梅酒の原理を知れば、作りたくなる〜梅酒づくりの本質【梅酒②】
こんにちは、TTです。今日は梅酒づくりの本質についてお話ししたいと思います。
音声バージョンは、最下部にリンクを貼っています。
6月11日は「梅酒の日」だそうです。チョーヤが制定した記念日ですが、私にとってはもう一つの意味があります。それは、6月19日が私が初めて梅酒を漬けた日だからです。私はこの日を「TTの梅酒の日」と勝手に呼んでいます。
梅酒というと、家庭菜園の酒バージョンと思ってます。
見ているだけで楽しい!
家で自分で作れる唯一の酒なのかもしれません。もちろん、酒税法に抵触しない範囲でですが。
自家製のコスパは?
自家製梅酒のコスパはどうなのでしょうか。市販の梅酒と比べると、1リットルあたり約3000円かかります。一杯150円くらいですね。
大して安くはない (^^;) でも楽しいからOK!
自家製梅酒の作り方
①殺菌
瓶や梅自体、手などを清潔にします。梅が腐るのがワーストシナリオ。
梅酒自体は酸性で微生物が繁殖しにくいですが、梅の皮はそうではありません。腐ってしまう可能性があるので、注意が必要です。
②梅の種類
完熟梅はめっちゃいい匂いがします。爽やかさと紅茶のような芳醇さがあります。でも傷みやすいので、青梅が使われがちです。
③酒の種類
ホワイトリカーを使うのが一般的です。くせがなくてアルコール度数も高いからです。酒蔵では日本酒なども使うことがあるそうです。
みりん梅酒というものもありますが、これは密造酒になりかねません。
梅に付着した酵母が発酵しないようにしなければなりません。アルコール度数20%以上でないと、密造酒になってしまいますからね。税金は取れるところから取られるので気をつけましょう。
ちなみに、消毒用のアルコールは濃度70%です。
また、日本酒は20%以上のものがほぼ有りません。
濃度20%を境に、酵母が働かなくなるんですね。多分ね。
Tips. 梅エキスの抽出
これが梅酒づくりの本質だと思います。
抽出とは、浸透圧という現象を利用したものです。浸透圧とは何でしょうか。例えば、青菜に塩をふるとしなしなになりますよね。これは浸透圧の現象です。青菜の細胞膜は半透膜と呼ばれるもので、水分は通すけど塩分は通さない性質があります。塩分が高い方から低い方に水分が移動する圧力が浸透圧です。塩分が高い方が調味液で、低い方が青菜の細胞内です。水分が細胞から出ていくことで青菜がしなしなになります。
梅酒づくりでも同じことが起こります。梅の実も細胞膜が半透膜です。梅酒の場合は、調味液の砂糖濃度が高い方から低い方に水分が移動します。つまり、梅の実から調味液へです。この水分には梅の成分や風味が含まれています。これが梅酒の抽出と呼ばれるプロセスです。
⑤砂糖の種類
では、砂糖の種類によってどう違うのでしょうか。一般的には氷砂糖を使うことが多いですが、上白糖やグラニュ糖を使うこともあります。しかし、これらはおいしさに影響します。
上白糖やグラニュ糖はすぐに溶けて高濃度の調味液になります。すると、梅の実から急速に水分が出て収縮し、風味が十分に出なくなってしまいます。また、渋くてキツイ味になります。
一方、氷砂糖は溶けにくいので、最初は調味液の砂糖濃度が低くなります。すると、水分だけでなくアルコールも梅の実に移動します。これによって梅のエキスがより効率的に抽出されます。次第に氷砂糖が溶けて調味液の砂糖濃度が高くなると、今度は水分とアルコールが梅の実から外に出ていきます。この水分とアルコールには梅の風味が移っています。これがコクのあるおいしい梅酒になります。
氷砂糖を使って外液の砂糖濃度を徐々に上げていくことがおいしさのポイントになります。私は実際に上白糖と氷砂糖の飲み比べをしてみましたが、やはり氷砂糖の方が酸っぱくて甘くて美味しかったです。上白糖の方は渋くてアルコールがキツく感じました。
メカニズムを理解しよう!
以上が、梅酒づくりの本質です。浸透圧のしくみを理解することで、自分好みの梅酒を作ることができます。ぜひ挑戦してみてくださいね😊
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