『ブレットトレイン』をみた

日本原作のブラピ主演という異色作。触れ込みは面白かったけど、果たして中身は。


自分のためのあらすじ

息子を重体にされた悲しき父の復讐劇……と思いきや、この父親はブラピじゃない。
じゃあ誰が主人公かというと、それは復讐も何も知らない、不運な殺し屋(?)「レディバグ」。今日も今日とて「簡単な仕事」をこなすために新幹線に乗るが、不運にも、そこには殺し屋がわんさか乗っていた。
計算と誤算が渦巻く列車は走り続ける。どこへ着くかも分からぬままに。


感想

全体に通っているストーリーとしては、普通。普通に楽しめるけど、人に勧めるときはそこを推すことはない。
まぁこれは「『復讐さえも呑み込んだ盛大な復讐劇』に運悪く巻き込まれたレディバグ」っていう部分がメインだから仕方ない感じもする。あんまり作り込みすぎても、どこを魅せるか分かんなくなっちゃうからね。

でも色んな殺し屋の、色んな思惑と、色んな過去がどんどん繋がっていくのは面白かった。丁寧な伏線回収だし、回収するときにちゃんと伏線をもう一回見せてくれる親切さもある。何も考えず、アクションを享受できる。
これを良い点と受け取るか、それとも悪い点と受け取るかは意見が割れそうだけど。

あと殺し屋たちの出身がバラバラだったのも良かった。はじめはいつものポリコレ対策かと思ったけど、どの国の雰囲気も「ザ・ステレオタイプ」って感じで、あんまりに露骨すぎてむしろアンチテーゼにさえ思えた。
現実的なところとしては、主役を(数字のために)ブラッド・ピットにしたことによる世界観のチグハグさを、いっそのこと開き直ってハチャメチャ国際キリング大会にしようって発想だったんだろう。失敗はしていない。

ただ、少し長い。時間的な意味じゃなくて、ちょこちょこ小休止的なシーンが入るのがそう感じさせている。
アクション映画で、このノリで、しかも考えないで見るための配慮もされている作品なんだから、もっと怒涛の展開でも良かったと思う。
特にウルフの過去がクドかった。峰岸付近の話も間延びしていた印象がある。各駅停車とでも言ってしまおうか。あざとくいこう。

撮影はほぼ新幹線内のみ。これは上手いことやったなと思う。費用を抑えようという努力が垣間見えた。


総評

まあまあ楽しめた。ちょっと長い。弾丸列車のタイトル通りノンストップで畳み掛けてきてもよかった。
王道にアクションを混ぜ込み、アンジャッシュのコントを散らした感じ。
トンチキ日本アレルギーがある人は注意。原作が日本だとて見くびるな。

個人的にはミカンが好きだった。なぜ殺たし

ここはどこだ