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声掛けというマーケティングの原点。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:声をかけるという原始的な行為が失われていることへの憂い。トップ画はhttps://qr1.jp/pQmqoG

声を掛けることが最高のマーケティング

職場の大学の校門の入口で、最近毎日学生に声をかけています。

オンライン語学研修への参加を呼びかけているのですが、ほとんどスルーされることにも慣れてきました。

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なにせ毎年この時期、1ヶ月ほどほぼ毎日やっているのですから、チラとでも見てもらえば御の字とわかってきました。

ただ、これは立派なマーケティングなんだな、と気がついてきたのです。

その核となるのが声を掛けるという行為、です。

テーブルにチラシを置き、看板を立て、音源を鳴らすだけではダメです。

声をかけなくてはなりません。

声を掛けるだけではいけません。

どんな内容を、どんな調子で、どんな音量で訴えるかに気を配らねばなりません

内容、つまりメッセージは不適切なものであってはなりません。

「オンライン研修で英語ペラペラになるよ」と言ってしまうと、今日びは誇大広告、プロパガンダの責を負われかねません。

フレンドリーに声をかけますが、キャッチセールスのようなことをやっては、「経営学を教えてるのにぃ?」とクレームが来ます。

大声は、近所迷惑と言われます。

声掛けとはワン・トゥ・ワン・マーケティング

ワン・トゥ・ワン・マーケティングが提唱されてはや30年、この教えはマーケティングの究極は個人個人に合わせたアプローチである、と喝破しています。

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ウェブマーケティングが、ワン・トゥ・ワン・マーケティングを体現している、と主張される人がいます。

しかし、それはあくまであなたのクリック行動をアルゴリズムが判断し、機械的にあなたの興味を引く広告やらコンテンツを、スマホの画面に強制的に映すだけです。

僕に言わせれば、こうしたアルゴリズムに頼るのは本当のワン・トゥ・ワン・マーケティングではなく、単なる確率の低い自動化にすぎません。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングとは、アドリブのことです。

眼の前に潜在顧客が現れた時、あなたのすべてのマーケティングマインドを総動員して、瞬時にその人だけに効く正しいメッセージを、正しいタイミングで、正しいやり方で届けること、それがアドリブなのです。

声掛けとは情報収集である

マーケティングとは、実は情報収集なのです。

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僕は学生に声掛けをするまで、その真理に気がつきませんでした。

要するに、声を掛けると、なにかの反応が返ってきます。

コミュニケーション学では、これをフィードバック、といいます。

このフィードバックこそが、貴重な情報なのです。

声掛けの素晴らしいところは、即時にフィードバックが入ることです。

無視されても、完全にスルーされても、それは立派なフィードバックです。

立ち止まって話を聞いてくれたり、質問をする学生もいます。

「これってオンラインなんですか。でもやっぱり本当の留学の方がよくありませんか?」

そこで僕が色々反論するわけですが、学生のギモンや意見でいろいろ考えさせられることがあります。

例えば、こんな気づきです。

「学生の言う通り生の留学もいいけれども、自分の留学を振り返ると、多くの日本人留学生は、『日本人村』に逃げ込み、英語を使う機会を積極的に求めやしない。

日常会話に毛が生えたくらいの会話力が、留学のとどのつまりではなかったか。

それならばオンラインは強制的に喋らされるだけ、本当の留学より効果的ともいえるのではないか」

野呂独白

こんなことを気づいたあと、声掛けのメッセージは変わりました。

「本当の留学より効果あるよぉー!」

メッセージを変えると、学生が反応することが増えました。

声をかけることはめんどくさいですし、基本スルーですからストレスですし、他の手間のかからない方法もあるわけです。

しかし、それでも声掛けこそマーケティングだと、申し上げる理由は、重複をお許しいただくと、以下です。

1.声をかけることは、製品を宣伝しているのではない、信頼を構築する行為だから。

解説:
マーケティングとは、単にモノを売ることではありません。お客様は信頼を買うのです。

声を掛けるとは、自分の全てをさらけ出す行為です。

その姿に信頼を感じて人は買うのです。つまりひとはモノを買っているのではないのです、あなたを買っているのです。

2.声をかけることは、見知らぬ潜在顧客の属性を瞬時に読み、その人に最適なメッセージを最適なやり方とタイミングで投げかける学習になる、とわかったから。

解説:
先に述べたように、声を掛けるとは、高度なマーケティング的アドリブなのです。

ウェブマーケティングではお客の顔が見えず、マーケターとしてのカンは磨かれません。

3.声をかけることは、社会性を最も要求されるマーケティング活動において、根本であり、最重要であるが、難しい行動であり、その訓練になるから。

解説:
人間は社会的な動物です、つまり、人との関係の中で生きているわけです。

社会性とは結局人に声を掛ける能力のことです。

声をかけることをしないで、マーケティングなどできません。

何でもかんでもデジタルの時代は、声を掛けるという原始的な行動がないがしろにされています。

4.声をかけることは、マーケティングの根本精神「叩けよ、さらば開かれん」を実行することだから。

解説:

結局マーケティングとは行動、なのです

まずは行動しないと結果は出てきません。声を掛ける行為まずドアをたたいてみることこそが、あらゆる行動のはじまりなのです。

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野呂 一郎
清和大学教授

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