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ANARCHY『LOYALTY 2021』レビュー


今回は前作より8年もの歳月を得て制作された
LOYALTY 2021』をレビューしたいと思います!
どうぞ!

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あの曲が帰ってきた

ANARCHYがLOYALTYを発表した2013年から
実に8年ぶりとなる今年

バージョンアップしたあの曲が帰ってきた

2021ver.となった今作も
前作に引き続き多くのネームドロップが行われ

ANARCHYが自他共に認めるシーンのキングであると同時に、
未だにシーンのヘッズであることが感じ取れる

今回は前作を聞いたことのない方の為に
この『LOYALTY』という曲が何を意味し

どこがカッコ良いのか

私なりの目線で書いていこうと思う


以下 歌詞及び注釈


正直 想像もできなかったラッパーに
なるなんて まさかな 夢のまた夢の話し
20代前半はまだただのヤンチャボウズ
MACCHO聴いて腹を決めた俺もやったろう(※1)


あれは名古屋のお兄ちゃんが死んだ日
涙の後に意思は受け継いだしっかり
(※2)
今日はTimberland履いてみよう
懐かしいHIP HOPで散歩に行こう


アイツもアイツもアイツもアイツも
アイツもアイツもHIP HOPが大好き
(※3)
ヘッズの気持ち 俺分かるよ
だって1番前で全部歌ってたもん


ラッパーも芸人も色々ある
スキャンダルも人生を賭けたギャグ
まず芸能界って何?
テレビなんか真面目君の集まり
(※4)

ラッパーは問題起こすかもな
当たり障り無いパンチラインはない
コレが音楽だ 反論は聞かない
今でもANARCHYはANARCHYでしかない(※5)

Come on
俺ら厄介者


コレが無かったら何してたのかな?
AKIOに言われたコレで食わないか?(※6)
夢みたいな事言ってんじゃねーよ
運命に従うしかなかったGhetto


言われるがままGrowthを書いた
団地に一輪の花が咲いた
(※7)
後は太陽と水が必要だ
夢をかき集めて作るジグソーパズル


新譜が出たら速攻でチェック
悪いとこ探す奴はナンセンス
誰が1番かなんて決められない
BAD HOPが出せば聴くの当たり前(※8)


WILYWNKAのライブなら行く(※9)
ヘッズに戻ってライブを楽しむ
目を光らせてStreet watching
BOYじゃないけど今もB-BOY(※10)


Come on
俺ら厄介者



"注釈"


1.MACCHOの所属するOZROSAURSのクラシック『AREA AREA』の冒頭より


約何年経ったろう あの頃から企んでた
東京よりやや西(MACCHOの地元である横浜)
潮の吹く港から 俺もやったろう
のサンプリング

2.名古屋の兄ちゃん=TOKONA-X

ANARCHYは生前より公私共に交流があった


3.DJ HAZIME『I REP feat.DABO,ANARCHY,KREVA』のKREVAのラインをサンプリング

(同曲のANARCHYバースも必聴です!)

4.昨今のスキャンダルについて

またメディア用にパッケージされたHIPHOPへのdisとも受け取れる
ストリートからメジャーまで上がってきたANARCHYだからこそ吐けるライン

5.上記のようにストリートからオーバーグラウンドまでに上がったラッパーは
昔の〜〜の方がよかった。と言われることも多い

それに対しANARCHYは
ずっと変わらない姿勢をラップで伝えている

6.ANARCHYの幼馴染でありバックDJを務めるDJ AKIOとのライン

7.言わずと知れたANARCHYのヒット曲『Growth』

また団地とは、ANARCHYがレペゼンする京都の向島団地の事と思われる

8.BAD HOPとは彼らのデビューから親交があり
前作The KINGでもT-Pablowをフィーチャーしている

9.ANARCHY主宰のHIPHOPレーベル『1%』所属のラッパーWILYWNKA

芯がある抜群のラップセンスに加え
最近ではBrassttracksのトラックにありのままの姿を乗せた
『Our style』が若者の間で大ヒットしている

10.前述の通りANARCHYの
変わらない姿勢を表したライン

シーンの寵児として所狭しと暴れまわってきたANARCHYもベテランとなりKINGとなった一方で

未だに一人のB boyとしての矜持を守っているというようなライン。痺れます 


いかがでしょうか

ちょうど私が、HIPHOPをがっつり聴き始めた頃に出たLOYALTYの新バージョン

あの頃はリリックに出てくる名前をとにかく検索して、色々な曲やラッパーと出会うことができました

今までもANARCHYはシーンを代表して

若手のフックアップをこなし、
はっきりとダサいものにNOと言える強さ、

有無を言わせない実力を証明し続けています


昨今、色々なラッパーが現れては消える中で、
常に第一線で活躍するラッパーの上手さ、格好良さが存分に発揮された曲だと思います


それも単に、ANARCHY自身がHIPHOPを愛し、

曲名通りにHIPHOPと向き合っている事の証明だと

改めて感じました

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