お正月は少し気だるい
「元日の人通りとはなりにけり」
正岡子規にこんな俳句があったなー、と思いながら元旦に近所の神社に行ったら人はまばらだった。
大晦日は家族で紅白を観て、お酒をしこたま飲んだ。酔いに潰れながら寝て、5:00頃に起きた。まだ陽があがる前だった。年末はすっかり家に引きこもって読書に暮れていたので、出不精を解消すべく、無理矢理体を起こして神社に向かう。「おぉ〜さみぃ〜」とつぶやきながら神社に向かう途中であったかいココアを買って飲む。おみくじを引いたら「吉」だった。うん。悪くない。
新年の街の雰囲気って好き。
街はざわついているけど、静かな時間が流れている。そういう空気が流れてきて、虚無の陰りがみえてくる。
仕事始めが7日からなんです。結構時間があるのです。中々消化でない有給をそこで使うしかなったので。
でもなにしようかなぁ。
高円寺にある行きつけのシーシャ屋に行きたいし、神保町にある眞踏珈琲店行ってゆっくり読書したい。どうしようかなぁ。ミヒャエル・エンデ『モモ』みたいに時間にゆとりのある生活したい。「時短」とか「QOL」を気にしがちな今になったけど、自分の過ごしたい時間を過せばいいんじゃないかな。周りに流されたくないなぁ。と、ここに誓う。
でもいざ連休ってなにしたらいいかわかんないよねぇ。結局家でダラダラと本を読むだけの連休になってしまいそうだけど。それもまた年末年始の雰囲気に飲み込まれたってことにしよう。仕事で人と会ってると疲れちゃうからねぇ。一人の時間がほしいよね。
ちょっとアンニュイになりつつ過ごすこの新年に、私は安部公房『壁』を読んでいる。何か現実世界にモヤモヤがあったら物語の世界に片足突っ込む。こんな新年を過すのもありだ。どうせ仕事始まったら忙しくなるんだし、こういうときぐらいゆっくりしないとね。私にとってそれが温もりなのだから。少しばかりほっこりする日常に思いをはせる。
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