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New Album『CLUB33』壮絶解説〜装丁、Star tale〜

『CLUB33』壮絶解説も第三回目でございます。

今回はアルバムの装丁について、そしてついに各楽曲の解説に入っていきます。

それでは早速、まずはいつも通りルシファー教授による解説でございます。

【装丁について】
曲が出揃って、順番が決まって、先述のようなイメージが出てきてからジャケットなどの装丁のデザインに入りました。

【CLUB33】slip case(top&down open)for 10mm jewel case-143.5x11x126 [更新 (2)

今回はお分かりの通り、フォントが今までの文脈と違いまして、今までは基本的にはパンクカルチャーの文脈にある文字デザインだったり、元ネタであるディ○ズニーに準拠したりてきましたが、今回は「タギング」風の文字デザインにしています。
タギングは元々ストリートギャングが縄張りを示すために使われてきたもので、どちらかというとヒップホップカルチャーと関わりが深いものです。
もちろん近年ぼくがヒップホップに傾倒してることもあるのですが、それよりは、タギングの持つ「汚す」という機能を使いたかったんです。
高級感のあるものとか、小洒落たものとかを敢えて汚して無価値にしてしまうような、そういうバカバカしいエネルギーみたいなものを叩き付けたい感がありました。

本当は箱に入れたかったのですが、予算も時間も足りないので断念し、前作同様にスリーブケースにしました。
とはいえスリーブケースも、業者さんが「もう扱ってないんです。。」と発注してから言ってきて、ホントどうしようかと思って他のデザインへの差し替えを画策したり、代替業者を探したりしたんですけど、どうにもならなくて、最終的にはめっちゃ頼み込んでどうにかしました。どうにかなってよかった。

【CLUB33】dvdya-6pjk [更新済み] (2)

スリーブを外すとCLUB33の入口のドアがあって、ケースの中にはあなたに贈る宝石が入っていて、という仕組みになっています。

【白ベタ】【CLUB33】dvdya-dvdlabel [編集用]_page-0001 (3)


この宝石の光が、ぼくときみをCLUB33にログインさせるわけですね。
ちなみに、ドアの外は日本のガラの悪い繁華街の風景が、現実では有り得ない色味と角度で映っています。
なんか、そういう場所にある気がしたんですぼくらのCLUB33は。
扉を開くと、そこからは赤と紫と薄いエメラルドグリーンの光と闇の世界が広がっていて、そしてお別れの出口に辿り着きます。
はっ!と目覚めると、ぼくは繁華街の角に横たわった状態になっていました。
夢か、、、ふと見上げた落書きだらけの壁には、見たことあるような3人組の気色悪い笑顔が見えましたとさ。つづく!

【CLUB33】dvdya-10mmback-2 [更新済み].pdf (2)

というイメージで作った装丁でございました。

【楽曲について】
ここから各楽曲について自分なりの解釈を書いてまいります。

◾️Star tale
アルバムのスタートを飾る楽曲でございます。
The Nostradamnz的には、『まいご』や『無線衝突』などのEDM的側面の延長線上の立ち位置にあると思います。
今回は「Future bass」と呼ばれるジャンルに挑戦したいというのが出発点で、これに向けた習作をいくつか作った記憶があります。
Future bassは、もう少し前に流行ったDubstepや、未だにメインストリームにあるtrapの流れを汲んでいつつも、メロがポップでトラックもキラキラしたイメージがあります。
2015〜2016年くらいにかけてはトレンディなジャンルでございました。

しかしながら、まあ毎度のことなのだけれどロック畑の人間なので、クラブミュージックをクラブミュージックそのものとして作れないというコンプレックスが実はありまして、どうしてもバンドサウンド的に構築するやり方しか知らなかったり、そこから脱却しようとしてもなんか違ったりするのだけど、それはそれでクラブ畑の人にはできない音楽だったりするしいいのかなと開き直ってもいたりします。

何度か色々なところで紹介してるのですが、ぼくはSTREEXというイタリアのDJデュオがめっちゃ好きです。

彼らもバンド出身らしく、自分たちの音楽を「Future pop punk」と呼んでおり、その名の通り曲そのものについてはNOFXやblink182やGreen dayなど、まさしくぼくやかみむらくんが共通で好きなポップパンクの影響をモロに感じます。
彼らはFuture bassにポップパンク的なエッセンスやフレーズが入っている、という感じなのだけど、他方でぼくらは本気でFuture bass作ってるのにどうしてもロックっぽくなっちゃう、ていう。
あとぼくらの場合は歌メロがポップパンクというよりはJポップ的でよりストレートなのもあるんだと思います。

タイトルを「Star tale」にしようか「Star tail」にしようか随分悩みました。
フック部分を聴いていただくとわかるとおり、本作は『星のしっぽ』の変奏曲だったりします。
60年代っぽい、ビートルズやローリングストーンズあたりの、イギリスのクラシックなロックンロールを意識した『星のしっぽ』に対して、こちらはもうその名の通りイマ以降の未来をイメージして作っております。

