「自立活動」の魅力:hana流の伝え方

特別支援学級の担任ならば知らない人はいないはずの「自立活動」。

しかし、その良さを保護者やお子さんに伝えられる先生はどれぐらいいるかしら・・・


私は、中学校で特別支援学級の担任をしています。この時期、次年度に入学予定の6年生と保護者の方に来校していただき、中学校生活について見通しを持つための面談をします。

その中で、「自立活動」の授業について、その良さを最大限にお伝えしています。

「先生、是非週1で時間割に入れてください」「教科の授業も大切ですが、うちの子にはこの授業をやっていただいて、コミュニケーションスキルを磨いてもらいたいです」

保護者の皆さんは、「特別支援学級に入れてよかった、こんな授業をやってもらえるのか」とおっしゃる方が多いです。


さて、ちょっと堅い話になりますが、学習指導要領の「自立活動」の目標は次のようになっています。

「個々の生徒が自立を目指し、障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培う。」(第7章 目標)

私は、「自立に向けて、自分の苦手さに気づき、どうすれば克服できるのかを知り、その習得を目指す」ものであると、解釈しています。

(「自立とは?」についても、ちょっと言及したいところはありますが、それはまた、別の機会に・・・)

内容は、以下の6区分27項目になっています。

1 健康の保持
⑴ 生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。
⑵ 病気の状態の理解と生活管理に関すること。
⑶ 身体各部の状態の理解と養護に関すること。
⑷ 障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること。
⑸ 健康状態の維持・改善に関すること。
2 心理的な安定
⑴ 情緒の安定に関すること。
⑵ 状況の理解と変化への対応に関すること。
⑶ 障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること。
3 人間関係の形成
⑴ 他者とのかかわりの基礎に関すること。
⑵ 他者の意図や感情の理解に関すること。
⑶ 自己の理解と行動の調整に関すること。
⑷ 集団への参加の基礎に関すること。
4 環境の把握
⑴ 保有する感覚の活用に関すること。
⑵ 感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること。
⑶ 感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。
⑷ 感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じた行動に関すること。
⑸ 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。
5 身体の動き
⑴ 姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。
⑵ 姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。      ⑶ 日常生活に必要な基本動作に関すること。
⑷ 身体の移動能力に関すること。
⑸ 作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること。
6 コミュニケーション
⑴ コミュニケーションの基礎的能力に関すること。
⑵ 言語の受容と表出に関すること。
⑶ 言語の形成と活用に関すること。
⑷ コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。
⑸ 状況に応じたコミュニケーションに関すること。

一つ一つの細かい説明はここでは避けますが、これらの中に、特別支援学級のお子さんが苦手なことが多くあります。そこにフォーカスし、まず、自分の苦手さに気づき、どうすれば(どのような支援があれば)自分でできるようになるのかを、お子さん自身とともに探っていきます。

そして、苦手さに気づき、支援方法がわかっても、すぐにできるようになるわけではないので、授業で学んだことを日常に生かす、いわゆる「一般化」に繋いでいくことが大切です。「日常生活が、学んだ知識を実践する場になる」という感じでしょうか。

そんな話を、自分が使った教材をお見せしながら面談の中でしていくと「そうなんです、うちの子はコミュニケーションの取り方がうまくないというか・・・」「集団に入っちゃうと、落ち着かなくて、話が聞けなくなってしまうんですよね」などと、悩みを打ち明けてくださることがあります。

「では、少しずつ、お子さんが自分自身と向き合いながら、苦手さの克服に取り組むお手伝いをさせていただきますね。授業でやったことは、連絡帳などでおうちの方にもお伝えしますので、是非ご家庭でもお声をかけていただけると助かります。一緒に頑張りましょうね」そう伝えると、保護者の皆さんは一様に安心されます。

中学生ともなると、家庭では教科の勉強を教えるのは難しくなりますが、自立活動の内容なら、一緒に頑張ってくださる保護者も多いです。ありがたいです。

私流ですが、「自立活動の魅力の伝え方」が、特別支援学級の担任をされている先生方の参考になればと思います。


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特別支援教育に興味を持つ、中学校教員です。先生方だけでなく、いろいろな職業の方とお話して視野を広げたいし、夢を叶えたいです。いただいたサポートは「みちしるべ」の活動に使わせていただきます。

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23年の中学校教員生活を終え、特別支援学校教員(高等部)になりました。教育と福祉と就労、いろいろなことに興味があって、話してみたい人には積極的に話しかけています。

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