空き家に巣食う何か

仲の良かった友人が、離婚のために車で2時間ほどの遠方に引っ越すことになりました。

良さげな一軒家があるとのことで、一緒に見に行って欲しい、そして何かあれば隠さず言って欲しいとのこと。

遠くて億劫だなと思いつつ、引き受けたのです。

車から降りると同時に頭痛が、、、

いざ目的の家に着いて玄関先に車を止めて降りると同時に、左右から竹串でも刺されたかのような頭痛に襲われました。

運転疲れ?と思いながら友人に続いて玄関に足を踏み入れた瞬間。

二階から子供が数人走り回っているような足音が聞こえてきました。

あれ?と思いましたが、友人には聞こえていないようなので黙っていました。

玄関すぐ横の和室の畳はだわだわにたわんでいて、なんだかじめっとした印象です。

仏壇を設置する扉は怖くて開けることができませんでした。

反対側はリビングでしたが、日当たりもよくて広々としていて過ごしやすそうです。

キッチンはかなり広いのですが北向きで暗く、日中でも照明をつけなくてはいけない感じ。

そこで感じたことが口をついて出てしまいました。

「この家、後付けで二階に水場があるんじゃない?」

「二世帯ではないけどそんな使い方してたんじゃないかな」

友人と二階に行ってみると、階段を上り切ったすぐのところに水場があります。

小学校の水飲み場のような、蛇口が3つ並んだ横長の水場でした。

一軒家なのに違和感しかありません。

突き当たりにはアルミのドアがあり、開けてみると外階段があり、家の裏から外に出られるようになっていました。

早くこの家から出たいという衝動に駆られ、友人を急かすように車に戻りました。


ごめん。

着いた途端頭痛に襲われたし、家に入った瞬間二階から走り回る足音するし、見るからに後付けの水場や外階段も違和感しかないし、ここはやめた方がいいと思う、、、、

そう友人に告げると


え、、、気のせいじゃなかったんだ、、、

実は自分も玄関入ってすぐ、上から足音した???って思ってたけど、あんたが何も言わないから気のせいだと思ってたんだ、、、


その後の車の中は無言。

友人を家に送り届けて2時間かけて自宅アパートへ帰りました。

自宅アパートの暗がりで座っていた者

往復4時間の運転に加え、あの空き家のことが思い出されてなんだかとても疲れていました。

アパートの一階駐車場に車を停め、重い足取りで階段をのぼり、玄関を開けました。

部屋を出る前、全てのドアを開けていたのもあり、玄関を入ってリビングドアを開けると奥の部屋まで見渡せる状態です。

リビングに一歩足を踏み入れて、奥の部屋のベッドが視界に入った瞬間、跳ねるように玄関を飛び出し、反対の端の部屋まで猛ダッシュしました。

チャイムも鳴らさず、仲良くしていたおばちゃんの部屋に転がるように飛び込みました。

おばちゃんは驚いて、どうしたの!なんかあったの?!と聞いてきます。(当然ですよね)


部屋に入り、奥の部屋のベッドに目を向けた時、真っ暗なのにそこだけぼんやりと薄暗く、白いワンピースを着た髪の長い女性がうつむいてベッドに腰掛けている姿が浮かび上がっていたのです。

そして前に垂れ下がった長い髪の毛を顔を上げながらかき上げた瞬間、私は踵を返して部屋から飛び出したのです。


なんだなんだなんだ、、、、

もしかしてあの家からついてきた???

なになになに!!!!!


動揺する私をおばちゃんは落ち着くまで一緒にいてくれ、部屋に戻る時もついてきてくれました。

飛び出したので玄関のドアも開けっぱなしでしたが、すでにそこには何もおらず、いつもの空間が広がっていました。

あの家の仏間

後日、友人からあの家を借りるのはやめたと連絡がきました。

玄関横の和室に備え付けのタンスから、老婆が出てくる、誰もいないのに足音がすると有名なお化け屋敷だったとのこと。

それを知ってたら絶対に行かなかったよ、、、

次の物件の時も一緒に頼むと言われましたが、ぜっっったいに嫌だ!!!!と拒否しました。


私は霊能者でもないし、視ようと思って視えるわけでもないし、何よりも連れ帰ってしまうかもしれないと思うと絶対に嫌!!!!

霊能者からスカウト経験のある母の娘なので、多少は視えたり感じたりがある程度なのでマジ勘弁。


犬の多頭飼いでわんこのためにIT企業でがむしゃらに働いています。 犬のこと、我が家の不思議現象などをお届けします。