余裕ができるとサボる/締切間近、ネタがない!/『メメント・モリ』を読む
2021年6月21日
ここのところずっとたまっていた映画レビューを書いている。自分で言うのもなんだけどけっこう頑張っている。そのおかげで公開できる記事のストックが多量にできた。
……これがサボりを生む。人はー、いや人のことはわからんが、私は余裕ができるとついサボってしまう。先日、自分のことを律儀だの実直だのと言っていたけれど、それなりに怠け者でもある。
というわけで、書いた映画レビューはジャンジャン公開していく所存です。
とにかくたまった映画レビューを書いて公開して、新しく見た映画のレビューを1週間以内に書く、そういう状態にすることが当面の目標、です。
問題は締切仕事のほう。今月も締切が迫る今現在、ザックリとしたネタしかない。月3本を4年、その後月1本になって8年。短いコラムなのにネタに詰まってどうしようもないことがある。今それ。
私が好きなライターの宮崎智之さん(@miyazakid)は、月-金の17:00にコラム『モヤモヤの日々』(晶文社スクラップブック→書籍化)を書くという神業を継続中だし、人気作家の角田光代さんは怒涛のような締切の数々をこなしていると何かで読んだことがある。やっぱりプロはスゴイ。スゴイね。
もうホントに感心している場合じゃない。明日明後日には仕上げないといけない。どうする⁉
こんなふうにネタに詰まることもあったであろう、ナンダカンダあった作家、原田宗典さんの小説『メメント・モリ』を読んだ。
1990年代を中心に面白いエッセイを数多く出版し、私周辺の観測では男性ファンが非常に多かった原田氏。が、躁うつ病や薬物使用により筆が途絶え、2015年に10年ぶりに発表したのがこの『メメント・モリ』
という話をなんとなく知っている程度で読むこともなかったのだけれど、ちょっと前にTwitterでお世話になっている、ろぎおさん(@hondan_rogio)の音声配信で原田氏が紹介されていて、「おおっ、懐かしい」となった。たしか1冊くらいエッセイを持っていたと思うけれど、行方不明か売却済みかで見当たらない。さっそくBOOKOFFに原田本を物色に行き、エッセイとこの『メメント・モリ』を購入した。
が、すぐに読む気になれなかった。『メメント(思う)・モリ(死)』のタイトルからしてアレだし、行き詰った作家、原田宗典の私小説というのだから読む側としてもそれなりの覚悟がいる気がした。
で、何があったというわけでもないが、なんとなくその覚悟が決まったところで一気読みした。
なるほど、原田氏の「死」に関する経験や思索がランダムにつづられていく『メメント・モリ』は、想像以上に心をザワつかせた。良いとか悪いとか、幸せだとか不幸だとか、そんな判断を奪われてしまう世界を見た気がした。
そして、とにかく今月も締切を乗り越えたい。
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