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「たいしたことないって言ったでしょ」は解せないが/若き日のエリザベス女王のロマコメ/カルト趣味炸裂の映画録

2022年9月19日

祝日の今日、九州地方は台風が直撃。いま(19日朝)は不気味なくらい静か。どうやら今回の台風は進行方向の東側に豪雨と暴風をもたらしたもよう。ここ数日の”経験したことのない規模の台風”という警戒は結果的には肩透かしになったけれど、それはそれでヨシとしよう。

以前にも増してこうした事前の警戒(悪く言えば煽り)がキツくなった世の中。全部を真に受けて緊張しっぱなしなのはどうかと思うけれど、かといって「どうせたいしたことないっしょ」と楽観視したり「ハイハイ、煽りすぎ」と斜に構えるのもなんか違うと思う。

で、腹立たしいのは、たいしたことなかったときに楽観視した側が”正しかった”と大きな顔をすること。

そんな台風の最中、福岡Paypayドームでコンサートを決行した大物ミュージシャンの判断に賛否両論が。そりゃ当然の賛否だと思う。

こういうときに「待ちに待ったイベントだから」という気持ちはわかる。帰宅困難になる関係者や、台風のなか出動するタクシー運転手への”迷惑”を考えろよ、というネットの批判は余計なお世話だと思う。が、私もこの判断は”否”。

今回もそうであったように、何ごともなく終えたことは「よかったね」のはずなんだけど、これが一つの前例になることを考えると「よかったね」とは言えない思いもー。

たぶん、楽観視している人たちに何ごとも起こらないことが解せないんでしょうね、私。

いかんいかん! こんなドス黒い気持ちは書いて葬るしかない。何事もなくなによりです!


葬るといえば本日行われるエリザベス女王の国葬。

こちらで「やるのか!? ホントにやるのか!?」と言われている「国葬ギ」と違い、あちらは君主制の国家君主の葬儀。比べるのもはばかられる。

映画やドラマ(Netflix『ザ・クラウン』シーズン5が待ち遠しい!)を見聞きしただけの理解でナンですが、君主として生きることを全うした生涯。本当にお疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。

映画『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』

で、こちらの映画『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』(2015年)について。

1945年第2次世界大戦の勝利(ドイツの降伏)を祝う市中にエリザベス王妃(当時)と妹のマーガレット王妃がくり出すというお話。

パケ写から多分ロマコメなんだろうな、と思って、そう期待もせずに見たところ、なかなか良かった。『ローマの休日』のパロディかと思いきや、2人が外出を許されて市民と共に戦勝を祝った、というのは実話のようで、そのエピソードに着想を得たのが『ローマの休日』だとも。


そのほかの最近見た映画について。なぜかカルト志向が止まらない。

『シンプルメン』(1992年)

強盗崩れの兄と真面目な弟が自分たちを捨てた父を探すというロードムービー。とにかく台詞がイイ。ちゃんと作りこまれている。

で、作中に唐突に3人で踊り出すシーンがあって、これはゴダール(先日死去、ご冥福をお祈りいたします)の映画『はなればなれに』(これももちろんイイ!)へのオマージュだと。

インディーズ映画のハル・ハートリー監督の代表作。この監督のことは知らなかった。ジム・ジャームッシュやスパイク・リーに続く存在と言われたそうだが。よかった、これを機にほかの作品もチェックしたい。

『バンカー・パレス・ホテル』(1989年)

酸性雨が降り注ぐ近未来を描くフランスのSF。政府高官たちが逃げ込む地下にあるバンカー・パレス・ホテル。そこに潜入する女性レジスタンス。

トリュフォーの『華氏451』(1966年)を思わせるちょっと東欧チックでレトロなSF。渡辺直美風のアンドロイドに注目。こんな映画があっただなんて!掘り出し物です。

『THE ICEMAN 氷の処刑人』(2012年)

1970年前後に実在した殺し屋”アイスマン”ことリチャード・ククリンスキー。元来のサイコ気質を生かして殺し屋として活躍。が、その一方、愛する家族には投資家と偽りハイソな生活を送っていた。

主演はマイケル・シャノン。こうした映画には欠かせない亡きレイ・リオッタ。ウィノナ・ライダー、クリス・エヴァンス。ちょい役でジェームズ・フランコというキャストもイイ。


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