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女の髪は生活で動く! 私はボブ道を極めたい

私はボブを極めたい。

ディランでもマーリィでもなく、もちろんサップでもなく、念のために言いますと、1987年にヤクルト・スワローズで「ホーナー旋風」を巻き起こした伝説の助っ人、ボブ・ホーナーの話でもありません。ボブカット、ボブスタイルを極めたいのです。

女の髪は静止していない。女の髪は生活で動く!

中年女性のヘアスタイルといえば、やれ「白髪」だの「薄毛」だの「うねり」だのと弱点をあげ連ね、それらを巧妙にごまかすためのヘアスタイルがおすすめされます。それはそれで結構。非常にありがたいことです。

が、それらを紹介している美容室系のサイトや雑誌に掲載されているヘアスタイルは、当然ながらプロによってベストな状態に整えられたものです。

プロの美容師がその人の髪質や顔、頭の形に合うようにカットして、セットして、これまたプロのカメラマンが髪も顔も最大限美しく魅力的に映るように撮影したものです。飛び出したアホ毛の1本や2本はササッと修正されているでしょう。

つまり、プロの手によってベストな状態に「静止」したスタイルです。

しかし! われわれの生活は動いています。仕事、家事、買い物ー、たとえゴロ寝であっても「静止」していることはないんです。

髪は生活の中で動いています。「静止」状態のヘアカタログを参考にすることには「限界」があるのではないでしょうか。

ボブは動いてこそ輝きを増す

で、ボブです。もちろん冒頭のディランからホーナーまでのくだりは、きれいさっぱり忘れていただいて結構です。

私はもともと直毛で、毛量も硬さもほどほどの髪質。生え際の白髪を1回/月のカラーでごまかしつつボブスタイルをキープしています。ボブといってもさまざまなバリエーションがありますが、ここ数ヶ月はかなり切り揃ったスタイルのボブです。

跳ねたり寝癖がつくこともなく、襟足も暑苦しくない、いいことだらけなんですが、若干の問題がー。うつむいたときに垂れ下がってくるサイドの髪が、なんとも鬱陶しい!

が、生活シーンで「うつむく」ことって非常に多いんですよ。私がうつむきがちなシャイな女子であってもなくてもですよ。調理、洗い物、掃除機をかける、風呂掃除、トイレ掃除、読書、スマホ……。ありとあらゆる行動は「うつむく」のです。

女の髪は生活で動くもの。特にボブは動く。動くからボブ。動いてこそのボブなんです。

「鬱陶しかったらピンで留めたらいいじゃん。ゴムで結んだらいいんじゃん」という下卑た思いに負けてはいけません!その思いがオバサンに向かわせていくのです!

参考!映画の中の「動くボブ」

というわけで、映画のなかの「動くボブ」を堪能し、「ボブ道」(注:くれぐれもサップやホーナーのことは忘れて下さい)を極めましょう。

まずはコレ。

映画『シカゴ』(2002年)

ヴェルマ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は黒髪のボブ。ミュージカル映画なだけあって、めちゃくちゃ動きます。前下がりのボブスタイルで、ゆれる髪が頬にかかるのもカッコイイ!

踊るといえばこちらも

映画『パルプ・フィクション』(1994年)

ギャングのボスの妻ミア(ユマ・サーマン)も黒髪の前下がりボブ。ちょっと長めのスタイルです。ジョン・トラボルタを相手に無表情で踊りまくります。

子どもも負けてはいません。

映画『レオン』(1994年)

ColumbiaPictures/Photofest/MediaVastJapan

殺し屋レオン(ジャン・レノ)と逃亡する少女マチルダを演じたのは、当時13歳のナタリー・ポートマン。マチルダの大人びた表情と、整えられないボブスタイルは最高にクールです。

そして、あの”動かない”と思われがちなお人もー。

映画『ファッションが教えてくれること』(2009年)

アメリカ版『VOGUE』の鬼編集長、アナ・ウィンターのドキュメンタリー映画です。

ブロンドのボブがトレードマークのアナ様は、滅多なことでは表情すら変えませんが、この映画では動くボブスタイルが、人間らしい(?)魅力を垣間見せてくれます。

ヴェルマ、ミア、マチルダ、アナ様に見るボブスタイルはカッコよくてクールなイメージですが、こんな可憐なボブもはいかがでしょうか。

映画『キャロル』(2015年)

(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED

気品あふれる人妻キャロル(ケイト・ブランシェット)と恋に落ちるデパートの売り子テレーズ(ルーニー・マーラ)。

クラシカルなファッションに合う少し内巻きのボブで、帽子やヘアバンドを合わせてもカワイイ!  キャロルへの思いを表すかのように儚く揺れるボブスタイルをお楽しみください。

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