「文化財を遊び倒す」を目の当たりにして
いきなりですがまずはこのnoteを読んでいただきたいです。
このnoteを読んだときに気になる部分がありました。
つい数か月前までずーっと奈良に住んでいたこともあり、世界遺産や文化財には人より触れる機会が何倍も多かったです。通学路に文化財があるのが当たり前で日常。にもかかわらず「遊び倒す」ってどういうことなのか想像が追い付きませんでした。
その言葉の本質を見ることができたのが
「奇怪夜行」
このイベントについて簡単に説明すると、八女市にある「伊藤権次郎商店」さんで作られた妖怪提灯を御花の空間で展示するというものです。
夜の御花は通常、宿泊ゲストのためだけの特別空間として外部にはクローズにされています。ただこの期間だけは外のお客さんも夜の御花に入ることができます。
「奇怪夜行」を通じて代表の伊藤さんは文字通り御花を遊び倒していました。
昔使われていたトイレに展示したり、ディスマンという世界的に有名な顔を提灯にしてBGMをつけて展示したり。本人はカンフーの服を着てひょうたんを持って会場をうろうろしていたり。
建物を遊び倒すことで御花が生きている、そんな風にも感じました。
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また余談ですが、僕はここで縁側でくつろぐ姿を見て感動したのを覚えています。庭の美しさに目を奪われている方が本当に多かった。
このお庭を観に来るためにこの時間に来た人はそれほどいないと思います。表現が正しいかは分かりませんが、彼らは妖怪提灯を見に来たはずが偶然庭に出くわし、そこで夜の御花の魅力にも気づくことができました。
この景色に感動した人は、もしかすると次は昼の御花に来てくれるかもしれないし泊まりに来てくれるかもしれない。
言葉遊びのようですが、ここで少し考えてみました。
「文化財をどう活用していくのか」
「文化財をどう遊び倒すのか」
なぜ代表の千月香さんは遊び倒すという言葉を使うのか。活用と言わないのか。
これはあくまで僕の主観なのですがこの2つの言葉は内容を見ると同じもの。ただその目的は全く違います。
「活用する」は文化財そのものがもつ力を活かして使う。
「遊び倒す」は文化財を利用するための関わりしろを作る。
後者の方が使ったその先にフォーカスを置き、広がってく可能性を秘めている。より柔軟な考えから価値を生むことができる。この2つの言葉にはそんなニュアンスがあるのではないか、そう思います。
以上、「文化財を遊び倒す」について考えてみたというnoteでした。
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