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もしもコロナ禍じゃなかったら/おすすめ!『ドント・ルック・アップ』/ブログ5年目に突入します

2021年12月27日

おそらく今年最後の日記。

昨年末、まさか未だコロナが収束していないとは思っていなかったような。それでもマスクをすることも、人との距離をとることもさほど気にならず、忘年会がなくてもいいし、帰省(というほどのものでもないけれど)もしなくていい。もしコロナ禍じゃなかったら変人扱いされていたであろう暮らしを2年も続けている。もちろん変人と思われずに。

今日の朝刊(朝日新聞)の劇作家、本谷有希子さんのコラムを読んで「もしコロナ禍じゃなかったら」という思いが胸をよぎった。

第2子の出産のため実家のある石川県で過ごす本谷さん。人との直接の交流がない一方、つけっぱなしのTVから流れていくるコロナ報道によって「社会」と密になっていった。6年前の第1子の出産時のほうが、自分だけが社会から置いてけぼりを食らうような焦燥感があったという。

ソーシャルディスタンスとは裏腹に、気色悪いほど社会と同化した1年だったのだ。

2021年12月27日朝日新聞 寄稿 『コロナ禍 社会と密になった』より

TVやメディアの報道を闇雲に吸収しているつもりはないけれど、過剰に恐れる「コロナ脳」や「コロナは嘘」といった両極に振れた人たちをウォッチングして面白がる自分の性格の悪さを自覚しつつ、社会の多数派に属している現状に安心している。政治腐敗にイラっとしたり、有名人に対する過激な報道にもウンザリしたり、双子のパンダの成長を微笑ましく思ったりー。

この2年、私は人に関わらずとも社会と繋がっていたと思っているのだ。

が、世の中が”コロナ、コロナ”と騒がなったらどうなるのだろう。今のこの立ち位置は変人枠になってしまうのかもしれない。どうする?


映画『ドント・ルック・アップ』Netflix

未曽有の事態に瀕したときに人々は、社会はどうなるかを皮肉たっぷりに描いた映画『ドント・ルック・アップ』。ディカプリオ、ジェニファー・ローレンスほか超豪華キャストも話題のこの映画、期待以上の面白さだった。

巨大彗星を発見し地球激突の危機を警告する科学者と、それを信じないメディアや政治利用しようとする社会を描く。

企画はコロナ以前からのものだが、まさに今を風刺している。当時の大統領選を彷彿させる煽動される大衆と社会の分断。さらにこの期に乗じて一儲けしようとするIT長者と私欲まみれの大統領、ウケ至上主義のワイドショーキャスターが世間をかき回す。アルマゲドン的救世主も差別発言を連発する時代遅れの人物として描かれている。

監督は数々のコメディを手掛けてきたアダム・マッケイ。地球は滅亡するのかー、という映画ですが、年末年始におすすめの1本です。


このブログも年明けには5年目に突入します。
「稼ぐ」とか「読者」とか、そんな想定があるのかないのか自分でもよくわからないスタイルですが、4年も続いていて、今後も続くであろうと想像できるわけですから、これはこれで良いのではないかと思っています。

「自分が何を思ってい書いているのか」「自分にとって書くこととはー」なんてこっ恥ずかしいことは、できれば書かないで済ませたい。うまいこと映画や本と絡めて書きたい、という思いに変わりはありません。

映画や本を読んで考えたあれこれや、日常や社会とのつながりとか、単独で毒づきたいこととか、そんな「まんざらでもない日記」を来年もまたよろしくお願いいたします。

(本記事は2023年11月27日にnoteにて編集公開したものです)


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