高校生よ、世界に取り残される日本に危機感を持て
100年の歴史にあぐらをかいたミシガン州
一昨日、大人向けの連載で、ミシガン州が電気自動車の工場設立の争奪戦で、近隣州のテネシー州、ケンタッキー州、オハイオ州に負けてしまったどうしましょう、という記事を書いた。
考えてみると、この話はまるで時代に取り残されつつある、日本のことじゃないか、といま気づいたんだ。
ミシガン州は、自動車産業の原点はデトロイト市の工場で、1908年にフォードが作ったT型フォード(Ford T-Model)だ。これがクルマの大量生産システムの始まりだった。
以来、100年、一世紀を超える長きに渡って、フォードは世界の自動車業界に君臨してきた。
その本拠地デトロイトを擁するミシガン州は自動車州といわれ、今も20万人余がフォードで働いている。
しかし、世界の自動車生産は内燃エンジンから、電気へとシフトし、従来のエンジン付き自動車生産システムは無用の長物と変し、ミシガン経済はいちからの変革を余儀なくされている。
危機意識のないミシガン州の政治家たち
ミシガン州と言えば全米の内燃エンジン製造の6分の1を、トランスミッション製造の3分の1を製造してきた。でも、新しい電気自動車の工場はエンジンや駆動系なんて、まったく作らなくていい。必要ないんだ。
これって、もうミシガン州は、いらないってことと同じじゃないか。
そして一昨日別の記事で書いたように、フォードは電気自動車を製造する工場をミシガン州には作らないんだ。
近隣のケンタッキー州、テネシー州に建てると言うんだ。
そこで働く労働者は1万1千人。ミシガン州は入札にも参加できなかった。
それでいまミシガン州の知事のグレッチェン・ウィトマー(Gretchen Whitmer 写真)さんが、政治家から識者から激しいバッシングにあってるというんだ。
共和党、民主党の政治家が入り乱れて、責任問題を巡って大混乱している。
このことがますますビジネス投資家をあきれさせ、投資を敬遠する要因にもなっている。
ミシガン州はビジネスステート、ビジネス誘致ナンバーワンを目指していて、ウィトマー知事は「我々は”持ってる“のよ。安売りしちゃダメ」なんて宣言してたんだけれど、実際は何もないどころか、フォードから入札すら門前払い。
ゼネラル・モーターズはテネシー州とオハイオ州に初の電気自動車工場を作ることを発表した。ミシガン州? GMにもハブられたんだよ。
きらわれる理由は前の記事で言ったことに加え、電気自動車製造に最も必要な広大な土地がないということが大きい。
しかし、それより何より、政治家が無能だってことだよ。
デジタル化への準備も覚悟もない日本
時代は電気自動車なのに、政治家がその時代の意味を把握しておらず、準備もしてない。覚悟どころか認識すらしていない。これっていまの日本そっくりじゃないか。
時代はデジタル時代、でもその意味をわかっておらず、準備もしない日本の政治家。
最近の日経新聞でこんな記事があった。
ちょっと前までは日本のコンビニのシステムっていうのが、世界をリードしていたそうなんだ。たとえば、品揃えが半端じゃないとか、独自製品の開発とか、効率的な商品の回転とか。
日本方式に倣えってことで、世界の拠点のオペレーションを日本のやり方に直させたそうなんだ。
しかし、今は違う。各国のデジタルを有効活用したシステムの方が効率が良いということがわかって、日本式は顧みられなくなったと言うんだ。
ミシガンと日本はまったく同じだ。
もうそこまで変化が来ている、いやもう胸まで水が来てるのに、なにもしない、できない。
「ミシガンの轍を踏むな」と日本政府に、日本企業に言っても仕方ないことだ。そんな意識すらないのだから。
大学、飲食、観光、新聞・・危機意識のない業界
「国vsデジタル化」は話が大きすぎるなら、業界レベルの話に落とそう。
今、時代の変化に翻弄され、青息吐息の業界はどこだろうか。
例えば大学。18歳人口が毎年1万人減り、それが相当な年月続くと見られている。
大学だけでなく、若者相手の業種は考えてみればみんなそうだ。ユニクロだって、若者が減ることに相当の危機を感じているから、ネット通販でも送料無料なんてやっているんだ。
コロナでどうしても不確実性を逃れられないことがわかった、飲食、観光。
またオミクロンとか本格的に来たら、どうなるのか。
もうすでに、民衆はコロナが開けても防衛姿勢を崩さず、飲食、観光はリベンジ消費とは程遠い。もうコロナ後は別の世界と認識して、新機軸を打ち出したらどうなんだろう。
新聞も部数が激減しているのに、どの新聞社も手をこまねいているばかり、いや僕に言わせると日本政府と同じで、危機意識すらないんだよ。
まだ、政治家に頼るのか?
結局、このコロナで明らかになったことはただひとつ。それは政治家が、政府が無能だということ。
彼らに頼れないことは、もうはっきりした。
それでも補助金とやらを当てにして、彼らにすがるのか。
ミシガン州が電気自動車時代の幕がとっくに開いているのに、それを受け入れる覚悟も、準備も、意識すらないと言った。
日本も同じなんだって。
高校生のキミよ、キミ達は泥舟に乗っているのかもしれない。
すぐ降りて、逃げろ。そしてもう戻るな。でも気づいたら戻る家もないかもしれない。
じゃあどうするか、キミ達に日本の明日はかかっている。
まずは現状をしっかり認識するチカラが必要だ。
それにはいつも言っているように、新聞を読め。海外情報を入れろ。問題解決を書いてしたためろ。
現代における行動力とは「書くチカラ」だ
あとは行動あるのみ。
現代における行動とは、行動力とは、やみくもに動くことではない。
まず、現状を把握し、分析し、解決策を作ることだ。
noteに書くことだって、立派な行動だ。
いやむしろ、SNSの爆発的な広がりと影響力を考えると、SNSに自分の問題解決を載せること自体、最も有効な行動であり、すぐれた行動力であるとも言える。
高校生よ、noteを毎日書いて、書く力をつけて、日本を救い出してくれ。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。
それじゃあ、またあした。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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