見出し画像

石丸氏の勝因はマーケティングをやらなかったこと。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:僕らは普通に生きていても、マーケターであることを余儀なくされる。つまり、世の中の動きを自分なりに仮説を立てて、それを解明する力が求められているのだ。それは政治学だの経済学だの、経営学だので解明できない、時代の流れを理解することだ。今回の都知事選を例に取り、僕も考えてみたよ。キミの参考にはならないと思うけど。トップ画はhttps://x.gd/HLmyz

無党派層が動いた

今回の都知事選で、石丸伸二氏が大旋風を起こした要因の一つに数えられるのが、インターネットです。

https://x.gd/HjaWr

石丸氏が市長を務めていた頃の、市議会でのやり取りがYouTubeで流され、あっという間に全国に石丸ファンが誕生、もちろん首都東京でも石丸氏はあっという間にその存在を知られるようになっていきました。

僕も期日前投票に行きましたが、投票所にはついぞ見たことがない、若い人が溢れて、おそらくそのほぼ全員が石丸氏に投票したのではないかと思われます。

ここ30年くらい、選挙といえば「無党派層の攻略」と言われ続けてきました。

しかし、全く動かなかったわけです。

それが、今回、いとも簡単に動きました。

石丸氏が立候補を表明して、数週間たたないうちに、です。

インターネットの力と言うしかないように思えるのですが、それを言うならばここ10年、政治家はみんなインターネットを使って、ブログやSNS、YouTubeもやっているわけです。

どこが違ったのでしょう。

あくまで僕の周辺で見聞きしたことからの推測に過ぎませんが、僕は旗振り役の存在があったと感じました。

旗振り役はジェンダーを問わず、石丸氏のYouTubeを見て、彼のファンになった人たちで、そもそも石丸氏とは「縁もゆかりもない」30代から40代の政治的無関心の層です。

そういう人たちが、なぜか、石丸氏の噂を聞きつけ、YouTubeでハマり、共感したのです。

しかし、以前と違うのは、この人たちが旗振り役として、行動を始めた、ということです。

よく僕の周辺で聞いた出来事は、「ねえ、石丸ちゃんいいわよ!ネット見てよぉ!」という中年女性の方々による、「呼びかけ」活動です。

https://x.gd/Qz3XN

能登地震にみる政治家の無能と怠慢

自民党がこの10数年、傍若無人すぎました。

その象徴が、元旦の能登大地震でした。

半年たっても、多くの方が避難生活を余儀なくされています。

地震発生から数週間も被災者は、孤立無援のまま、そしていまも復興は全く進んでいません。

3・11の教訓など全く感じられません。

国民の安全と命を守ることが政治の最優先事項なのに、彼ら彼女らがこの13年やってきたことといえば、大企業と統一教会とのギブアンドテイク活動だけです。

https://x.gd/9iY0o

大企業に便宜を図る代わりに、大量のパーティ券を買わせ、日本中に家庭崩壊をもたらした統一教会への規制を野放しにすることと引き換えに、選挙活動を手伝わせることに、狂奔していただけだったのです。

彼ら彼女らは、世の中を良くするという意味での政治なんて全くやっておらず、自分たちの派閥の中で生き残るという意味での政治しかやってこなかった、ことがバレたのです。

これには、いくら選挙に無関心だった無党派層も、日本という国に対しての危機意識を持つに至ったのです。

そこにもってきて、一地方ではあるけれど、自民党的我利我欲を満たすだけの議会と「我一人ゆかん」の気概をもって闘い、世直しに立ち上がった石丸氏に「本気を感じ」た人々が動いた、のです。

策に溺れなかったのが勝因

マーケティングと石丸氏を結びつけてはいけないと思います。

ただ、結果として、石丸氏はマーケティングなどの「策」に溺れなかったことが、無党派層を動かしたのだと思うのです

策士策に溺れるhttps://x.gd/4AbYT

YouTubeにしても、街頭演説にしても、何のてらいもなく、自然体で加工をしていません

そういうスタイルが、インターネットという仮想空間で、リアリティを人々に感じさせたのではないでしょうか。

フェイク情報や誇大広告、最近はディープフェイクとやらで、偽物が本物を演じるような時代に、なぜ石丸氏は認知と人気を一人勝ち得たのでしょうか。

申し上げたように、何の加工も演出もマーケティングもしなかったからこそ、等身大のリアルな人物が伝わり、情報過多の、再生回数稼ぎだけ狙ったエグい動画があふれるインターネット空間で、人々を動かしたのではないでしょうか。

結局、マーケティングの話になっちゃいますが、これからはあなたの企業も「無欲のマーケティング」がいいかも、です。

野呂 一郎
清和大学教授

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?