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34歳で妻子持ちが仕事辞めてデジハリ大阪に入ってcg業界を目指した事_03

↑前回の続きです。

cgworldのコンテスト、whosnextでデジハリ大阪での受賞者が5人と言う快挙を達成した喜びも束の間。

さて中間課題は何をつくろうか?と考えておりました。

3カ月課題講評の終わりに先生が「中間課題は3カ月課題よりも100倍しんどいです」と言っていたので早々に企画を考える。

考えている間に、ちょこっと自主制作もしておりました。
1週間で出来るかなチャレンジです。

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↑年が明けて初っ端に制作した作品です。

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↑Zbrushを初めて習って自主制作した作品。

最終的に3パターンの構想を考えるが、ふと先輩たちの中間課題を参考に見ていた時にPS4ソフト「アンセム」のムービーの一部を自分で作っている人がいたのを思い出し、自分もゲームや映画の映像の一部を作りたいと考える。


1度模倣してみてどんな苦労があるのか体験もしたかった。

そこで、選んだのがPS4ソフト「バイオショック:インフィニット」の特報映像に決定。

↑この映像は今でも見返すくらい好きな作品の1つです。もう、7〜8年前の作品です。

で、今回はレンダリングをUE4(アンリアルエンジン)を用いようと考えた。

UE4を使用しようと思ったのも先輩の作品で使用したのがあり、話を聞きに行きUE4の魅力に取りつかれたからです。

この時は、レンダリングが早いというだけで飛びつきました。
が、業界的にもue4 を使用する作品が増えてきているので触れるくらいになっていたら就職の時に武器になるかと思います。

クラスでもう1人UE4を使用したいクラスメイトがいたので一緒に中間で使用して良いかを先生に相談する。

最初、先生は少し不安がっていた。

UE4の知識0の状態だったら何かあった時に路線変更が難しく、それだったらまだ使い慣れたMayaを使用して万全の態勢で中間に臨むべきと先生は考えていたのだと思う。

最終的に先生は折れてくれて、UE4使用の許可を得たのですが、「ちゃんとリスクは言ったからあとは自分たちの責任だよ」と言葉の裏に隠されていたのかな?と今に思います。

好きに作っても良いけど、ちゃんと作ってね。。。そりゃそうですよね~。

ここからUE4の勉強が始まります。

とりあえず、youtubeでUE4のtutorialを見ます。
これは使えると思ったものは片っ端からevernoteに書いていきます。

UE4での映像制作だったり、MayaからUE4への出力の仕方(オブジェクト、アニメーション)など。

ue4が公式で出しているチュートリアルを見るのをオススメします。

プラス参考書も1冊購入。

↑UE4のマテリアルのつなぎ方はMayaとはまた違うので、この本はとても役に立ちました。

中間課題にもブレストはあります。ってか全部の課題にあります。

今回はアニメーションなので、絵コンテないし動コンテを作ります。イメージボードなんかも描いたりします。

↑動コンテ(ビデオコンテ)が詳しく解説してあります。

↑有名なのが新海誠監督で、毎作品動コンテを制作しています。

↑「イメージボード 映画」と調べると色々出てきます。「コンセプトアート」でも良いかと。

自分もなんちゃって動コンテとイメージボード描いてそれを見せながら説明。
ブレストの結果は少し変更するくらいで良さそうな感じでしたのでこのまま本格的に作業が始まります。

が、ここにきて大変な事が起こりました。

コロナさんが猛威を奮い、緊急事態宣言発出に伴い学校閉鎖です。
予想外の出来事で家での作業を余儀なくされました。
幸い作業環境が自宅に整っていたので作業に支障は出なかったのが救いでした。

自宅PCにMaya、SubstancePainter 、Adobe関係を早々にインストールして学校と同じ環境にするのをオススメします。
なんかあった時の為にも。
あと、ソフトのverも合わせた方が尚よしです。

当初のスケジュールだと提出期限は4月末でしたが、緊急事態に伴い最終提出日が6月末に変更になりました。
が、当初の4月末を自分の締め切り日に設定しました。
何故、この様な事をしたかと言うと、だらけそうだったからですw
それなら4月末に完成させてだらけようと考えました。

