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傑作、奇作、珍作に出会いたい。映画選びはルーレットで

2024年1月11日

今日は何の映画を見るか。Fire TV Stickを手にあれこれ迷う楽しいひととき。が、ときにそれが20分にも30分にもなると、さすがに無駄じゃないかと思えてくる。

そうだ、ルーレットで見る映画を決めよう

「お前が今日見るべき映画はこれじゃ」と神の啓示でもあればいいけれど、「えっ、それ?どういうセンスなん?」と神をなじることになってもいかんしー、

ってなことを考えたあげく、ふと「ルーレット」で決めることを思いついた。神も誰も、もちろん自分も恨みっこなし。

さっそくアプリでルーレットを作ってみた。

基本、自分の趣味嗜好を反映したルーレットだけれど、あまり見ることのない日本・韓国映画も入れてみた。苦手なホラーもある。アニメはないけど。このルーレットで決まる「年代・(製作)国・ジャンル」の条件を満たし、なおかつサブスクで視聴可能な映画を見る。もうこれで映画選びに迷うことはない!はずがー。

初日から難条件「70年代以前/イタリア・スペイン/サスペンス」

『暗殺の森』(1970年/イタリア・フランス・西ドイツ)

初日からなかなかの難条件を示してきたこのルーレット。
イタリアの古めの、で思いつくのはベルナルド・ベルトルッチ監督か。
というわけで『暗殺の森』を視聴。

暗い過去を持つ男がファシストになっていく様を描く。暗い。娯楽要素はほぼなく、内省的でちょいエロスとオペラ演出、美鬱な映像に魅せられる。

さらなる難題で傑作に出会う「70年代以前/ドイツ・北欧・東欧/サスペンス」

『M』(1931年/ドイツ)

さらにハードルを上げてきやがった。これは何かの修行ですか?

ファスビンダー、ヘルツォーク、シュレンドルフあたりのニュージャーマンシネマを見たいけれど配信はほぼない。結果、遡りに遡ってフリッツ・ラングの『M』に決定。
 
これがめちゃめちゃ面白かった。物語は連続少女殺人事件をギャングと警察が追うというシンプルなもの。盛り上げる音楽、音響は一切なく、説明も最小。映像演出と編集の巧みさが際立っていた。

王道だけじゃない「80年代/イギリス/コメディ」

『ウィズネイルと僕』(1988年/イギリス)

思いついたのは『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(1988年)『コックと泥棒、その妻と愛人』(1989年)の2本。昔見たときには、正直面白さがわからなかった。いい機会なのでー、と思ったけれどいずれも配信はなし。

そこで「ん?こんな映画が」と思ったのが『ウィズネイルと僕』
日本ではほぼ未公開で2014年にソフト化された映画。

舞台は60年代のイギリス。売れない役者の2人。貧困と酒とドラッグにまみれもがく。やりたい放題のウィズネイルと振り回される僕の関係がヒリヒリして愛おしくなる。音楽、カルチャー、ファッションも好き。好きな1本。

意外とないよ「10年代/イタリア・スペイン/アクション」

『ALONE アローン』(2016年・イタリア・アメリカ)

2010年代という新しどころは配信にもわんさかあるだろうと高を括っていたけれど、意外とない。イタリアのアクションというと70年代のマカロニウエスタンとかノワール映画になってしまう。スペインもサスペンスやヒューマンドラマでラテンの血を煮えたぎらせている。アクション映画って、アメコミシリーズもの以外もう流行らないのか。

ってなことでようやく見つけた1本が『ALONE アローン』
地雷を踏んで動けない話なのにアクション。ま、いいか、と思って見たところ、デキは全然「ま、いいか」で済まされない。もっとサバイバルせんかいっ!なんなん、あのラストは! このアイデア、短編で見たかった。

あの時代のSFホラーを満喫 「90年代/アメリカ/ホラー」

『ヴァイラス』(1999年/アメリカ)

ようやく「アメリカ」を選んでくれたルーレット。が、ホラーよ。苦手なんだってばホラーは。じゃ、ルーレットに入れなきゃいいんだけど、未知なる世界に導かれたい気持ちもある。

ホラーにもいろいろあって、心理的なものや超常現象は大丈夫。血みどろ、グロ描写がそれほどでもなければー、というわけで選んだのがコレ。SFホラーの『ヴァイラス』

地球外生命体が侵略してくる話で、すでにその手に落ちたロシアの難破船が舞台。ジェイミー・リー・カーティスやウィリアム・ボールドウィン、ドナルド・サザーランドといった、今では大御所にみなさんがワーキャーわめきまくる。

半分人間、半分ロボットという微妙にグロいクリーチャーといい、「こいつ次にやられるな」とわかる展開といい、『エイリアン』に代表されるあの時代のSFホラーを満喫。

次のお題は「10年代/フランス/アクション」

与えられる条件のなかで、デキれば王道は避けたいところ。しかし、この条件でリュック・ベッソンを外すのは無理か……。

続きはまた後日。

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