2022年に見た映画を振り返る

今年もこの季節がやってきました!

というわけでこんにちは。ノスタルジーです。ついに3回目となった年末恒例映画振り返りの時間です。私が映画館に足を運ぶようになってもう3年以上過ぎたということで、時間がたつのが早いですね…。今年は去年よりは見た本数は少ない…と思いますが、まあだいたい5~60本くらいは見ているはずなので、まあまあいい感じに見れたのではないでしょうか。去年はやる気のなさから年内にブログが間に合いませんでしたが、今回はきっちり収めていこうと思います。それではどうぞ。

『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編

ありがとう京都アニメーション……。衝撃の前編からバトンを渡されたFree!劇場版、この上ない最高の終わりを見せてくれました。これまで歩んできた旅路の全てがこの映画に収束していく様はとても美しく、「俺はフリーしか泳がない!」のセリフには思わず感極まってしまいました。

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』

二つの異なる物語が交錯し、見た順番により結末が変化する…という意欲作。原作の小説からして"そういう"作りになっているらしく、発想に驚きました。それぞれ単品で見た時にもう片方の説明パートがノイズになってしまうという欠点こそありましたが、こういう変わり種の映画は印象に残りやすいですね。ちなみに私は『僕愛』→『君愛』派です。

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

今年の映画(個人的)アイデア賞。タイムループからの脱出というストーリー自体には目新しさはないものの、舞台を会社の中に絞ることで予算を節約しながらブラックな労働環境を揶揄するというウルトラCが光る作品でした。また、「日本の労働あるある」ポイントや、社会の構造にさいなまれる各登場人物など、ほかの国では決して作れない、日本でしか作れないオンリーワンな映画になっていたことも非常に好印象です。映画を作るうえで予算は重要ですが、お金をかけるだけではない創意工夫がこの映画には詰まっており、エンタメとはお金をかけるだけではないということを教えてくれる、2022年の隠れた名作です。

Coda あいのうた

4人の家族の中で唯一耳が聞こえる長女、ルビーが家族との不和や世の中の厳しさと向き合いながら成長を遂げる青春映画。本作、突き詰めると”家族ってやっぱりいいよね”という映画だと思っているのですが、家族との絆を描くうえでただ家族を肯定するのではなく、家族だけど嫌な部分、家族だからこそ許せない部分も描いたうえで、そのうえで家族のすばらしさを説くそのバランス感がとても素晴らしい映画でした。また、登場人物がろう者だからこそできる終盤の演出は必見です。

犬王

通常アニメというものは程度の大小こそあれ、絵を装飾し凹凸を均し美しく見せようとするものですが、本作では並びの悪い歯や瘦せ細った身体、汚物に集る蛆や蠅など、あえて汚いところもありのまま描く作風が特徴でした。汚いものをありのまま描くからこそ、犬王と友魚の圧倒的なパフォーマンスや二人の友情といった美しいものがより光って見える、その対比構造は見事という他ありません。ストーリーよりも音楽で見せる作風から、娯楽作品というよりは芸術作品の気質が強い、そんな映画だと私は感じました。

サイレント・ナイト

今年見た中で最も結末が美しいと感じた映画。終末が迫る中、最期に開かれるクリスマスパーティで各々の葛藤が描かれる作品。終末に対する人々の感情や友情のもつれなど、退廃的な雰囲気が緊張感を引き出しており、またストーリーがラストに繋がるまでの流れが非常に素晴らしかったです。美しき破滅を見たい人はどうぞ。しかしこの映画、11月公開なのが非常に惜しく、クリスマスシーズンに見たかったという感情が最後まで消えませんでした。

ブレット・トレイン

"あの映画"(後述)がなければ今年一番の映画として自信をもって挙げていたであろう一作。一見ド派手でバカなB級アクション映画なのですが、…いや実際そうなのですが、その実とてもストーリーが細部にわたって緻密に構成されており、死ぬほどバカなのに死ぬほどストーリーが面白い、一粒で二度おいしい作品となっていました。所謂外国人が勘違いしがちなイマジナリージャパンも面白く、映画で笑いたいのであればこの映画はうってつけでしょう。

RRR

ハイテンションアクションといえばこの映画も欠かせませんね。私人生で初めてインド映画を見たのですが、そのあまりのエネルギーに圧倒されてしまいました。"火山と氷河の抱擁"などを筆頭とした情緒あふれる和訳、情熱的な"ナートゥ"、相反するビームとラーマの友情など、まるで炎を目の前にしたような熱量にあふれた映画でした。あとやっぱり、"INTERRRVAL"は面白すぎるでしょ。

トップガン マーヴェリック

今年、空を制した映画といえばこの映画以外ありえないでしょう。映画としては王道も王道、陳腐とすら言えるくらいなのにそれでも全く面白さに陰りが見えない映画でした。これはトップガンという映画そのものに込められた熱量ゆえでしょうか。大画面や迫力ある音響で鑑賞する本作は筆舌に尽くしがたい体感でした。やはり映画館で見る映画はいいな…と感じた一作。

ALIVEHOON アライブフーン

今年、陸を制した映画といえばこの映画以外ありえないでしょう。奇跡的なジワ売れを起こし、「陸のトップガン」とも揶揄されるこの映画。映画としての性質もトップガンに近く、王道のストーリーを迫力ある絵作りや圧倒的な音響でラッピングした、ピュアな娯楽作品です。いまだにリバイバル上映があったり、映画館で観れる機会がそこそこあるので、今まで見ていなかった人はぜひ見てみてはいかがでしょうか。これは余談ですが本人役で出演してる土屋圭市、独特な世界観から繰り出される妙にふわふわした言葉がマジで本人のそれで、映画館の中で笑いをこらえるのが大変でした。

ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー

今年、海を制し…てほしかったなあ。というわけでここからは微妙だった映画。本作を製作するうえで前作の主役であるチャドウィック・ボーズマン氏が逝去なされたことを受け、新たなブラックパンサーの誕生を描く一作なのですが、なんというか…。ボーズマン氏の追悼に終始するような映画でエンターテインメント性が軽視されている印象が強く、全体的に見てあまり楽しめない映画となっていました。"そこ"を描くのは良いとしても、それを描いた上で映画としてクオリティの高い作品を目指してほしかったし、ストーリーに対して尺も長すぎてダラダラした印象が抜けませんでした。戦闘シーンも盛り上がる場面がほぼなかったのも致命的。

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ

個人的ガッカリ賞。私は映画に限らず娯楽作品を摂取するときは「それを摂取することで新しい体験ができるかどうか」を重視しているのですが、この映画には新しい体験が全くありませんでした。もちろん映画として致命的につまらないわけではなく、あのソニックの続編である以上ある程度は楽しめたわけですが、その面白さは一作目ですでに味わったものであり、一作目の続編を作るにあたりどう世界を拡張するかという部分で失敗していると感じました。

ハケンアニメ!

2022年、個人的に最も評価の低かった映画。主人公のライバルであるアニメ監督が無意味にスラングを乱発して死ぬほど寒い、視聴率でアニメを比較する現代に似つかわしくない古びた価値観、本物のアイドル系声優をアイドル系声優役に登用し、その声優に「私は実力ではなくお飾りで選ばれた」と自虐させる…など作品のいたるところで視聴者をイラつかせるような要素が散りばめられており、鑑賞中ストレスで頭が痛くなった稀有な作品でした。世間的には評価の高い人もそこそこいる作品ですが、私がこの作品を受け入れることはちょっとできそうにないです。

そして、今年一番面白かった映画は…

THE FIRST SLAM DUNK

この映画しか考えられないでしょう!ムビチケ販売後にキャストを発表する、キャッチコピーがダサい、twitterの運営が下手くそ……公開前は広報面でかなり不安を抱いていた本作ですが、実際公開されると評価は一変。3Dアニメ的表現と実写的な表現が融合し、「アニメのように派手なのに極めて写実的」というありえないことが両立している奇跡の絵作り、実際に画面の中で試合を行っているかのような現実性と緊張感、精密に計算されつくした音響面など…映画を構成する何もかもがまるで熟練の職人が作る工芸品のように練り上げられており、文字通り次元の違う完成度を誇る傑作です。映画を見ながらあまりの盛り上がりに声を上げそうになったのは人生で初めてでした。この映画、やはり最大のターゲットはスラムダンクが好きだった往年のファンだと思うのですが、私のようなスラムダンクをほとんど知らない人間が見てもすんなり飲み込めるようになっており、そのバランス感覚には驚嘆せざるを得ません。この映画は歴史に残る……そう確信させる、文句なしのナンバーワンです。

あとがき

というわけで2022年映画の振り返りでした。今回語っていない中でも
「グッバイ、ドングリーズ!」「はい、泳げません」「ゴーストバスターズ/アフターライフ」など、語りたい作品もまだまだあるのですが、時間もないのでこの辺にしておきます。来年もすでに様々な作品の予告編が公開されており、これからの新作にも目が離せませんね。それでは最後に今年見た映画をリストアップして終わりとします。最後までありがとうございました!

2022年、映画館で鑑賞した映画一覧

・スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
・映画演劇 サクセス荘 ~侵略者Sと西荻窪の奇跡~
・決戦は日曜日
・クライ・マッチョ
・シルクロード.com 史上最大の闇サイト
・真夜中乙女戦争
・ノイズ
・バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ
・鹿の王 ユナと約束の旅
・大怪獣のあとしまつ
・ゴーストバスターズ/アフターライフ
・ドライブ・マイ・カー
・グッバイ、ドングリーズ!
・DEEMO サクラノオト あなたの奏でた音が、今も響く
・ナイル殺人事件
・THE BATMAN -ザ・バットマン-
・ウルトラマントリガー エピソードZ
・おそ松さん(実写)
・モービウス
・余命10年
・オッドタクシー イン・ザ・ウッズ
・Coda あいのうた
・仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル
・名探偵コナン ハロウィンの花嫁
・『劇場版 Free!–the Final Stroke–』後編
・ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
・シン・ウルトラマン
・ハケンアニメ!
・犬王
・ドラゴンボール超 スーパーヒーロー
・ALIVEHOON アライブフーン
・はい、泳げません
・バズ・ライトイヤー
・ベイビー・ブローカー
・ビリーバーズ
・ソー:ラブアンドサンダー
・映画 ゆるキャン△
・劇場版仮面ライダーリバイス/暴太郎戦隊ドンブラザーズ
・トップガン マーヴェリック
・今夜、世界からこの恋が消えても
・NOPE
・ソニック・ザ・ムービー/ソニックvsナックルズ
・ブレット・トレイン
・TANG タング
・夏へのトンネル、さよならの出口
・ならせ! PUI PUI モルカー +DRIVING SCHOOL 予習編
・僕が愛したすべての君へ
・君が愛したひとりの僕へ
・RRR
・劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き闇のスケルツォ
・人生は二度とない
・MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
・すずめの戸締まり
・ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー
・サイレント・ナイト
・ザ・メニュー
・ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界
・THE FIRST SLAM DUNK
・仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIE バトルロワイヤル
・ブラックナイトパレード
・かがみの孤城

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