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シンプルとは 概念を浮き彫りにすること

デザインで良く使われる言葉に、シンプルという言葉があります。よく誤解されるのですが、シンプルにすることは色を白くしたり形を四角形にしたりするような、単に要素の情報量を少なくすることではありません。シンプルにすることの本当の意味は、最小限の表現で概念を浮き彫りにすることだと考えてください。

デザインは、非常に言語に似た性質を持っています。例えば話が分かりやすい人というのは、論旨が明確で無駄な話が少ないですよね。一方で、話が分かりにくい人は、余計な話が多くて、結局何をいいたかったのか不明瞭な人です。

シンプルなデザインというのは、話が分かりやすい人の特徴によく似ています。意図を綺麗に伝達するには、なるべく余計な要素を少なく、趣旨を明確にするほうが有利なのです。というのも、人が一度に理解できる情報の量には限りがあります。様々な要素をあれこれくっつけてしまうと、その意図は十分に伝達しません。そのためできる限りノイズを取り除いて、本当に伝えたいところだけを際立たせることが、よく伝わるデザイン、すなわちシンプルなデザインを生むために大切なことです。

僕はデザインの文法において、良いデザインを「記号が少なくて、関係性が強いもの」と定義しています。つまり、最小限の表現で最大の関係性を発揮する形のことです。

だからデザインをする時には、いきなり形から考えずに、「このデザインで一番実現したい概念は何か」という問いかけから考えてみてください。例えば文房具のクリアファイルが四角いのは、入れる紙が四角いからだし、ほとんどのコップの太さが9cm以下なのは、手の大きさがその太さだからです。このように、そのものの存在している理由や概念が、そのまま率直に形に変わろうとする時、私たちはシンプルな形を発見します。そうやって概念が形になるということは、つくり手にとって発想しやすいだけでなく、使い手にとって少ない情報量で理解できる、シンプルなデザインになります。

Photo : Publicus(2013)
「新しい公共」を実験するリノベーションビルのロゴとサイン計画。○の形は開かれた全てを統括する、パブリックを表す記号。「東日本橋の、あの丸が光っているビル!」と、すぐに覚えてもらえる形をつくった。
Client : PUBLICUS

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social design for evolution\1ソーシャルデザイン。デザインで社会変革をどんどん実験して、もうちょいマシな未来にしたい。\2進化思考。生物進化のプロセスから発想する方法を伝えて、村に1人(1/2000人)は社会を進化させる変革者になってる状況を作りたい。

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