70-33

君が両手でぎゅっとマイクを握りながら
Forget-me-not を歌う姿が
ファイティングポーズのようで
思わず身構えてしまった
.
夜は深ければ深いほど
その純度に磨きがかかり
遠くの星まで見えてきそう
.
初めて僕は君が怖くて
今にでも泣きそうで
だからその歌に感動した風に
少し涙を流して見せては
いつもより大袈裟に拍手をした
.
あの時僕が必死に守っていたものが
目の前からそっと今
離れてゆく 離されてゆく
.
.
君が片手でシートベルトを外しながら
一瞥もくれないで去ってゆくのを
サイレント映画のように
ただじっと眺めてしまった
.
朝は遠ければ遠いほど
その硬度に磨きがかかり
昨日の夢にも魘されそう
.
初めて僕は嘘が怖くて
今にでも言いたくて
なのにあの歌が流れていたからか
君の背中が見えなくなるまで
目に付いた番号を読み続けた
.
あの時君が必死に守っていたものは
手の中からそっと今
零れてゆく
.
あの時僕が必死に憶えていたものは
唇からそっと今
溢れてくる 止まらなくなる

#ポエっちゃお
#妄想の作詞
#歌詞
#poem
#lyrics

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