見出し画像

痛風をもたらすプリン体とは

こんにちは!ノルン鍼灸院・管理栄養士,登録販売者のななむらです!


プリン体といえば、摂り過ぎると尿酸値が上がり痛風になる、というイメージがなんとなくありませんか?

よくビールを毎日たくさん飲むと痛風になりやすいという話も聞きますよね。

これはビールには他のお酒よりもプリン体が多く含まれているためです。


最近、見ない日がないほど大活躍している芸人かまいたちの濱家さんも、大のお酒好きで20歳から8年間、毎日のようにビールを飲み続け、痛風を発症してしまいました。

このことは、かまいたちさんのYouTubeチャンネルでも発症から対処方法までの実体験を面白くお話されているので興味ある方は見てみてください(笑)。


このようにお酒好きの人がなりやすいイメージがありますが、実はこんな話もあります。

ラジオ番組のパーソナリティを務めたり、バラエティ番組にも多数出演するなど、多方面で活躍している音楽ユニットCreepy NutsのラッパーであるR-指定さんのお話です。

彼はビールはもちろん、お酒を全く飲まないそうですが痛風を発症してしまいました。

お酒を飲まないなら食生活が良くないのかもしれない、とお医者さんにも言われたそうです。


プリン体はビールのようなお酒以外にも多く含まれている食品があります。

そして実は、プリン体はわたしたちの身体のなかで作られる成分でもあり、食品にだけ含まれるというものではありません。

今回、プリン体とはどんなものなのかを知り、上手にコントロールできるようにしましょう。


▼プリン体とは?▼

画像1

プリン体は多くの人が身体にとって悪いものと思いがちですが、遺伝情報をつかさどる核酸の原料となり、細胞の代謝・増殖などに利用されます。

私たちは日頃の食事を通して、プリン体を摂取していますが、食事だけではなく、実はプリン体の8割(1日に約500㎎)は、体内で生成されているのです。

体内で利用されなかった一部のプリン体は分解され、尿酸として体外へ排出されます。

生命活動に必要なプリン体ですが、過剰摂取してしまうと血清尿酸値の上昇だけではなく、高尿酸血症や痛風発症の原因にもなってしまいます。


▼プリン体が生成される仕組み▼

プリン体は体内で生成されるものと、食品から摂るものがあります。

1. 新陳代謝によって生成

細胞の新陳代謝により古い核酸が分解されるとプリン体ができます。


2. 体内でエネルギーを作り出すときに生成

プリン体はエネルギー代謝のときに使われるATPの構成成分です。

通常のエネルギー代謝ではATPは一度使われても再生産されるので、プリン体が生じることはありません。

しかし、激しい運動などで、必要とされるATPが多くなった時に、再生産が間に合わなくなり、余分なATPは分解されてプリン体が生じます。


3. 食べ物から摂取

プリン体は主に細胞の核酸に存在します。

そして、肉・魚・野菜といった食品も、細胞からできているので、プリン体が含まれています。

特にプリン体が多いのは、レバー、あん肝、白子など、動物の内臓にあたる食品です。

生成されるプリン体の量は、体内で作られるプリン体が7~8割ほど、食事から摂取するプリン体が2~3割ほどといわれています。

体内で生成される量の方が多いため、プリン体を含む食品を控えれば絶対に痛風にならないというわけではありません。


▼プリン体が過剰にならないために▼

1. 適切な体重を維持する

肥満で尿酸値が高い人は、減量することで尿酸値が正常に近づくことが分かっています。

体重が増えると尿酸が増える理由には次のようなことがあります。

・体重が増えるとエネルギー消費が増えます。

エネルギー消費が増えるとエネルギー消費の燃えカスである尿酸も増えることになります。

・体重が増えると血糖をさげる物質であるインスリンが過剰分泌されやすくなります。

インスリンは血糖値を下げるだけでなく、腎臓でのナトリウム再吸収を増加させ、それとともに尿酸も再吸収するため、尿酸の尿中排泄を低下させてしまいます。

そのため、体重が増えてインスリンが過剰な状態になると、尿中への尿酸排泄が低下し尿酸値が増加するといわれています。


2. バランスのよい食事をとる

年齢や活動量にあった適切なカロリーの食事を摂ることが大切です。

また偏食を避け、バランスの良い食事をしましょう。

プリン体の多い食べ物ばかり食べていたり、食事の量が多すぎたりすると、プリン体の摂取量が多くなってしまいます。


3. プリン体の摂り過ぎを避ける

画像2

生命活動に必要なプリン体ですが、7~8割ほどが体内で作られているため、余分にプリン体を含む食品を食べ過ぎないようにするのがよいといえます。

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、1日のプリン体摂取量が400mgを超えないようにすべきであると示されています。

100gあたりのプリン体含有量が多い食品を紹介しますので参考にしてください。

300mg以上:鶏レバー、干物(マイワシ)、あんこうの肝など

200~300mg:豚・牛レバー、カツオ、マイワシ、干物(マアジ)など

100~200mg:肉(豚・牛・鶏)類の多くの部位、魚類など


4. アルコールは控えめにする

画像3

最近では、プリン体カットビールなども売られていますが、だからといって飲み過ぎには注意しましょう。

プリン体を含んでいなくても、アルコール自体に体内でのプリン体生成を促進し、尿酸の排泄を抑える作用があります。

また、アルコールの作用で食欲が増し、肥満になる可能性もあります。

お酒は、ほどほどを楽しむようにしましょう。

日本酒なら1合、ビールなら500mL、ウイスキーなら60mL程までにしましょう。


5. 水分をたくさん飲む

プリン体から作られる尿酸を体外に排出するためには、1日の尿量が2リットル以上になるようにすることが理想といわれています。

したがって、可能であれば毎日2リットル以上の水分を摂るようにしましょう。

このとき、お酒や清涼飲料水を水分の供給源としてはいけません。

逆に尿酸値を上げてしまいます。

水かお茶などを飲むようにしましょう。


▼適度な運動をしましょう▼

ウォーキングのような軽い有酸素運動をすることで、肥満や精神的なストレスをうまく緩和することも大切です。

息が切れるほどの激しい無酸素運動では、尿酸値を上げる原因にもなりますので注意しましょう。


今回は、高尿酸血症や痛風の原因にもなるプリン体について紹介してきました。

プリン体自体は生命活動に必要な成分ですが、体内でも生成されるため、食事から摂る量が多くならないように気を付けることが大切ですね。

食事のバランス、飲酒、運動、これらのことに気を付けて健康な体を維持できるようにしましょう!


ダイエットプログラムのご相談や管理栄養士による食事指導などは

ノルン鍼灸院までご相談ください!

芸能人や日本代表のアスリートを鍼灸・栄養指導の両方からサポートし続けています。


参考文献:
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版

Meiji. トップページ > 乳酸菌研究最前線 > 乳酸菌PA-3株について > プリン体ってなに?
https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/report/pa-3/01/

大正製薬. 生活習慣ケアコラム
https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/detail_243.html

三和化学研究所. HOME一般の皆さまへ高尿酸血症・痛風激痛!痛風を予防する
https://www.skk-net.com/health/illness/01/index02.html

e-ヘルスネット > 飲酒 > アルコールによる健康障害 > アルコールと痛風
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-012.html


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?