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BAD HOP 『OVERTIME』レビュー



今回はBADHOPのSingle『OVERTIME』のレビューです!どうぞ!

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今曲は、日本のプロバスケットリーグであるBリーグにて、昨シーズン優勝を飾った、「川崎ブレイブサンダース」を扱ったドキュメンタリー映画『OVERTIME』の主題歌として制作された。

その為、ジャケットにチームユニフォーム、背番号は川崎の市外局番である"044"となっており、地元を盛り上げるチーム同士の繋がりが伺える。


BADHOPのメンバーも、シーズン中よく試合を観戦していた様で、その様子をInstagramのストーリーにアップしていた。

USでは、

HIPHOPミュージックとスポーツには強い繋がりがある一方、日本でその様なものを見ることは少ない。


これは、単純にマーケットの規模や、HIPHOPの捉われ方によると思う。(USはここ数年HIPHOPがメインストリームとなっている)


その中で、今回BADHOPとブレイブサンダースのコラボによって、日本のHIPHOPの現在地や、HOODSTARとしての姿を見られた様で嬉しく思う。



私はBADHOPはBADHOP 1DAYの頃から聞いているのだが、最近は本当にG-kidが素晴らしい。


個人的に、BADHOP ALLDAY 2に収録されている『No sleep』以降G-kidのフックは気持ち良いし、オートチューンが映える良いメロディだなあと感心する。(REDRUMに収録されているソロ曲『NVM』も良いので是非聴いてもらいたい)



そんなG-kidが今作のフックでは、

あの日憧れた世界に
全て捨て人生賭けてく不安はない
歓声が俺を呼び向かってくステージに
仲間達とこの街を背負ってFly

どん底から這い上がってきたHoodstar
こいつが無けりゃ未だ俺はLOW Life
何度も勝ち続けてきたオールスター
いつか夢見た景色なら遠くない


と、フッドスターとして活躍し続ける彼らだからこそ歌える内容を歌っている。

G-kidは、メンバー内でもチンピラ顔とイジられいることもあるが、彼らの中で特に、
私たちに見えない部分と、表舞台とのギャップや、それに対するジレンマの様なものを歌うことに長けているように思う。
どこか影のあるリリックが彼らのルーツとリアルを感じさせるし、彼のメロディがそれをより引き立たせている。



そして、今回もキレキレのバースを披露しているBenjazzy。
BADHOP随一のラップ巧者として知られている彼は、その綱渡りをする様な独特のリズム感から、上下左右に首を振らせるグルーヴを生み出している。


今作では、

絡まる運命に逆らい
俺ら切り開いてく明日明後日
全てを投げ捨てでも俺らは1ミリ単位でも
上へとFly


と細かくライムする一方、最後にはFlyと絶妙な抜けをかまし、

覚えてる何度言い聞かしてる
ライバルが映るミラー超えてく自分を
2度ねえような夢見ては俺らは二度寝する途中キリないほど流した汗も枯れてる


2度ない夢を見ながら二度寝する(死後、眠りにつくまでの)途中、と良いラインも残している。

彼のラップは、少し前に般若の『土砂降りでも』のRemixで、MACCHOとの共演を果たした時も感じたが、とにかく安心感がある。
それは、クルーにとっても大きく、我々も「間違いない🔥🔥」という気持ちになり、ラップスターだなあとしみじみ思う。



そしてBarkは、

生まれた場所で覚えた事
人生かけてプレイHoodを盛り上げる
番号を背に背負って会場を赤く染める


と、バースの締めでこのように歌っており、
Hood Gospel』の時の、

成功しこの街に恩返す
ゼロからじゃねぇマイナスから巻き返す
何にでもなれる 誰だってやれる
夢を見せれるなら貧乏も歌う

正直歌いたくねぇ金がねぇあの日々
でもなんか響くなら歌うあの子に


というラインにも感じたが、
フッド、"川崎"については彼が一番良いラインを出してくれるように思う。

特に彼は地元のキッズ達に、
当時の自分たちのリアル、それから得た物
ライムすることで、大きな背中と夢を見せている。


それは彼のその声質、スキルだけでなく、
リリックに関しての上手さがあるからこそだと思う。


それが、今作もブレイブサンダースの活躍と重なり、フッドを背負い大きな舞台に立つ彼らのカッコ良さが存分に感じられた。



BADHOPは9月に横浜アリーナでツアーファイナルとしてのワンマンライブを行うが、
日本のHIPHOPシーンをまた一つ先に進める様な素晴らしいライブになる事を願っている。



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という事で今回はBADHOPのレビューをしました!

彼らは本当に日本のHIPHOPを牽引し、ロールモデルとなる素晴らしい方々だと思いますし、彼らに続くような、又は彼らへのカウンターとなるようなカッコ良いクルーが出てくる事を楽しみにしています!

次回はTohji,gummy boyのMall boyz久しぶりの新曲である『POOLSIDE』をレビューしたいと思います!

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