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ただ単に『物を売りたいだけ』じゃない

こんにちは、ノーリーです。
私は自転車の職人ですが、外にも目を向けることで自分の仕事に転用できることは多々あります。
実際に私も自転車だけを見続けてきていたとしたら、今のような営業スタイルや技術サービスは思いつかなかったことでしょう。
そんなわけで、近所でクリエイターさんが集まるイベントがあったので、仕事の合間に行ってきました。
※過去記事です。

■てしごと商店街


広島市西区で開催されました。
今回、私が注目していたのがプワールさん。
「誰かの日常に溶け込むアクセサリーでありますように。」
というコンセプトで活動されています。

許可を頂いていろいろ写真を撮らせていただきました。

銀細工と言ってもいろいろあり、当然ながら素材もいろいろな種類があります。
自転車も同じですが、素材で価格が異なるのは言うまでもありません。

今回は我が家の絶対神(妻)がいたので、女性向けのアクセサリーをじっくり観察することができました。
たぶん私1人だけで観察していたら周囲から完全に浮いていたことでしょう。
耳飾り(ピアスやイヤリング等)もこうして見ると非常に細かく丁寧な仕事ぶりが伺えます。
この磨き具合は簡単に出せるものではありません。

ワークショップで使われていた材料。
全て手作業で切り出されているそうで、同じ形は2つと無いそうです。
この中から好きな形の材料に、自分で好きな文字や数字を打刻する体験ができます。

プワールの職人さんは慣れた手つきでキーホルダーに仕上げていきます。

メカニックとしては金属を扱うことは日常茶飯事ですが、絵を描くことは不慣れです。
少なくとも私に絵心というものはおそらく存在しません。
自分では思いつかないような色使いを見ることで、自転車のカスタマイズにも選択肢が広がります。
自転車業界でも今では様々なカラーパーツが出回っているので、個性を重視する改造もしやすくなりました。
しかし、カラーパーツも使いこなせないと意味がありません。
美的センスは人それぞれですが、私なりにもセンスを磨くということはメカニックとしても必要なことだと思っています。
インプットが多いからこそ、お客さんに対して様々なご提案ができるようになるわけです。

■ただ単に物を売るだけではない

体験をすることで、物がどのようにつくられているかを多少なりとも知ることができます。
知れば物の価格や価値を考えるきっかけにもなるかもしれません。
異業種ではありますが、私もひとりの職人としてプワールさんの仕事を見せていただいた時に直感したことがあります。
きっとプワールさんは単純にアクセサリーを売りつけたいわけでもなく、お客さんに無意味にお金を使わせたいわけでもないんだなと。
何と言うか…
アクセサリーも売るけど、そのアクセサリーを付けることでその人の日常を少しでも輝かせたいのかなと。
ちょっとでも明るい気分になれる未来を売りたいという感じが伝わりました。
違ったら恥ずかしいですが、作品を見るとその仕事ぶりや想いみたいなものは何となく伝わってくるものです。

私と自転車とお客さんとの関わり方にも似ている気がしました。
私はお客さんに対してムリヤリ自転車を売りつけたいとは思わないし、無駄なものは勧めません。
その人のライフスタイルや、自転車をどう使うかを徹底的にヒアリングし、その中であらゆる条件を考慮して最適解をご提案します。
自転車を売るというよりは、ちょっと素敵な未来を売っている感覚です。

もちろん、価値基準は人それぞれです。
「これ程の性能の自転車が50万円なんてお買い得じゃないか!」
という人もいれば
「チャリごときに50万円とか頭おかしいんじゃないか?」
という人もいます。
どんな物でも自分の価値基準に合う物を選べば良いだけのことですね。

当店では高品質にこだわります。
安いだけが取り柄の仕事はしません。
アクセサリーも自転車も長く付き合う物だからこそ、確かな技術と丁寧な作業で快適に長持ちする自転車をご提供させていただきます。

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