「寒さに弱い」欠陥が露呈、大丈夫か電気自動車。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:寒さでバッテリーが動かなくなる・・シカゴで起きた悲劇で露呈したEVの致命的欠陥。バッテリーの宿命的な欠陥はEV業界を震撼させている。
シカゴの悲劇
最近シカゴを襲った大寒波は、EV(Electric Vehicle電気自動車)をスタックさせました。
寒さでバッテリーが上がってしまい、電気をチャージする充電ステーションには長蛇の列ができています。
列に並んだ人々は、口を合わせるかのように「通常1時間でフルチャージできるところを、5時間かかった」、というのです。
テスラのあるユーザーは、「もうEVはいい!」と吐き捨てました。
寒さに弱いという欠点が露呈した、EVですが、こんな声もあります。
問題は寒さに弱いというEVの能力の問題ではなくて、充電ステーションが少なすぎる、ということだ。
フィンランドは例外か
世界で最もEVが普及しているフィンランドは、クルマ4台のうち1台がEVです。
フィンランドは世界で最も寒い国の一つ、その国でこんだけEVが普及しているのはなぜか。
それは人々が寒さ対策をしているからです。
身体を暖かくするように、クルマもあっためてるんだそうです。(笑)
真面目な話、電気自動車のバッテリーは前もって暖かくすると、結構よく働きます。
しかし、このことは裏を返せば、人々がそれだけの労苦を背負わなければ、EVは維持できないということです。
早くもEVに急ブレーキ
北欧は環境先進国で意識が高いからいいですが、資本主義の便利さに慣れたアメリカで、はたしてこんなことでEVはやっていけるのでしょうか。
EV擁護側はこう言います。
「ここ数年EVの性能も上がっている。寒さだって大丈夫になるはず」。
もちろんそんな保証はありません。
根本的な問題が横たわっています。
非常な寒さの中では、バッテリーの陽極と陰極が化学変化を起こし、充電と放電に大変な時間がかかるのです。
一方ガソリン車のユーザーは、「自分らはガソリンスタンドはどこでも探せるぜ」と、EV派を憐れむかのようです。
バッテリーの性能はもとより、充電ステーションの改革も必要で、今回のシカゴ以上の寒波が来た時、EVは早くも本当の正念場を迎えるかもしれません。
野呂 一郎
清和大学教授
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