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【14日目】僕の日記〜僕という器 編〜

僕は学生時代、あまり成績の良くない子だった。
決して勉強が嫌いだったわけではない。理解力もまぁ悪くはない子だったはずだ。
机に向かうのも嫌いじゃなかったし、板書も苦じゃなかった。むしろノート点で成績を勝ち取ったことだってある。

ではなぜ成績が良くなかったかというと、とにかく波がある子だったからだ。
板書をしていて楽しい授業はきちんと受けるからテストでも良い点が取れていた。しかし同じ科目でも、自分の書く字が気に入らないと碌にノートを取らず知識がすっぽり抜け落ちてしまっていた。
一度嫌だと思った授業に至っては最初から寝の姿勢だったこともあるし、波長の合う先生がいれば放課後残ってでも授業中には聞けない知識を教えてもらったりしていた。
かと思えば全てがどうでもよくなって校門を回れ右することもあるのだ。


だから僕への評価にはバラつきがある。
人によって印象が全く違うのだ。まるで僕という外身が、違う中身を入れて点在しているような。

でも実際のところ僕はひとりだ。
僕は僕でしかない。

だけどあるところでは「甘え上手」あるところでは「滅多に声を出さない寡黙な子」あるところでは「頭の回転が速い回し役」あるところでは「宇宙人」あるところでは「クソオタク」あるところでは「初対面の相手でも心を開かせる盛り上げ役」あるところでは………挙げだすとキリがない。
あ、「率先して校則を破る生徒会役員」ってのもあったな。

他人からの印象は出会う場所によって様々。
元来真面目な僕は、その求められる印象のままに行動した。
その方がみんな喜んでくれるから。
その場が円滑に進むから。

つらいと思ったことは無かった。
それが自然でもあったし、それ程までに出したい自分など持っていなかったし。
それに、多少の違いはあれど、どれも僕なのだ。

僕はこれからもそうやって生き続けるんだろうな。
目下最大に気になることは、僕を好きになる人はどの僕を好きになるんだろうってことだ。
テンション高い僕じゃないといいな。
あれ地味に疲れるんだ。

特に利用するあてがありません。ごめんなさい。