小平市内で灯された『灯り(あかり)』に待ち望む日常が帰って来たを感じた夜。〈小平グリーンロード灯りまつり_小平市内全域〉
4年ぶりに開催された『小平グリーンロード灯りまつり』を待ち望む市民の熱と手作りで制作する灯ろうへの思いにふれた夜の話。
グリーンロードを走っていると箱型の灯ろうを大事に抱えて歩く男の子に気付く。
すれ違うその顔は意気揚々。
その先の『天神じゃぶじゃぶ公園』では、はにかみながら灯ろうを受付に預ける女の子。
それでも預けた後の晴々と凛とした顔がかわいい。
そうか、今日は『灯りまつり』。
小平で4年ぶりに開催されるまつり。
由来は小平で宵宮や祭礼の際に言葉遊びや駄洒落を合わせた絵を描いた地口行燈と呼ばれる行燈を飾る風習があったこと。地口は言葉遊びでいわゆる駄洒落。
この昔から伝わる祭り灯ろうを後世に伝えていきたいと2006年に始まった市民が作り持ちよる『灯ろう』を灯すおまつり。
日が落ちた頃に出かけてみる。
踏切をわたり線路沿いを走る道からぶつかるグリーンロードは自転車で走るのは危ないくらい溢れかえる人々。
グリーンロードがこんな人出で埋まるの見たのははじめて。なにかを欲していた市民の熱がひりひりと伝わってくる。
めっちゃ楽しかったと笑顔の男の子。ゆっくりと提灯を持ち歩く親子の歩みはウキウキ。
みんな楽しそう。
少し風が出て暑さも和らぐ夜。
おじいちゃんとおばあちゃんが喧嘩をしながら歩いてる。
これも夏。
『あじさい公園』に降りて、たわわと緑の葉になるあじさいの側に並ぶ灯ろうのぼんやりとともる灯りを一つずつ眺めてみる。思い思いに表現された灯ろうに日常が帰って来たとなんだか嬉しくなる。
『じゃぶじゃぶ公園』の水辺にはペットボトルの灯ろうで浮かぶ『小』と『平』の文字に感じる情緒。
『さくらそう公園』に並ぶ灯ろうは『九小こどもクラブ』の作品が多いからか、我が子の作品を眺めて記念撮影をする親と子のほのぼのとしたのんびりとした空気。
ポーズを取るどの子も誇らしげで笑顔。
ふるさと村の壁に掛かる大人な地口の武骨な灯ろう。
感じるそれぞれの会場の個性。
暗がりの中、灯ろうとか提灯がともるだけで勝手に上がるテンション。
ウキウキといつもの圧巻の風景が脳裏に刷り込まれた『たけのこ公園』に到着すると、灯ろうがなく拍子抜けをする。
通り過ぎる西武線の車窓の灯りを眺めながらほんの少し感じる寂しさ。
関係されていた方にお話を聞くと、『灯りまつり』は各会場に実行委員会があり、灯ろう制作の割り振りや運営を担っていたが、コロナの中断期間で、以前の実行委員の方が辞めてしまったり、関わる人が減ってしまったりしたことで会場の数が減ってしまったと云う。
そのため、全体的に灯ろうの数も少なくなってしまったとも。
『灯りまつり』は、灯ろうを作って持ち寄る参加型のイベント。
見る人はコロナが明けて増えましたが、支える人を以前の状態に戻していくのは、少し時間がかかるかなと思いますと話す。
それでも、ランタンワークショップは盛況で、鍵盤を押すと灯りがともるストリートピアノを楽しげに弾き語る子供たちの笑顔。グリーンロード沿いに並ぶ出店も多くの人で賑わっていました。
その先のひかりが丘公園に着くころに消灯の時間。
自分の灯ろうを取りに来た満足した顔の子供たちと、その場でその思いを勝手に共有する。
『花よりもちつき』が(は)の大賞。
カラフルで知恵を絞り思いを込めて作り上げた灯ろうに触れました。
こういうことをみんな待ち望んでたよねの大きなうねりを感じた夜。
来年は『のしてん編集室』で灯ろうを作ろうとここに記してみる。
(は)、写真(い)と(は)
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