ここからは怒涛の巻き返しでしたね。

確か緊急事態宣言で学校閉鎖の前に出来上がっていたのが部屋1つ(テクスチャは済)とロボット(uv展開まだ)だけでしたからね。

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↑最初の部屋はこんな感じです。華麗なるギャッツビーのアールデコスタイルを目指しました。

後、必要なのがロボットとカメラのアニメーションと都市1つ作らないといけない。
ロボットのUV展開は2日程かかり、右手が筋肉痛になるレベル笑

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テクスチャの作業はUV作業から解き放たれたのか捗りましたよ!
そこにロボットを動かす為の骨(ボーン)を入れる作業なんですが、自分はこの作業がとても苦手で授業のノートを見返しながら作っていきました。
そこからは腕には腕の足には足の専用のコントローラーを作るんですが、時間がなかったのでその作業はバッサリ切りました。
で、あまりよろしくない方法、ボーンに対してキーを打ってアニメーションを付けると言う荒技で対処しました。
※ボーンに直接キーを打つのは通常禁じ手です。良い子は決してマネしちゃ駄目ですよ!!

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↑ロボット全体図。映像では映らないので結構レアですw

アニメーションのリファレンスとしては、自分でiPhoneを持ちながら撮影しました。

自分視点の作品でしたので、どれくらいカメラが揺れるのか?どんな挙動をするのか?等、カメラの動きが客観的に見えるので撮って良かったと思います。

アニメーション作る際はリファレンスが大切ですからね。
リファレンスあるのとないのとでは作ったアニメーションは段違いでクオリティに差がでます。

海外のアニメーションスタジオの方達は自分で演技をしてそれをリファレンスとしてアニメーション付の参考にしているみたいです。

↑アニメーターさんって演技力凄いですよねw

デジハリでも有名どこの会社のアニメーターに就職していった方達はやはりリファレンスを大事にしておられました。

リファレンス撮るの恥ずかしいとか言ってる人、何恥ずかしがってるの?

ロボットのアニメーション等がつけ終えたら、次は都市を作る作業に移ります。
ビルなどのモデリングに際しては北田栄二著の実践ハードサーフェイスモデリングがとても役に立ちました。

遠景、中景、近景のビルのモデルを各種数パターンを準備します。
このままだったら複製感が出てしまうので、モニュメントになるような大きなビルも数パターン準備する。

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これで、都市のシルエットにリズム感が出たかな?w

建物が出来たら後は楽しい楽しい配置作業です。
ここからはUE4上での作業になります。

建物のモデルとテクスチャデータをUE4に移して配置していきます。
シンジ君みたいに、標的をセンターに入れてトリガーを引くの繰り返し作業ですw

どんどこどんこ置きすぎて、またまた物量がヤバい事になりますが気にしないw

自分のPCを信じてドンドコドンドコ…。

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都市1つが何とか出来上がりした。

そこから、結構難儀した落下シーンの撮影です。カメラ視点なのでカメラが高い所から落下してる様にしないといけない。

iPhoneのカメラをマンションのベランダから落とすか?とか無謀な事を考えたりしましたが、そこは使用したバイオショックの映像を参考にしました。

本当に落下した方が、自分自身で体験してるとアニメーションって付けやすいんですよね。
バンジーをしたら良かったかな。。。

なので、体験できるのならば体験しましょう。

一通りのシーンが完成した所でライティングに入りますがue4のライティングはちゃんと勉強してなかったのでチュートリアルを見ながら無理くりライティングしてます。

1シーンなんですがライティングが上手くいかなかったのでシーンを分割してライティングして最後に編集であたかも1シーンかのようにしてますw

レンダリングは感動しましたね。

さすがリアルタイムと言うだけの事はあります。
全体で2〜3分弱の長さなんですが、5分も掛からずにレンダリングできました。
これなら少し訂正してレンダリングしても痛くも痒くもありません(自分の場合はですが)。

UE4、バンザイ!!
これには本当に感動。。。

編集は、色味調整やエフェクト入れにAdobe AfterEffectsを、編集や音入れにはPremiereProを使用しております。

授業では全部AfterEffectsを使用する風潮がありますが、編集音入れの時点でAfterEffectsは編集しにくいです。

PremiereProの良い所はAfterEffectsのコンポジットをドラッグ&ドロップで読み込めてコンポジット側で編集して保存すれば即座にPremiereProに反映されるのがとても便利です。

