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人間を動かすものはマーケティングではない

この記事を読んであなたが得られるかもしれない知れない利益:勉強とりわけ学問は、人間を知るのに役立たないかもしれないという重大な疑義。ロシアをプーチンを動かした真の理由とは。

人間を真に動かすものは何か

おとといからやっている、ニューヨーク・タイムズ論説委員のブルックスさんの記事は、一字一句なるほどと唸らされるものばかりなのですが、僕は彼の記事のここが一番刺さりました。

原文はこれです。
Humans are driven by what are known as the thymotic desires. These are the needs to be seen, respected, appreciated. If you give people the impression aht they are unseen, disrespected and unappreciated, they will perceive diminishment as injustice and respond with aggressive indignation.

あえて、オレ流の訳を施してみました。

人間が本当に動くのは、”人間性の真実”に駆られるときだ。

それは言い換えると、人間とはしっかり自分のことを見てほしいということであり、尊敬してほしいということであり、感謝されたいということなのだ。

もしあなたが、人々に「あいつは私のことを見てくれてない、尊敬してくれてない、感謝してない」という印象を与えたらどうなるか。
人々はあなたのそんな態度を不当に感じ、怒って攻撃を仕掛けてくるだろう。

David Brooks, New York Times April 17, 2022 "A New World Takes Shape"より

これはすごく深い言葉だと思います。

僕的に言えば、つまり経営学の立場から、この言葉を置き換えるとこうなります。

「経営学とは人間を解明する学問である。でも、経営学の勉強をいくらやっても人間はわからない。戦略でもマーケティングでも組織論でも人間はわからない。それよりも、このブルックスさんの言葉を味わったほうが、わかる」。

筆者超訳

ブルックスさんは、あえて言わないけれど、この言葉をロシア側、ウクライナ側双方の立場から、言っているのではないでしょうか。

戦争は相手に対する尊敬の欠如で起こる

人間は見てほしいつまり、自分の価値を認めてほしい、ということです。

人間は、尊敬されたいんです。

人間は感謝されたいんです。

価値があるのに認めてくれない、尊敬に値するのに尊敬されない、感謝されるべきなのに感謝されない。

これはロシア側の本音と言うか、戦争を始めた真の原因だったりしたら。

プーチンも同じだったりしたら。

ウクライナ側は、わかりますよね。

理不尽な一方的な攻撃ですから、ロシアはウクライナの存在を認めてないし、尊敬も感謝もしてない、それどころかその正反対ですからね。

理屈はともかく、今回のロシアの行動は、西欧社会の構成員の私たちには理解が不能です。

でも、存在を認められない、尊敬も感謝もされない、だから戦争を始めたのだとすれば、それはよくわかる気がするのです。

ブルックスさん理論は僕的には、腑に落ちました。

それと同時に、僕がやってきた経営学は、役に立たないじゃないか、そんな失望も味わった次第です。

結構それほど、ブルックスさんの言葉にまいりました。

あなたはいかがでしたか?

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
 
                            野呂 一郎
              清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
 


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