損をしたくないから買わされる心理と効果的なデザイン戦略
マーケティングを分母にデザインを考える【マーケティングデザイン論】を解説していきます。
今回は、「人は損をしたくない生き物だ!」ということです。
それはそうですよね。ただし、今回はその当たり前の感覚をほとんどのデザイナーが有効活用できていないということにスポットを当てます。
結論からいうと、「人は得をする情報よりも損をしない情報への期待度が高い」ということです。
日常生活の中で、クーポンや特売のチラシなどが手元に溜まってしまうことってありませんか?あとで使おうとか、いつか使うだろうとか。。、私もあります。
そうしているうちに、クーポンの期限が近づいてしまい焦って期限内に購入しにお店へ急ぐなんて経験はないでしょうか?
ここが今回のポイントです!
クーポンを一つ消費するために、その人はわざわざお店へと向かったりします。消費者の中では、200円のクーポンを今使わないと200円損してしまうという心理が働くのです。
しかし、もしそのお店が車で向かうような場所だったり電車移動しないといけなかったりすれば、電車代やガソリン代などのお金がかかってしまいます。そして、こういった時に余分にかかる費用への意識は疎かになってしまいがちなのです。
お店でも、200円得するからといって浮いたお金で別の商品をいくつか購入しているうちに、余計に多くのお金を使ってしまうということも考えられます。
これらを踏まえると、損しないことへの情報に人は動かされやすく、売り手はこの効果を使ってお金を使わせることが可能ということになるのです。
Youtubeのサムネイルで何気なくクリックしてしまうものがあるかと思います。実はそれらもこの損したくない心理に訴えられている可能性があるのです。
特をするために動くよりも、損しないために人動かす方がより効率的でレスポンスも多いのです。
こうした心理をつくことで、広告の効果は大きく高まります。
また、マーケティング要素には、理屈で考えると同じ内容でもプラスの面を見せるのかマイナスの面を見せるのかで大きく印象が変わるフレーミング効果というものがあります。
【フレーミング効果】
考えると同じ内容でも、プラスの面を見せるのかマイナスの面を見せるのかで大きく印象が変わる心理効果
こうしたマーケティング効果を使って、以下の参考例から広告デザインに落とし込んでみましょう。
【参考例】
あなたは、化粧品の広告デザインをクライアントから依頼されました。その際のオーダーでは、この広告戦略で販売数を少しでも多く伸ばしたという要望を受けます。
この時、売り上げに直結するアイデアや打ち出し方を検討する必要がありますが、大半の人は「こんな商品が発売されました!」とか、「この商品のここが素晴らしい!」という視点から入ると思います。
しかし、「この商品を手に入れなければあなたは一生お手入れに困ることになる」や「スキンケアが必要ない人は絶対に見ないでください」と言い切られた場合、大して興味がない人も「ん?なんの話?」と一旦目を止めます。
この考えをベースにビジュアルを検討していけば、似たり寄ったりの化粧品広告にならず競合と差別化された広告アプローチが可能になるのです。
ここのタイミングで、初回限定で次回から使える同商品のクーポンなどをつければ、購入者の一部はいずれリピーターとして期限内に商品購入へ意識を向けてくれるのです。
そのついでに、予定もしていなかった商品をカゴに入れてしまう形でお店への利益貢献を生み出すのです。
いかがでしたか。
ちょっと視点を変えるだけでも広告デザインの仕上がりが変わってきます。シンプルに商品や課題に対して向き合うこも大切ですが、こうして人間心理に訴えるようなアイデアも一つの広告戦略です。
デザイン制作に置いて、こうしたマーケティングワードは良いスパイスにななります。
マーケティングデザインを高めて、良いデザイナーライフを送りましょう。
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