お笑い好きはみんなM-1に出てみたいものだと思ってた
わたしはお笑いが好きだ。劇場にこそあまり行かないが、テレビのバライティやネタ番組、芸人のYouTube、ラジオなどでいつも楽しんでいる。
そうなると自分もやってみたくなるから、好きな芸人のマネをしてみたり大喜利をしてみたりする。その度に、面白いことが言えない、一発ギャグ思いつかないことに落胆してしまう。
でも、やっぱり漫才への憧れはずっとあった。漫才なら1人じゃないし、きっと面白いことができるはずだ。そう思い、お笑い好きの親友に「M-1出てみようや!」と誘った。
は?なんで?興味ない。
この言葉のひと蹴りでわたしの憧れの舞台は叶わぬものになってしまった。きっとこいつもM-1に出てみたい、漫才がしたいはずだと過信してしまっていたのだ。
一緒に漫才をするなら、こいつしかいないと思っていた。2歳からの親友で、中学時代は類い稀なるコンビネーションで周囲に笑いを巻き起こしていた。そんな人となら頑張ればナイスアマチュア賞ぐらい貰えるのではという淡い期待を抱いていた。おそらくそんなに甘くない、、
ただの記念受験でもいいから。そう言ってもう少しねばってみようと思った。しかし、「そんなことはネタを書いてから言え。」と次に言われる言葉を予想したら、口が止まってしまった。
ネタも思いつかないのにM-1に出たいなんて、傲慢な話だ。誰かネタを書いて私を面白くしてくれ。そんな都合よくネタを書いてくれる人がいるはずはないが、死ぬまでに一度だけでいいからM-1に出てみたい。
好きなものへの関わり方は人それぞれである。わたしが音楽を好きでもバンドをやろうとは思わないように、お笑い好きでも漫才をやりたいと思わない人もいる。わたしだってNSCに通うつもりは全くない。
好きなものはそれぞれの心地よい場所で楽しめればそれが一番いい。
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