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女性首相退任。ニュージーランドで男たちのうらみが爆発。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ニュージーランド最年少女性首相退任の波紋。いまだ逆風が吹き荒れるフェミニズム(男女同権主義)の現実。男女同権は未だ実現してない世界の現状。

ニュージーランドに吹く逆風

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(Jacinda Ardern42歳)といえば、世界最年少の女性首相として知られ、フェミニスト(男女同権主義者)として、様々な改革を成し遂げてきたことで、いちやく世界のリベラルのアイコン(象徴)になりました。

男女に同等の育児休暇を4ヶ月から6ヶ月に拡大、堕胎の免罪、学校における生理用品の無料供与、男女同額給与、DVの厳罰化など、女性に優しい政策を次々に実現させてきました。

これは女性が国のリーダーになったからなのか、彼女の所属する労働党のリベラルさゆえなのか(労働党はニューヨーク・タイムズによれば、左寄りとのことです)、それともニュージーランドのお国柄なのでしょうか。

女性には、まだ目に見えない障壁がある

彼女の、女性の立場に立った政策実現の数々は、素晴らしいと思うんですよ。

しかし、彼女は首相を5年半務めて、この4月にやめちゃったでしょう。

退任スピーチをするアーダーン首相 https://qr1.jp/42vW0l

辞任理由が気にかかるんですよ、彼女は「国を率いるために必要な余力が底をついた」と言っています。

要するに「疲れ果てた」ということなんです。

考えてみると、コロナのパンデミックが2年間続き、景気後退、ホワイト島の火山噴火、モスク銃撃事件などが次々と起こり、どんなタフガイでも(こんな言い方がそもそも男中心主義、かな)、こんな状況で国の舵取りをしたら、心身がもたないでしょう。

ただ、この彼女の発言には、まだ目に見えない女性に対する社会的なハンディがあることを明らかにしたのではないでしょうか。

一つの仮説なのですが、「働く女性のほうが、働く男性よりストレスが3倍かかる」としたら。

仕事の大変さに対する耐性に、もし科学的な男女差があったらどうなるでしょう。

もし女性の方がストレス耐性が弱いことが科学的に証明されたら、職務における特別なサポートを義務化する、なんてことがあっていいのじゃないでしょうか。

まだまだはっきり言語化できないような女性の社会的な負荷、はたくさんあるのでは。

それは例えば、子育てと仕事の両立という困難、です。

https://qr1.jp/erIVL3

建前は、男も育休を取って子育てに参加しろ、ですが、実際両性の同等の子育て参画など理想論で、女性の心身負担が大きいのは、もう事実です。

職業を持った女性特有の、社会的ストレスも大きいはずです。「ちゃんと子供にご飯やってんのかしら」的な、キャリア女性に特有な攻撃もあるはずです。

ニュージーランドは女性天国じゃないよ

アーダーン首相の後釜は、女性じゃないんです。

二人のクリスが争っている、そうです。男です。(笑)

ニューヨーク・タイムズWeekly10月1日号(Scary times for women in New Zealand politics)は、いまニュージーランドは政治的バックラッシュ(反動)の真っ最中で、ミソジニックス(misogynistic女性嫌い)勢力が、女性候補たちをいじめている(abuse)と報じています。

それは一部暴力的な体をとり、恐怖から女性達が続々立候補を取りやめているというのです。

男はいつの世も、女性が自分と同等の権利や特権を持つことに我慢ならないのです。

女性の参政権を世界で初めて認め、世界最年少女性首相を輩出した、ニュージーランドでさえ、このありさまです。

アーダンさんの「必要な余力が底をついた」発言は、真の男女平等にまだまだ隠れた障壁があり、それが世界共通の課題であることを、浮き彫りにしたのではないでしょうか。

女性が気分よく、男と真に同等の制度と環境で働けない社会では、いつまでたっても少子化は改善されないでしょう。

ああこんなことを言うと、またフェミニストの方々から「おんなを『産む性』と役割規定すんな」、と怒鳴られるかもしれませんが。

野呂 一郎
清和大学教授







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