星のしっぽも、『銀河鉄道の夜』モチーフな感じがありますね。
以前自分のブログで詳しめに解説されていたので、お時間が許す方はご一読いただけたらよりわかりみが深いと思います。

https://ameblo.jp/youkaicrust/entry-12558908892.html

かように『星のしっぽ』は、ある種の諦めの絶望の気持ちの上での歌だったりします。
全部諦めてるけど、いつか遠い未来でまた会えたら、一緒にほんとうのさいわいを探しにいこうね、という。
『Star tale』は、その「また会えた」から始まっています。
そこから始まる物語、という意味を持たせたくてtailではなくtaleを選びました。

そんなもの、マキシマムな目線で見たら空想のおとぎばなしに過ぎないんだけど、ぼくときみとの間だけのミニマムの世界だったとしたら、ほんとうのさいわいも見つかるんじゃなかろうか、という。
星のしっぽは捕まえられなかったかもしれないけど、ぼくはきみのことを捕まえました。
そうして、ぼくときみが繋いでいる手と手の、その合わさった接点には、外からは見えないけど、捕まえようとしていた星のしっぼと同じ光がきっとある。
だから、一緒に行こう?というお誘いをしておるわけです。

もしきみがトラック2へ曲順を進めてくれるなら、ぼくらはCLUB33へログインすることになります。

【サイコパス燕瞳さんのミックス解説】

この『Star tale』という楽曲、トラックの制作は全部ルシファーがやってます。僕はただ音をいい感じに調整して、いい感じにカッコよくして、いい感じに音圧を増やしただけなのですが、とてもいい感じですよね。

基本的には「Future bass」というジャンルにしたいというルッシの要望を聞いて、「Future bass」の楽曲をいくつか聴きこんで消化して、ミックスに挑んだところ結局ノストラダムスになりました。

今作全般に言えることですが、分離感と音圧感のバランス、各楽器やボーカルの鳴り方を特に拘って作りこんでおり、この『Star tale』も各楽器の透明度の高い残響感、立体的に広がる世界、特にボーカルの遠くに透き通って吸い込まれて消えていくようなリバーブ感は心地よく表現できたと思います。とてもスペーシーでフューチャー。

「連れてくよ〜」から展開するシンセの鳴り響くバースセクションでは、遠くに誘われるようなタイムワープする道をシンセで両側に作り、「愛も夢も、、時空の果てでまた会えたなら〜」と現実感のない声がどこからともなく聞こえてきて、そして光の手が差し伸べられてくる。

そして最後の最後、歌の残響がだんだん消失していって、誘われた世界から徐々に意識が戻ってくる。そう、ここから『CLUB33』の物語がスタートするよ。

これは僕が勝手に思い描いたストーリーですが、そういうイメージでミックスを作り込んでいます。良きヘッドホン推奨ですがiPhoneスピーカーでもいい感じに聴こえるように作ってます。さぁたくさん聴こう。


【本文に対しての上邑くんの一言解説】

幾千の過ぎ去った夜も孤独に迎え撃つ朝もいつか愛おしく思えますようにと。星のしっぽ追いかけるようなおとぎ話もきみとなら本当になるよほらお洒落に着替えて


この曲にはこんな歌詞があるのですが

アレは数年前の9月か、そのあたりに台風でライブが無くなり同居人のDとスロットに行ったところ珍しく2人とも大勝ちをして少し飲むべと町を歩いても台風の影響でコンビニしかやっていないので酒を買い込み家で飲みながらポーカーを楽しんでました。

まあ、ただやるのもつまらないので次のゲームで負けた方が近所のコンビニに勤めるオーナーのMちゃんという女性(74歳)にラブレターを出すことになりました。

どこもお店が他にやっていないので深夜前にも関わらずコンビニは中々の入客でした。

…ちなみに私とDはたまにアルバイトに来ている女子大生風の方に思いを寄せていました。

カードを配り終えたところ何と僕はスリーカード。勝利を確信しDにカードを叩きつけました。

「一万円で勘弁してくれ」
Dは泣きました。
「勘弁しねえ、ラブレターだ。」
Dは悪魔を見るような目で私を睨みました。

ただし勝負は蓋をあけなければ分からない物で土居はやけっぱちになりカードを全交換したところ奇跡的にフルハウス。Dの勝利が確定してしまったのです。土居は高々とカードを上げ、私の前に叩きつけました。

「一万円で勘弁してくれ」
私は泣きました。
「勘弁しねえ、ラブレターだ」
私は悪魔を見ました。

私は5年間の蓄積した思いを手紙にしたため当時好きだったショットのライダースを羽織り、Mちゃんの元へ向かいました。その時にこの曲が生まれていたのならきっと流れていたと思います、そして中々サマになっていたかと思います。お手紙は喜んでくれたと思います。振られました。優しく。そう優しく。

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