ると一面真っ白の写真になったり、めちゃくちゃ手振れした写真になったりする。

スマホではこれらの設定は自動で設定してくれるので、設定を意識しなくてもちゃんと写真が撮れるというわけだ。
一眼でも実はオートでこれらの設定をしてくれる機能はある。
撮り方をただ教えるだけなら、極端な話オートモードに設定して、後はピントの合わせ方とシャッターボタンの位置を教えればよい。

だが、そんなんじゃだめだろ。
せっかくカメラに触れるのだから、その面白さ、奥深さを少しでも味わってほしい。

写真において、この3つの設定が基本にして奥義だ。

これらの設定をいろいろ工夫することで、背景を大きくボケさせたり、星のような暗いものを撮ったりできるのだ。

少しでもカメラの深淵を覗いてもらうためにも、この3つの設定だけは身に着けてもらおうとおもう。


3つの要素の関係性

この3要素がそれぞれどんな関係なのかを見ていこう。

僕はこれはコップに水を注ぐシーンに例えるとわかりやすいと思う。

水は光を表している。
コップの大きさがISO感度で、きれいな写真を撮るには満杯になるまで水を入れる必要がある。
そして、水の出る蛇口のレバーの開き具合がF値で、水を出している時間がシャッタースピードというわけだ。

ちょうど満杯の水を入れるには蛇口の開き具合と水を注ぐ時間が重要なのはわかりやすいと思う。
それにそもそもコップが小さければ、満杯になったとしても水の絶対量が少なく、飲んだとしても十分に渇きを満たせない。
コップを大きくすると渇きは満たせるが満杯になるまでに時間がかかる。

なので、今欲しい水の量を見極めて、こぼれたり少なすぎたりしないように水を注がなければならない。
そんな関係性だ。

これを念頭に置いておくと、以下の説明もイメージしやすいと思う。

では、それぞれ説明していくぅ!

シャッタースピード

まず、シャッタースピードから。

これはカメラのシャッターを開けている時間を表している。
カメラでいうと、1/500とか1/60みたいな分数で表示されており、単位は秒である。
つまり、1/500の方が1/60よりもシャッターを開けている時間は短く、「シャッタースピードが速い」と表現される。

写真を撮るにはカメラの中にあるセンサーに光を当てる必要があるのだが、シャッターが開いている間はセンサーに光が当たり、レンズを通して見えている画が記録される。

綺麗な写真を残すためにはこの光を当てる時間がとても重要で、シャッタースピードが速すぎれば光の量が足らずに暗い写真になってしまうし、シャッタースピードが遅すぎれば光の量が多すぎて白飛びしてしまう
適正なシャッタースピードは撮影する場所や被写体の明るさを踏まえて調整しなければならない。(ここはある程度の慣れが必要)

ここで注意すべきは、手振れである。

例えば、暗いところで写真を撮ろうとすると十分な光を取り込むためにシャッタースピードは遅くしないといけない。
しかし、シャッタースピードが遅くなると、それだけ手振れのリスクが上がる。

カメラの仕組み上、シャッターが開いている間の光が記録されるわけなので、その光が途中で動いてしまうと記録される画像にも光の残像が反映されてしまう。

多分1/2くらい

例えば、この写真なんかも手振れと原理は同じである。長時間シャッターを開いている間に流れた水が線のように映っている。
カメラを固定していれば動いている水だけが綺麗に線として撮れるが、これが手持ちだと水だけでなく岩や木まで動いてしまい、全体がブレた写真になってしまう。

体感、1/30よりも遅いシャッタースピードになったら手持ちだときついかな。

逆にシャッタースピードを速くすると、例えばこちらのように、飛んでいるイルカや水しぶきがはっきりと止まった状態で撮れたりする。
全てはどう表現したいか。なのである。

多分1/1600くらい


では、シャッタースピードを速めて水しぶきを撮りたいんだけど、周りが暗くて速いシャッタースピードだと光が足らず、暗い写真になってしまう。

そんな時には、シャッタースピード以外の要素、F値やISO感度を調整する必要がある。


F値

まずはF値から。
F値とは、しぼりの開き具合を表す数値である。
しぼりは顕微鏡にもついていたあのしぼりである。

小学校で習った通り、しぼりの役割は光量の調節だ。
しぼりを開けば光の量も多くなり、しぼりを絞れば光は少なくなる。

一般にF値は高ければ高いほど絞られている、つまり取り入れる光の量が少なくなる。

これも写真の明るさに影響する要素だ。
さっきの「シャッタースピードを速めて水しぶきを撮りたいんだけど、周りが暗くて速いシャッタースピードだと光が足らず、暗い写真になってしまう」というケースでは、F値を下げればより明るい写真が撮れる。


そして、F値を語るうえで外せないのが、ボケ度合いへの影響だ。
一般に、F値を下げれば下げるほど、ピントが合う範囲(被写界深度)が狭くなる。
そして、ピントが合っている領域から遠ければ遠いほどボケは大きくなるので、F値が低いほどボケやすくなるのだ。

Tamron 90mm macroのF2.8でこんな感じ。

一眼らしいボケの大きな写真を撮るには、このF値を低く設定することがポイントだ。
逆に背景をはっきり写したい場合はF値を高めに設定すればよい。

ただし、カメラのセンサーの大きさや焦点距離によってもボケ方は変わったりする。
スマホのレンズも最小F値は実はめっちゃ小さいのだが、全然ボケないのにはそのあたりが関係しているのだが、それはまた別の機会に。


じゃあ、背景をはっきり写した写真が撮りたいからF値を上げて、シャッタースピードを速めて水しぶきを撮りたいんだけど、周りが暗くて暗い写真になってしまう。
そんな場合は残りのISO感度をいじろう。

ISO感度

これはシャッタースピードのところで説明した、光が当たるセンサー部分の感度を表している。

感度を高めれば当たった光を増幅して記録できるので、少しの光でも明るく写せるし、逆もまた然りである。

読み方は「アイエスオー」派と「イソ」派が存在するが、僕は「アイエスオー」派である。これはどっちでもいいと思う。

僕は日中の屋外で撮影するときは大体ISOは100に設定していて、日が陰ってきたり屋内に移ったときは800とか1600とかにしている。
機種にもよるが、ISOは25600くらいまで高めることもできるのだが、なぜ800とかその辺に留めているかというと、ISOを高めすぎるとノイズが発生するからだ。(最近の機種は6400くらいでもノイズが気にならないらしい)

よく見るとガビガビ。て言いたかったが思ったよりそうでもない。

なので、普段はISOは高くても3200くらいに留めて、あとはシャッタースピードとF値で明るさ調整をすることが多い。
でもどうしてもシャッタースピード早めF値高めで撮りたいけど暗くなってしまう場合はISOを12800とかまで上げてしまっても全然いいと思う。
つまりはどんな表現を優先するかだ。



なんとなく3要素の意味と役割が見えてきただろうか。
この3要素は本当に基礎だけど奥義なので、これを機にカメラの楽しさに魅了されてほしいなと思っている。

もっと慣れてくると、この3要素を応用していろんな写真を撮ることができるようになる。

習うより慣れろなので、自分のいいと思ったものをどんどん撮影していってほしい。
その時に、これはどう撮ったらきれいに撮れるだろうと考えて、試行錯誤していってほしい。
オートモードでもいいが、マニュアルモードで設定をいじいじすることが上達のスピードを速めると思う。


あ。月1回くらいのペースで「僕のフォトギャラリー」と称して写真を投稿しているので、そちらもみてくれよな!☆

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?