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【映画日記】なぜこれが「見るリストに」?『デルタ・フォース』

2024年4月7日

どこかのレコメンドに上がっていて「見るリスト」に入れていた(記憶もない)映画を何の前情報もなく鑑賞し、ひどく驚くことがある。

どこがおすすめなんじゃごらぁぁあ!

先日見たコレがまさにそう。

映画『デルタ・フォース』(1986年/アメリカ)

一応この映画についてザックリとご紹介します。

カイロ発のアメリカ航空機がハイジャックされる。
「新世界革命機構」と名乗るハイジャック犯はベイルートに向かうよう指示。が、機長の機転によってアメリカ陸軍に通報。対テロ部隊の「デルタ・フォース」が出動される。前の任務で難癖をつけ、田舎に引っ込んでいたマッコイ少佐(チャック・ノリス)も呼び戻される。というか「しょうがないな、もう」的な、嬉しいくせに、の復帰。

そして舞台は中東へ。

前半のハイジャックの部分に多少の見どころはあるものの、「デルタ・フォース」が出動してからがマズイ。アラブ人は悪、ユダヤ人は被害者、それを救うアメリカ人という露骨な構成と、それぞれの背景を一切描かない仕様。人物の掘り下げもなし。

そんな中、ノリノリでテロ殲滅に繰り出すチャック・ノリス。繰り返し流れるめちゃ明るいテーマソングが「警察24時」を思い出す。終盤はもはや笑いが止まらない。ミサイルが搭載されたバイクでウィリーしまくるノリス。ノリノリのノリス。……しまった、こらえきれんやった。

そして人質を無事救出。仲良しの部下の死が若干しんみりさせるものの、そこにあのテーマソングが流れ映画は終わる。

なぜなんだ?なぜこれを「見るリスト」に入れていたんだ?

80年代B映画ってだけで惹かれるものはあるけれど、「小品なヒューマンドラマが好き」とか「ハリウッド以外の映画がー」とか「衣装がー、美術がー」とか言いがちな自称センス系映画好きの私が普通だったら絶対選ばない映画。具合でも悪かったのかな。

ま、こんなことはチョイチョイあるので、見た映画がつまらなかったからといって腹が立つわけでもない。ついでにこの映画についてもうちょっと調べておくか、という謎の探求心も芽生えた。

メナヘム・ゴーランとキャノン・フィルムズ社

今回抑えておきたいのはココです。
1980年代にこの手のB級映画を製作しまくったメナヘム・ゴーランとゴーランが従兄弟のヨーラン・グローバと共同経営していたキャノン・フィルムズ社。チャック・ノリス主演の『地獄のヒーロー』シリーズの大ヒットで知られる(らしい)。

キャノン・フィルムズ社はアクション映画以外も制作。『ゴダールのリア王』もココ。ちょっと頭がバグる。が、興行は低迷し90年代半ばに倒産。ゴーランは2014年85歳で死去。

そんなゴーランとキャノン・フィルムズ社を描いたドキュメンタリー映画『キャノンフィルムズ爆走風雲録』(2014年)もあるという。

『キャノンフィルムズ爆走風雲録』

「見るリスト」に入れておこう。(そしてそれを忘れて再び冒頭の事態にー)

追伸)チャック・ノリスに関してはWikipediaの「チャック・ノリス」と「チャック・ノリス・ファクト」を参照されたし。


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