ヒミツの隠れ家？ミルクホールの「奥の部屋」
おこっぺにある直営店ミルクホールの廊下の奥には部屋があります。学校風の廊下に3つの作業部屋、奥には納屋風の部屋があります。
もともとは、ここが乳製品の加工場でした。
1988年の創業時に、牛舎から50歩の距離にあるこのミルクプラントで始まった乳製品製造。瓶入りの牛乳から、チーズ、バターとアイテムが増えて、2000年には新しい工場ができました。
旧プラントは、お菓子やパンの工房として、また、当時作っていたコロッケ用のジャガイモの下ごしらえの場所となりました。
その後、お菓子の製造は生キャラメル工房として建てた場所へ移動することになり、旧プラントは東川町の建築職人の手で納屋風に改装し、ファームショップと名づけた商品の販売をする部屋に変わりました。
ミルクホールのレストランは、今の商品販売スペースまで客席があり、廊下の先のこの部屋で乳製品や菓子などの商品や雑貨を販売していたのですが、ファームショップでの販売をミルクホールと一緒にしたため、役目を終えて眠っていました。
いろいろな変化を経たこの部屋は、2015年に当時和寒町でカフェをされていたnidoさんのイベント「旅するカフェ」の会場として目を覚まし、イベントは不定期ながらも継続して、士別市の雑貨店梨の花さんとの共催で「okunoheya」と名前を変えて開催していました。
「okunoheya」では、コーヒーやパン、お菓子や雑貨、クラフトの販売、外の芝生でのスラックライン、ワークショップ、ミニライブなど、賑わいながらもゆっくりとお過ごしいただける場となり、毎回遠くから来てくださるお客様もたくさんいらっしゃいました。
ほかにも、ヨガやハーブティ、マタニティフォトのイベント、町内の小中学生の学びの場としても使われていました。
しかし、ご好評いただいていた奥の部屋でのイベントですが、新型コロナウイルスの影響でしばらくお休みに。
奥の部屋は、また眠ってしまいました。
そして本年、2023年のゴールデンウイークは、ようやくイベントを再開できるようになりました。
幸いなことに、2日間のイベントを主催してくださる方も現れてくれて。
物置のようになってしまっていた部屋を片付けなきゃ。
例年はゴールデンウィークにも雪が降ることのあるおこっぺですが、今年の雪解けは早かったです。ところが、4月17日には雪が。ストーブを片付けられると思っていたのに、やはりオホーツクの春は遅いのです。
寒さが心配でしたが、雪は溶け、桜も咲きそうな4月の29日、30日。
下川町の小さな洋書店 ゆきみちENGLISH&BOOKSさん主催の、「手島圭三郎ブックフェア 語りと琴 」を開催しました。
手島圭三郎さんは、隣町の紋別市ご出身の絵本作家です。
北海道の動物をモチーフに版画で表現された世界観は、オホーツクの自然そのもの。奥の部屋の雰囲気にもぴったりということで、この場所を使っていただくことに。
町内の琴の演奏と、西興部の語りの表現者による朗読もありました。
朗読は、樹齢800年のミズナラの木の物語や、子育て中のキタキツネ、大人でも心に染み入るオオハクチョウのお話など。
琴の音色とともに、会場の空気感を楽しんでいただける時間となりました。
絵本だけではなく、下川町の樹木で額装した版画や興部町のカービング作家さんの作品などもあり、子供から大人まで楽しめる部屋になりました。
連休中盤の5月3日、4日は、旭川に移られたnidoさんと梨の花さん主催のイベント「okunoheya」が復活。nidoのコーヒー、梨の花の雑貨、ベーカリーカフェcotori、下川町のクラフトコスメ工房SORRY KOUBOU 東川町ｔｅｋａｇｏの焼き菓子。
また、3日はギターのライブを田上圭太さん、4日は旭川市のプロダクトアート工房ミチヒト、ハルニレカフェのお二人も来てくださりました。
行動制限がなくなったゴールデンウィークでもあり、多くのお客様に来ていただいたこの部屋も、生き返ったようでした。
休んでいた間に新しく生まれた赤ちゃん達や、シリィには初めてのことでしたが、みんな楽しそうに同じ空間で過ごしていました。
今後も、イベントなどで使っていただく予定ですが、ペットと一緒に食事ができる場所としての準備もしています。
おこっぺは、有名な観光地ではありませんが、町内にいくつもあるチーズやソフトクリームの工房めぐりのときに、ミルクホールにもちょっと寄っていただけたら嬉しいです。
そのときにたまたまイベントがあったら、ぜひ奥の部屋まで来てみてください。
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