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国際避暑地・日光 各国セレブが愛した中禅寺湖畔

水田 壮彦

日光の中禅寺湖畔は明治時代から昭和初期にかけて、各国大使館の別荘が建ち並び、「国際避暑地」として栄えました。今でも東京都内に比べて、気温も10度くらい低く、爽やかで心地よいひと時を過ごせます。そんな「国際避暑地」として栄えたかつての名残を感じさせる建物が残されていて、一般公開されています。

英国大使館別荘記念公園

イギリス人外交官だったアーネスト・サトウの個人別荘だった建物です。アーネスト・サトウは中禅寺湖の景観をこよなく愛して、足繁く中禅寺湖畔を訪れて、過ごしました。建物の2階にはカフェもあって、サトウが愛した自然景観を眺めながら、「アフタヌーンティー」を楽しむことができます。敷地内にはかつて使われていたボート乗り場もあります。

英国大使館別荘記念公園

イタリア大使館別荘記念公園

英国大使館別荘記念公園と隣接している「イタリア大使館別荘記念公園」。昭和3年(1928年)にイタリア大使館の別荘として建てられ、平成9年(1997年)まで歴代の大使が使用していました。本邸と別邸があって、本邸は著名な建築家・アンドニン・レーモンドの設計。床板や建具・家具などをできる限り再利用して、当時の姿を伝えてくれます。別邸は「国際避暑地歴史館」として往年の中禅寺湖畔の姿を伝えています。こちらにもボート乗り場があり、乗り場からは美しい景観を楽しめます。

イタリア大使館別荘記念公園 本館

中禅寺湖畔ボートハウス

終戦直後の昭和22年(1947)にGHQのアメリカ人スタッフの保養所として、アメリカの水辺のリゾート施設として建てられました。建物はできる限り当時の姿に復元したものです。道路を挟んで中禅寺金谷ホテルがあります。ホテルの入り口にある「コーヒーハウス ユーコン」では、金谷ホテル伝統の「百年カレー」、ボリューム満点のロイヤルサンドウィッチをテイクアウトで買ってボートハウス脇の湖畔でランチを食べるのがおすすめ。リゾート気分満喫できること間違いなしです♪

中禅寺湖畔ボートハウス

西六番園地

長崎市にある「グラバー園」で知られるスコットランド人の貿易商トーマス・グラバー。中禅寺湖畔にあったグラバーの別荘があった場所が西六番園地です。グラバーの後は神戸・北野にある「ハンター坂」にある「ハンター邸」で知られ、大分県の鯛生金山の開発などを手がけたトーマス・ハンターが別荘を構えました。社交場として賑わったとのこと。残念ながら建物は昭和15年に焼失、現在はマントルピースのみが残されていて、往時の面影を偲ぶことができます。

西六番園地マントルピース跡

日光金谷ホテル歴史館

「日本クラシックホテルの会」にも加盟している日光の名門ホテル「日光金谷ホテル」。「日光金谷ホテル」のルーツとなった建物が歴史館として公開されています。明治11年(1878)に「金谷カテッジイン」としてこの地で開業したのがホテルの始まり。宿泊したイギリス人女性イザベラ・バードによって著書「日本奥地紀行」で紹介され、世界に広く知られるようになりました。「国際避暑地・日光」の歴史はここから始まったといっても過言ではありません。建物は江戸時代の侍屋敷をそのまま活用したもの。国指定登録有形文化財に指定されています。「カテッジイン・レストラン」と「金谷ホテルベーカリー」も併設されていて、ロゴ入りグッズも販売されています。

日光金谷ホテル歴史館

中禅寺湖畔は東京と比べて、10度くらい気温が低いということで、日中でも心地よく、過ごしやすいです。現在でもフランス大使館別荘とベルギー大使館別荘は使われています。イギリスの湖水地方やイタリアのコモ湖にも勝るとも劣らない日本が世界に誇る自然景観。マイナスイオンをたっぷり浴びてパワーチャージできます。

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水田 壮彦
旅行会社に勤務。個人旅行に特化した「オーダーメイドの旅」を手がける。「観光を通じた地域活性化」をテーマに西日本を中心に各地に残る歴史・文化遺産の魅力を発信している。博物館学芸員資格。日本考古学協会賛助会員。奈良大学文学部文化財歴史学科卒。大分県生まれ、福岡市育ち。