川村元気が企画ってエンディングでわかったんだけど、
だからなんだ、というくらいボロクソな映画だった。
と、これがオープニング。
この時点でなぜ勝手に家に上がっちゃうの?ってところ。
音楽うるさいですよーって言っておけばよかったし、それ以上のことは
青年の責任外だと思うのだが、青年が家に入り込んでこの凄惨な現場を目にしないと話が進まないから、勝手に入ったということにしたんだろうけど、
もっと他に方法あっただろうって思う。
30年以上前に事件で逮捕した男性に話を聞く、というのはわかるけど、自供だけ、しかも「私がやりました」だけで具体的なことは何一つ証明されていない状況で送検し、事件解決と言ってしまう警察、すごい。この時点でこの映画は警察が活躍するようなサスペンスとは違うのはわかってたが、雑すぎる描き方に驚いてしまった。
で、山道での事件だが、その男性が殺したという設定だけど、車はどうやって転落したのだろうか。
転落させてから殺したのであればシートにビニールテープで縛り付けるのは困難だし犯人だって大怪我をするだろう。じゃあ殺してから転落をさせたのか。でもかなり無理がる。男性は力があるタイプには見えないし。
結局車から発見された凶器と1件目の事件の凶器が一致したという鑑識の結果で30年前の事件の犯人は誤認逮捕ということで釈放される。
この後がね、まあすごいのだ。
その犯人はまた青年に接触することは予想できるでしょ。全てを刑事に告白したんだから、今後の予測はできるはず。なのに警察は青年を見張っていない。
青年は犯罪に加担していることになると、漫画を休載することにする。
青年は書店に行き、自分の漫画のコーナーで「休載のお知らせ」を眺めていた。ああ、嫌なカメラワークだ。こういうカメラワークの時は必ず何かある。
「なんで休載しちゃうんですか〜?」
ほら犯人現れた。警察が見張っていれば(行動確認?って何かの本で読んだ)犯人の身柄確保ができたはずなのに。警察ってば何をやっているんだ。
でもって、3つ目の事件まで発生。
白昼堂々の4人家族殺害。しかも犯人のジャージ、その後もずっと同じものを着ているので、そこかしこ血のシミだらけ。なんならスニーカーにも血がついているし。
さらに真摯に話を聞いてくれた刑事は誤認逮捕した1件目の容疑者に刺殺されてしまう。なんかもうよくわからん。それ漫画にないやん。
まず、日本は確か囮捜査はダメなはず。ましてや刺されることを前提の囮とかないから。しかも家族が協力的すぎる。誰も嫌がらないなんて不自然でしょ。再婚相手の母親に冷たくしていたのか?幸せな家族じゃない、という設定のために作られた家族だと思うけど、あまりに陳腐ではないか、その考え。そのうえ、こんな時に妻が一人で自宅にいるとか危険すぎる。
妻が危ない!と言って実家を飛び出した時になぜ警察も一緒に行かなかったのか。伏線があったけど青年はインターホンを3回押さないと部屋にたどり着けないセキュリティの高いマンションに住んでいたはず。それがあっさりマンションで刺されちゃうとかなんやねん。伏線回収できてない。
妻が刺され、青年もさらに刺され、やっと警察到着。おっそい!
しかも最後発砲とかってどうなのよ。どこ打ったのかもわからん。死んだかと思ったわ。
なんかよくわからないコミュニティが関わっているような感じではあったけど、はっきりとした描写がないし、あの30年以上前の事件との関係もあるはずなんだけど、なんせ雑なんでよくわからない。戸籍がない子供、とか、戸籍を買うとか、題材としては面白いのに、薄っぺらくてしょうもない。
戸籍関係の話なら、平野啓一郎氏の「ある男」が原作も映画も面白かった。
菅田将暉、なかなか面白い演技をする人なのに、この映画では演技指導も悪いのか魅力が感じられなかった。キャスティングもよくわからない。
途中で死んじゃう小栗旬も
無能代表警部補の中村獅童も
なんてもったいない使い方でしょうか。
まあとにかく薄っぺらで何も回収できてないなあというのが感想。
川村元気の企画って言っても元気なのは名前だけ。
「怪物」も然り。もっと面白い映画作ってちょ。