【12日目】僕の日記〜つま先と膝の運命編〜

かの有能な僕の友人は言いました。僕の日記はタイトルから得られる情報が無さすぎて他人の印象に残らないんだと。

人の印象に残るのって難しい。

学校で教わったことの中で、僕が一番印象に残っているのは「屈伸運動をすると、つま先が向いている方向に膝が曲がる」という事実だ。
つま先が真っ直ぐ前を向いていたら膝も同様に前へ向かって曲がる。右のつま先が前、左のつま先が外に向かっていたら、それに準じて右膝は前、左膝は外に向かって曲がって行くのだ。

運動会の予行演習でラジオ体操をしているときに先生がぽろっと言ったこの一言。これに僕は衝撃を受けた。
本当か？と思っていろいろ試した。つま先が外を向いているのに真っ直ぐ前へ膝を曲げようと努力もした。
するとどうだろう。
全く逆らうことが出来なかったのだ。

つま先と膝。同じく足の一部ではあるが、それだけの関係だと思っていたのにふたつの部位は互いに共鳴し合っていたのだ。

僕は感動した。
それ以来、僕はこの事実が忘れられない。

膝は、つま先が向いている方向に曲がるよう運命付けられているのだ。
これは決して逆らえない運命（サダメ）であり、事実なのである。

人体は不思議なのである。