AdobeさんがPremiereを買収してくれたおかげです。と、京都コンピュータ学院に行っていた時の事を思い出しました。
あの時の卒制もAfterEffectとPremiereの合わせ技で作っていたな〜。

良い感じで編集出来たら音入れです。
音に関しては海外で売られているのを購入。
確か、200曲くらいの効果音だったりが入って4000円くらいだったかな。
しかも、しっかりとフォルダ分けされてるので使いやすかったです。
クオリティも申し分なく、卒制にも使用しております。

↑これだけでも十分足りるかと思います。

↑効果音や音楽のサブスクリプションもあります。ここはオススメします。
テーマ毎に分けられており探しやすいです。

人物の声の方は自分の声を入れてます。

人物の声となると探すのに時間がかかる上、著作権とか色々ややこしそうだったので、それなら自分の声でええんちゃう?で採用。

布団と毛布に包まってiPhoneのボイスレコーダーで数パターン録りました。録り終わった後何やってんだ私?と思うくらいシュールな光景だったと思いますw

声優さんは偉大だなと再認識。

音が入っていくと映像に色がついてこれがまた良いんですよね。
自分の作品はopからedまでを1つの作品として捉えてるのでopに入れるクレジットからedのクレジットまで映画的な演出を加えております。
が、これは学校の事務の方に許可を貰って下さいね。
クレジット関係を弄るのをあまりよろしくないみたいなので。

で、自分は一通りカットが繋がったらひたすら見返します。
それで、カットとカットの間は適切に切り替わってるのか?カットとカット同士がスムーズに繋がってるのか?等、ひたすらに自問自答しながら、1フレーム単位で調整します。
この事を「1フレームの攻防」と勝手に呼んでますw
3日くらい格闘して、編集作業終了です。

提出日(当初の予定)である4月末日に完成できました!!

間に合い安堵します。

↑出来た映像です。
素材など3分くらいあったのが編集などでカットしたりで、最終的には1分弱の作品になりました。
※今見ても反省点が多い作品です。いつか直したい。。。。

そこからは発売されたばかりのFF7リメイクを1週間でクリアする為にずっとプレイしておりました。
やっぱり背景凄いな〜とゲームの中の気になったモデルのエッジ数を数えておりましたw
デジハリに通い出して3DCG漬けの毎日になるとリアル・バーチャル問わずこれはどうやってモデリングしたらええんかな?と自然に考えるようになってきます。
所謂、病気ですw

FF7リメイクを無事に、1週間でクリア!!

その後は見れていなかった映画やチュートリアルを見たり過ごしました。

6月初旬に学校が再開されると言うアナウンスが流れました。
そうそう、この時にデジハリ大阪校が茶屋町から今の梅田のど真ん中に移転したんでよね。
前のほうが広くて良かったんですけどね~。

これは1番乗りをしないとと思って行ったんですけど2番手でした。残念。
久しぶりにクラスメイトの元気な姿を見れて嬉しくなります。

中間課題が出来てしまっていたので自主制作をしようと「路地裏」を作る事になるのですがその事についてはまたの機会に。
路地裏って作りたくなるんですよね。

何人かに中間課題を見せて意見をもらい修正をして提出。
発表の日を迎えます。

発表当日。
コロナ感染防止の為、発表は午前クラス午後クラスに分ける形になりました。

少し、寂しいですが感染リスクを避ける為なので致し方ないです。

自分の作品を発表し、先生からの講評をもらいます。
オリジナル映像に対して良く再現しました、と講評。
声に対しては、これは自分の声を当てましたと言うと皆が皆んな驚いておりましたわ。

今回の講評も皆優しく書くと思ったので厳し目に書きました。
おっ!と言う作品から、それは無いわ~、な作品まで。

午前と午後に分かれていたので午前組は夕方には終了。
そこから、少人数で静かなる打ち上げに行きました。
マスクをしながらでしたが、また作品の話、趣味の話、恋愛の話などをして、とりあえずの中間課題の労を皆で労いました。

さぁ、さぁ、待ったなしの卒業制作が始まります。

ー中間課題編終ー

※この記事の内容は、2020年3月~2020年7月辺りの事を書いております。
今現在だとカリキュラムや体制など変更している可能性がありますのでご了承下さい。

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