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自由研究をまじめにやる世界

夏休みの課題の定番といえば、自由研究である。

これは今の小中学生にとってもそうなのだろうか。
実は、少しずつ変わってきているようだ。

2022年度から自由研究が「探求学習」に名前を変えて、
正規の授業カリキュラムに含まれるように変わったようだ。

これはとても意義のあることではないか。

自由研究をするには、

①課題設定
②情報収集
③整理・分析
④まとめ・表現

という4段階の工程があり、
今までこれは夏休みの課題ということで、特に指導されることなく生徒に丸投げされていた。

冷静に、こんなことが指導無しでいきなりできる生徒は少ないだろう。

私はありがたいことに、父がこういうのが好きだったため、父の手厚いサポートのもと、身近なものから疑問を抽出して、実験して、考察して、発表するということができた。
例えば、電池の持続時間の違いに疑問を抱いたのでプラレールを走らせてメーカーごとの電池の持続時間の違いを比較したり、
紙飛行機の折り方で飛ぶ距離が違うのでいろんな折り方を比較したり、
(これは完全に父のアイデアだが)果物に導線を刺して電池として活用できるのかを実験したりしていた。

しかし、他の生徒の自由研究はというと実にお粗末で、
織田信長の一生をまとめただけとか、セミの羽化を観察しましたとか、読んだこと見たことを羅列しただけで、知識は増えるがもっと肝心な課題発見・解決能力は身に付かないような内容だったように記憶している。

研究内容のプレゼン会もかなりお粗末で、これは自分もそうだが、ただの通過儀礼のようになっていた。
先生からプレゼンの仕方に対しての指導はもちろん、フィードバックもない。


当時はこれに何も問題意識を感じていなかったのだが、
大学生活や社会人になってからは「自分で課題を見つけて解決する能力」と「自分の考えを上手くプレゼンする能力」の重要性を感じることが多い。
数学や理科の内容よりもこちらが重要な人もかなり多いんじゃないだろうか。自分自身もここにかなり苦手意識を持っていた。
そしてこの壁にぶつかるたびに、自由研究の課題でなんでこのことを教えてくれなかったのかと、義務教育のカリキュラムに恨みを抱いた。


そんな義務教育が変わろうとしている。

この変化は、京都府立堀川高校の成果が大きく影響していると思う。
堀川高校では1999年に普通科に加えて探究科という科まで設置して探究授業を強化したのだ。
その結果、国公立大学への進学実績が急増し、「堀川の奇跡」とまでいわれるようになった。

堀川高校は、中学生に向けて「すべては君の『知りたい』から始まる」というメッセージを発信し、「自立する18歳の育成」という最高目標を掲げている。
同校に掲げられている「探究五箇条」には以下の様に記されている。

・知らないことを知れ
・常識を学べ
・常識を疑え
・手と足を動かせ
・明と愉しめ

こんな高校に行きたかった。。。

探究授業への取り組みは、中学校、小学校でも始まっている。
今の子供は自由研究も学べて、プログラミングも学べて、本当にうらやましいと感じる今日この頃である。

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