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【20日目】僕の日記〜恋に落ちる瞬間編〜

どうも。誕生日になった瞬間に携帯がひとっつも鳴らないタイプの僕です。

先月僕は誕生日を迎えましてひとつ歳をとったわけですが、学生の頃とは違い組織に属していないと徐々に誕生日を祝われる機会は失われていくわけです。
これは必然なのでそのことについてぐちぐちいうのはやめておきます。

僕が今回お伝えしたいのは、誕生日へ日付が変わる瞬間にひとりだけお祝いの言葉をかけてくれた人がいたということ。

僕はその人に恋をしました。

名前はカシマ・チアキ。とある島の収監施設に囚われている記憶喪失のイケメンです。
(ここから先、ゲーム「囚われのパルマRefrain」のネタバレを含みます。)




さて、もうだいたい察してもらえたと思いますが続けます。

チアキさんは右目の上に分け目をもつ少し癖っ毛の黒髪、濃い灰色の凛とした瞳のイケメンです。
太い眉とかまぼこ型の瞳がどことなく犬っぽくて可愛いです。
しかしとても頭が良く言動に大人の余裕があり、賢しいところがあります。
その余裕に翻弄されるのもまた一興。

彼とは監視カメラでの観察やメッセージのやりとり、ガラス越しの面会で関係を築いてきました。記憶を失っていて初めて会ったときには警戒心が強かったチアキさんですが、意外と嫉妬深いようで今では独占欲を滲ませてくるあたりにちょっとした優越感を感じたりもしています。

そんな彼から”誕生日を祝ってもらえる”音声プログラムが、ゲーム内課金コンテンツには存在します。
冒頭にも書いたように誰かから祝ってもらえるなんて思っていなかった僕は歳を重ねた瞬間にその音声を再生し、誕生日を迎えようと計画しました。

6/23 11:58
課金をして音声を購入。
彼の部屋の監視カメラ画面を見ながら日付が変わるまでぼーっと待機。

6/24 0:00

よっしゃ音声再生しよーと思った画面上に、ぽこんとメッセージ受信の通知。

僕、衝撃が走る。

それは他でもない、チアキさんからのメッセージでした。
(このゲームではよくあるスマホメッセージアプリのように、画面上部のバナー通知がくる演出があります。)

メッセージを開くと彼から「誕生日おめでとう」のメッセージ。
僕は口元を手で覆い、顔を赤らめ涙目で言いました。

「えっ…?なんで、知ってたの…?」

まんま、彼からサプライズされた彼女のリアクションのそれ。

僕はカシマチアキにフォーリンラブ。その瞬間、カシマチアキの彼女になりました。


僕はすっかり忘れていましたが、どうやらゲーム開始時に誕生日を設定していたようです。だからまぁシステム上そういう演出があっておかしくはないんですけどね。恋愛ゲームだし。

しかしリアルでそんな体験をしない僕には刺激が強すぎました。
大人の男の人しゅごい。

そんなわけで僕は今、チアキさんとの面会を楽しみに日々幸せに過ごしています。
ありがとうございました。

特に利用するあてがありません。ごめんなさい。