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給料増えても楽にはならない⁉増加する税と社会保険料の影響


現状の概要

日本は現在、高齢化とインフレの影響を強く受けています。
この結果、家計の所得に占める税と社会保険料の負担割合が2023年9月時点で28%という過去最高水準に達しました。
特に若年層にはこの負担が重くのしかかり、消費や出生数の低下を引き起こしかねない状況です。
この問題を解決するには、賃上げや社会保障の効率化が必要とされています。

家計への影響

家計における税と社会保険料の負担は、所得からこれらを引いた後の「可処分所得」に直接影響します。
可処分所得が減少すると、家庭は消費や貯蓄に回せるお金が少なくなります。
これが家計に及ぼす影響は深刻で、実際に23年の10〜12月期まで3四半期連続で個人消費が減少しています。

負担の背景

この負担率の上昇には、高齢化による社会保障費の増加やインフレによる所得増加が税負担増につながるブラケットクリープなどが背景にあります。
高齢化は止まらず、社会保障費の増加は続いており、これが家計にとって大きな負担となっています。
ブラケットクリープっていうのは簡単に言うと、「給料は上がったけど、税金のせいで手取りがあんまり増えない」という現象。
給料が上がったときに、その人がより高い税率の「ブラケット」(税率の区分)に移動してしまうことを指します。
インフレで物価が上がって、会社がその分給料を上げてくれたとしても、その上げ幅が税金で食べられてしまうことがある。
つまり、名目上の給料は増えているけれど、税金が増える分、実際に手元に残るお金はそんなに増えないというわけです。

たとえば、去年は年収400万円で税率が10%だったけど、今年は年収が500万円に上がって税率が20%になったとします。
給料は増えたけど、税率も上がったから、手取りの増加分は思ったより少ない…。これがブラケットクリープ…。

若年層への影響

特に若年層にこの負担は重くのしかかっています。
29歳以下の世帯では、消費税を除く負担率が30.2%に達しており、これは他の年齢層よりも高い数字です。
これは若年層が経済的な困難に直面し、結婚や出産をためらう一因にもなっています。

政府の対応と課題

政府はこの問題に対応するため、少子化対策の拡充や医療保険料に上乗せする支援金制度の導入を計画しています。
しかし、社会保障費の増加を抑えることができるかどうかは不透明であり、対策が逆に負担を増やす結果になる恐れもあります。

私たちの生活への具体的な影響

この税と社会保険料の負担増は、日常生活に様々な形で影響します。
例えば、手取り収入の減少はレジャーや娯楽、さらには教育や健康に対する投資を減らすことを意味します。
長期的には、若年層の経済的な苦労が出生率の低下を加速させ、国の将来に暗い影を投げかけることになります。

今後の見通しと提案

この状況を改善するには、若年層の負担を軽減し、経済的な活力を取り戻す政策が急務です。賃上げや社会保障制度の効率化だけでなく、世代間の負担の公平性を高めることが必要です。
例えば、消費増税など、世代間の偏りが少ない税制への移行が一つの選択肢となり得ます。
私たちの生活において、これらの経済的な圧力は避けられないものですが、政策立案者や私たち一人一人が意識的な努力をすることで、より良い未来への道を切り開くことができるでしょう。


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